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はじめに

1 惚れてしまえ!

2 ちらりと

3 光源氏計画

4 本当に惚れちゃった

5 惚れさせてしまえ!

6 あこがれ、依存、自立

7 手放すことを前提に

8 夫は友達

9 彼がいなくなる!

10 だけどね・・・


11 ママはひとりで十分

12 先輩への手紙 1

13 先輩への手紙 2

14 先輩への手紙 3

15 先輩への手紙 4

16 先輩への手紙 5

17 先輩への手紙 6

18 先輩への手紙 7

19 先輩への手紙 8

あとがき

 それで、来年4月から、海外支店への勤務が決まった天然ボケの部下さんは、ちょっとは自覚を持って成長したの? 

 う〜ん、いろいろ、あったわ。 

 いろいろって? 

 そうね。新聞沙汰になりかねないようなミスをしたことがあってね・・・ 

 まぁ!それで?? 

 本人は、ことの重大さに全然気付いていなかったのよ。私みたいな周囲の人間が慌ててね、なんとか収拾つけたことがあったわ。 

 それって、大きな学習のチャンスってやつじゃないの。どうだったの? 

 それがね・・・。事件の直後はさすがにまずいと思ったようだけど、その時にこじれた人間関係は、とうとう修復できないままなのよ。学習したのかしないのか・・・ 

 そうなんだ〜。 

 ほかにね、私の影響を受けてか、ずいぶん情報に敏感になったりもしたのよ。 

 あら、それはいいことね。 

 だけどね、実力がないもんだから、吸収できるものが本当に小さくて・・・ 

 いいじゃないの、小さいことからコツコツと!ってね。 

 ええ。ほんとうに、かわいいの。かわいすぎて、20代の青年というより、幼子をあやすみたいになっちゃうのよ。 

 え? 

 大人だと思えないの。ほら、「自分で考えてやってごらん」って言う時期の前に、「これはこうしてやるのよ」って、やって見せる時期があるじゃない。 

 あるわねぇ。 

 ずっと、その時期なのよ。それはこうなっているのよ、あれはこうしたらいいのよって、尋ねられるままに、頼られるままに、与えてしまうの。そうしないと、何もできないんだもの。 

 本当に、何もできないの? 

 ええ。何もかもズレていて、ボケていて・・・待ちきれないの。 

 理想的な部下になる姿をちゃんと思い描いていた?それでも? 

 それでも、理想的にはなっていないわね・・・ 

 それで?あなたは? 

 そんな彼がかわいくて、いとおしいと思って、大好きで、これって愛よねって思っちゃうくらいなの。 

 おやまぁ!大変な入れ込みようね〜! 

 だけどね・・・