時代の移り変わりに従って、力持ちから曲持ちになり、民家の棟上式、神社の遷宮や祭礼時の
落慶式等人の多く集まる所で行なわれていました。
新城の曲持は明治初めの頃にはじまったといわれているが、それ以前は明らかでない。
曲持ちの基本形としては約55キロの俵を持ちあげ、「さん俵返し」 「地蔵返し」「投げざし」
「強力ざし」「送りしゅもく」などの基本技を演ずる。 「さん俵返し」は俵を腹の前にたてかけ、
片手を俵の下にかけて回転させて肩にかつぎ、肩に かついだ俵を半回転してだくようにしておろす型
である。「地蔵返し」は俵を左足の膝にたて、 俵を左右の手で抱いて右肩に乗せる型である。そして、
俵を両手で頭上に横の一の字型になる 横一という型をする。「投げざし」は「さん俵返し」或いは
「地蔵返し」の型で俵を肩にあげ、 この俵を上に投げあげ、受けとめ横一にする型である。「強力ざし」
は横にした俵を胸のあたり から一気に頭上にさし上げ横一にする型である。
「送りしゅもく」は横一にさしあげ、両手を 俵の中央に移し、片手で横一にさす型で、それが鐘をつく
撞木の形に似ているところからつけ られた型である。この基本技につづいて、約25kg程の俵にかえての
曲持にうつる。この曲持は 今までの基本型をもとにしていろいろな芸をする。俵のみによって演ずる
「うぐいすの谷渡り」 「四方返し」「大返し」「邯鄲の夢枕」などの芸、俵以外に一升桝・平桶・長柄
・箱・酒樽・臼 等いろいろな道具を使って演ずる「長柄取り」「斗桶取り」などの技がある。 曲持は
全国的に珍らしく、貴重である。
※ 興味のある方は10月第一日曜日「新城神社秋季例大祭の奉納演舞」(夜8時~)をご覧下さい。