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 このページは、21世紀に活躍する芸人さんを応援してます。
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 一つ前の独り言ページへジャンプ      公演を見た感想を中心に書いてます       
僕の独り言
2001.06.24 浅草演芸ホール 6月下席
梅雨中休みの週末です。浅草演芸ホールの落語定席6月下席にやって来ました。ホールの向かいの大学対抗フットサル大会がもようされていた。12チームによるトーナメント戦だ。既に予選が始まっている模様。こちらは今回はおいといて、寄席の模様を書きます。
上席は昇太師の芸術祭大賞記念興行で来たので、もう割引券は無く定価の木戸銭で入城(幸村の大阪入城じゃないんだから)もとい入場です。すでに開口一番の時刻から5分経過の11時50分。前座さんが上がっています。急いで着席。
○雷門花助 落語 初天神
何時もは省略されて聞けない初天神の凧上げシーンから聴き始める。最初から聴きたかったよ。
○三遊亭小圓右 落語 豆屋
只同然で売らされたり、買わないで冷やかされたり、踏んだり蹴ったりな噺をトントンと短く纏めました。
○都家歌六 のこぎり音楽
ミュージックソーと言えば怪談か、50年代SF映画の効果音。この日本のミュージックソープレーヤーの第一人者である歌六師の高座。今日はイタリア民謡から、「オーソレミヨ」、「サンタルチア」、「フニクリフニクラ」三曲をおしゃべりと共に披露。いかったです。
○桂小南治 落語 たらちね
山椒は小粒でピリっと辛い。そんなコピーが似合う小南治師。講談でいえば松鯉先生のような力強い高座でした。(力強い千代女の台詞はすごかった)
○三笑亭可龍 落語  子褒め
出演順がズレて本来トプバッターの二ツ目可龍君がここで登場。若いが古典江戸弁が上手いです。将来が楽しみな噺家さんです。
○北見伸&ステファニ〜&ひとみなな マジック
魔女軍団のステファニーさんのオッカケも多いこの頃ですが、師匠伸さんの時間の最後3分に、魔女軍団からひとみななさん(太股健康美人です)の登場です。おじいちゃん芸人さんの中で、ステファニーさんと、星二つ輝いていました。
○神田紫 講談 お富与三郎の出会ひ
春日八郎さんの歌や芝居でもお馴染みの読み物でした。フルで読むと1時間越えの根多ですが、今回はお富と与三郎の密会からその発覚、印籠を渡す旦那の親分。生きていたぜ与三郎&お富さんの場面を抜き読みでした。紫先生のお富さんは、キャットボイスでセクシーでした。
○三笑亭笑三 落語 息子の結婚(仮称)
左から読んでも右から読んでも三笑亭笑三師の高座。息子の結婚相手が実は腹違いの妹だったというシチュエーションから、意外な結末が用意されている、次世代に残って欲しい名作だと個人的に思っている新作でした。
根多に入った最初の台詞「お父さん? お父さん!」の台詞に場内のお客さんから「はいよ」と声がかかり場内大爆笑。「お客さんと二人で落語をやったのは初めて」と笑三師。
○Wモアモア 漫才
来月の参院選、今日の都議会選を根多に入れた、現在の政治にたいする皮肉たっぷりな漫才でした。 モアモアさんがこんなにウケた高座は初めて聞いたかもしれない。
○三笑亭茶楽 落語 紙入れ
旦那が留守の間におかみさんと良いことして、九回ツーアト満塁フルカウント。一打逆転サヨナラの場面で、三振した代打の気持ちを書いたらこんな根多になるのかもしれない。
○古今亭寿輔 落語 地獄めぐり
性格地味で着物は派手な寿輔師の登場です。ひょんなことから地獄に落ちてしまった人が主人公の噺。地獄が初めての人の為に地獄観光案内がある。様々な商いもやている。たこ焼きを売るたこ八郎。鬼のお嬢さんにブレイクしている化粧品屋は・・・行ってみたくなる楽しい地獄噺でした。
○ボンボンブラザース ジャグラ
江戸太神楽がベースのジャグリングを演ずる鏡味一門からボンボンブラザース。道化とシリアス。ヤセとブーな人というデコボココンビの曲芸でした。
○三笑亭夢楽 落語 
20年以上ぶりにお顔を拝見しました。かつてのプレーボーイ姿は消えて、只のおじいちゃんです。何とか一人で袖から歩いて来ました。また顔を見せてくださいませ。
○桂右團治 落語 金明竹
髪を少し長めにしていた。膝かわりの任を勤めました。この根多に出てくる大阪弁の台詞は、流れるようで見事でした。
○こくぶけん ものまね
最前列のお客さんのおじちゃんに、おいしい所を持ってかれてしまいましたね。イイキャラのおじさんでした。
○春風亭柳昇 落語 <病院の倒産>仮称
倒産しそうな病院の企画会議で、空いているスペースをカラオケスタジオにして集客力をあげよう!と言うことになり、病院でカラオケ大会が開かれることになる。
そして病名を言い、歌を歌う(本当に歌う)。 師匠もお元気で。
○松旭斎八重子 マジック
紐のマジックが最近の流行りなのかこのお姉さんも紐を多くやりました。
○三笑亭可楽 落語 青菜
海外で働く日本人への出張落語会の事をマクラで話してから、この根多に入る。今夜は冷たく冷えた柳影をキュっとやりたいねぇ。
2001.06.19 落語21
ここは新宿のプーク人形劇場。子供達のための人形劇ホールです。客席は子供サイズの小ぶりの長椅子が3列に並び、お客さんは、そこにお尻はみ出しぎみに腰をかける。
この劇場で月1回、新作落語の会「落語21」が開催されます。この会は三遊亭円丈師匠が主催の会で、新作書き下ろし、根多下ろしが大原則となっているため、レギュラー陣は毎月の創作が大変かもしれません。お客さんは楽しみだけど。そんな会の様子は・・

○快楽亭ブラ談次

立川流は、快楽亭ブラック師の弟子で前座のブラ談次が開口一番です。
何時もは前座さんによる人形を使った前節がありませんが、今回は今の時間になっても出演者が全員揃っていないので進行の説明が出来ないので、しょうがないから私から始めたとのこと。この前、戸板女子大生殺害事件の犯人レッサーパンダ男に間違えられた。しかも師匠のおかみさんには、本気で疑われた。400件の通報があってその中で本当に自分を通報している人がいたのでビックリ。・・・・等 近況を語る。
「みなさん、そろそろ私が新作を作って来なかったことバレました?」と言うことで、近況報告会でした。(^^;
○三遊亭小田原丈  落語 キノコと私
キノコは出て来ません。七夕に関係の根多を作ってみました。と言って始まります。
主人公の家の庭に見知らぬ男が、勝手に入り込んでいる。ヤンキー風な男だ。名前を聞くと彦星だという。しかも本籍は富山県・・・・・・
いつもながらの派手な着物に袴姿の小田原丈さんのハードボイルド?な噺でした。
○神田昌味  講談 ダイエット修羅場
新作派の多い講談は神田一門から、北陽さん続いて二人目の講釈師、昌味先生の登場です。講釈場の高座の時と違って髪の毛をアップにしないでパーマのあたった髪を下ろしています。何時もの印象と異なりくだけた感じでこれはこれで良いかも。
さて根多の方は主人公、名前は宮本エリ。体重63キロ。夏本番前にダイエットに励むことにする。先ずはリンゴダイエット。今日もリンゴ明日もリンゴ、リンゴだけの食事でとうとう会社で倒れてしまい、リンゴダイエットを断念。次はゆで卵ダイエット、ダンベル体操、ジョギング、カプシン酸ダイエット・・・ダイエットは今日も続く。
挫折してはまた別のダイエットを始める様を修羅場読みで演じました。ジョギング中に入ったコンビニ内の出来事では結構笑いを誘いました。良かったです。又出てください。今回の読み物の主人公のモデルは、大変良く知っているだけに、私は別の意味で楽しめました。それから、他の講釈師の先生達もどんどん出演してほしいものです。
○夢月亭清麿 落語 マリオネット
東京かわら版のエッセイでもお馴染みの清麿師の登場です。70年安保時代に学生運動をやっていた青年がそのまま大人になったような風貌です。(伝わらないか)
町内会会長選挙で会長に選出されるために、カラオケでミニモニじゃんけんぴょんを練習するジュンちゃんとマキちゃんの物語。
○柳家小ゑん 落語 鉄道マニア(仮称)
お仲入り後の最初は、小ゑん師の登場です。8分間の皆既日食を観るために30万円かけてシンガポールまで行ってきた。 天体観測マニアの小ゑん師が本日やる根多は「鉄道マニア」通称鉄っちゃんの噺です。
父 「つばさ、お土産買ってきたぞ」
息子「ゴジラ?]
父 「キハ58系だ」
息子「やだ」
父 「じゃぁEF88なら良いか?]・・・
ディープな根多です。専門用語連発でワケ分かりませんがこのディープさがウケていました。
○川柳川柳&つくし 涙の円楽腺
最初はTシャツにジーンズ姿のつくしさんが一人で登場し、近況など立ち高座でフリートーク。師匠が今日やる根多は、入門した4年前に、初めて聴いて感動した噺で、それから一度もやってない根多なので、今日ここで聴ける皆さんは幸せものですとの前口上があり、師匠の川柳師が登場しました。上下白のスーツ姿です。川柳師も立ち高座で演じます。
根多は、1978年の落語協会分裂騒動の内輪話が前段で、円生一門のみ脱退した後、亡くなった円生師の跡を継いで現在に至る円楽師の事、特になぜ円楽師は高座で泣くのかをたっぷりと語って頂きました。最後はつくしさんのウクレレと、川柳師のギーターと歌でお別れでした。曲は当然「涙の連絡船!」
久しぶりに「ガーコ」を聴きたかったのだけれど、今日の根多も十分楽しめました。

次回はどんなメンバーで、どんな噺を聴かせてくれるのでしょうか、楽しみです。
2001.06.17 講談倶楽部
梅雨空は今日はお休みで、久々の晴れ模様。流星号に乗って上野へと向かう。今日は本牧亭で講談倶楽部という愛山先生が企画した若手勉強会がある。会場は本牧亭2階。今回は陽司、ひまわり60分一本勝負と題した会。様子は・・・

○神田すみ丸  幸村大阪入城
最近のすみ丸さんと言えばこの根多。3月頃は元気一杯マシンガンバースト攻撃で突っ走る感じでしたが、最近は元気一杯は変わりません。間の取り方が上手くなったように感じます。聴いていて心地よくなってきました。
○神田春陽   伊達家の鬼夫婦
15分の持ち時間だとどうしても序盤と終盤のストーリの省略で物足りなさが残ります。何時か春陽さんでのこの根多のフルバージョンを聴いてみたいものです。
春陽さんの張り扇の音は、高くて乾いた音で、結構好きです。L.A.の雰囲気!?
○神田愛山   投稿マニア
いきなりの真打登場で、若手にプレッシャーを与えるという寸法だとマクラで説明する。兄弟子と妹弟子に挟まれた陽司さんはやり難いでしょうね。
根多の方は新聞の投稿欄を読むのが好きな主人公。一人の投稿者に興味を持つ。その人物は1年半で職業が3回も変わり、そしてある日TVで・・・・
意外な結末という愛山ショートショート講談の特長が現れた良い作品でした。
○神田陽司   夕立勘五郎〜さんばら辰
新作と古典を操る陽司さんです。
陽司さんの演ずる三下やチンピラは結構気に入ってます。
ストーリは、喧嘩早い辰、兄貴分の勘五郎の仇とばかりに、元締めの花屋金兵衛に襲い掛かる・・・
さんばら辰もキレ易い感じが出ていたと思います。
○神田ひまわり 加藤孫六〜馬喰出世
本牧亭での定席ではついに一度も姿を観ることは出来ませんでしたが、こういう形で一門との競演が観れてうれしいです。
本牧亭でのひまわりさんの初姿は、黒紋付姿。このいでたちを観ると、何故か私は聴こうとする気持ちが高まってきます。
ひまわりさんの読み方は松鯉一門のように力強い読み方ではないですが、優しさの中に強さが感じられます。一言々々を丁寧に噛み締めるように読む様は、心に言葉が響くようで、聴き入ってしまいます。胸の前で小さく作るガッツポーズも、形になっていて良いですね。
根多は、14歳になった孫六、馬喰の親方と出会う。そしてその親方の家で馬喰として暮らしていくが、22歳の時ある侍(あとで叔父とわかる)へ馬を売ることになるが・・・
終わった直後、心の中で思わず唸ってしまった。良かったです。
○神田愛山   留守電菌
講釈師品川陽吉の家の留守電に入った弟弟子からのメッセージ。そのすぐ後に発信音に続いてその本人の本音も録音されてしまうという変調してしまった留守電の物語。
弟、妹弟子たちには古典をやらせて、自分は新作をやるというのも、これもプレッシャーを与えているのかもしれませんが、愛山先生の読み物では新作が好きなので、私個人的には良かったです。 コンピュータウィルスに相対して「留守電菌」というタイトルも絶妙。

若手古典派というと、阿久鯉さんを忘れてはいけません。この阿久鯉さんと、ひまわりさんの女性古典対決も企画中とのことです。剛と柔、北斗と南斗・・・良い例えが出てきませんが、とにかくこれもお楽しみです。

帰り道でバイクを押して歩道を歩いていたら、春陽さんとあった。「しゅんちゃん、しゅんちゃん」とメットの中で言ってはいるのですが中々私と認識してもらえずようやく分かって貰えて、手を振って分かれた。
2001.06.09 池之端土曜会
関東地方は梅雨入りしたそうですが、今日は晴れて風は乾燥していて気持ちがいい日だった。日が傾いた18時頃、日本料理本牧亭に入る。本牧亭は二階の座敷が客席となり、講談を聞く形になっている。今回は神田陽司さんの土曜会。講談を一席聴きながら美味しい料理やお酒をいただくという会です。
19時、開演時間です。着物に着替えた陽司さんが高座に上がります。今回の読み物は、寄席ではあまり馴染みの無い読み物である「河村瑞軒」を選んだそうです。商魂たくましい大阪商人の物語。落語のように途中でクスグリが入ります。大阪弁の台詞は地元だけにお手のものでした。
終演後は、陽司さんを囲んでの楽しい一時を過ごしました。また美味しい料理を食べ過ぎ、お酒飲み過てしまったようです。

最近「三味亭」を名乗る怪しげなグループの活動が報告されているが、今日もお二人が新たに一門に加わることとなり、その勢力を拡大しているとの情報が入った。「三味亭」とはどんな一門か次第に全体像が明らかになるであろう。
2001.05.26 愛山・茜兄妹会
神田一門の新作派の頂点に立つお二人の共演。ファンには堪らない企画なので、この日を楽しみにしていた。様子は

○神田すみ丸 幸村大阪入城
幕があがった。めくりがいきなり師匠のすみれ先生の名前になっている。
お客さんの声で気が付き、めくりを下げてから、再度高座に上がりなおす。
読み物はお馴染みのもの。前半は詳しく、大阪城のくだりは短めに纏める。
いつもどうり元気いっぱいの高座でした。

○神田茜 弱虫達のたんか
今回是非聞きたかった茜先生の高座の番が来た。
僕の中では殆ど幻の講釈師と化している茜先生の登場だ。今回で2回目の出合いだ。チャームポイントのショートヘアーと眼鏡は以前のまま。
パンパンと茜色の張り扇が鳴る。ふわーとした茜先生の声が聞こえる。声も以前と変わらない。
インターネットの出合い系サイトで知り合った気の弱い者同士の男女3人組が、初オフをする事になった。気が弱くて言いたくても言えないことを、カラオケボックスでマイク片手に大声で叫ぼう。たんかを切ろう。と言う趣向だった。そして集まった三人だが、気が弱くて・・・
気の弱さがよく表現されていた。時代感覚もフィットしていて楽しめた。

○神田愛山 短編 眠れない男/不可解な手紙
まくらで茜先生のことを話す。「茜の新作には不思議な魅力がある。自分は茜の新作に影響されて新作を作るようになった」とか「今お金を払って聞きたい講釈師は茜だけだ」とか「茜の新作の前には、古典の技法は一切通用しない」・・・べた誉めである。
読み物はショートショート作品を2本。最初はドラキュラが睡眠障害(不眠症)に罹ったらどうなるかという作品。もう一本は自分宛に届く知らない女性からの手紙と花束。殺人。そして意外な結末が用意されている。

○神田茜 五年目の夫婦
落語根多「変り目」を題材にして作った講談だそうです。
クラス会がはねて午前様の奥さん。クラス会での見栄の張り合いの余波を旦那が受けて、少し口論となる。旦那が子供のオムツを買いに深夜のコンビニに出かけた後に、奥さんは新婚時代の日記帳変わりの家計簿と、結婚式のビデオを見つけて見始める。そして蜜月時代の事を思い出し、今の自分を反省し、旦那に謝っているが、旦那は既に帰宅してこの状況を見ていた・・・・ 倦怠期をむかえると言われる5年目のある夫婦の出来事。
日常の観察力と物語の構成力と不思議な読み口が印象的だった。

○神田愛山 森の石松が殺された夜
石松殺害の犯人は、講談では都鳥三兄弟になっているが、真犯人は別にいたという設定で結城昌二先生が書いた小説を講談化した作品。策士としての次郎長の側面が見える、練りこまれたストーリーのいい読み物だった。

会がはねた後、興奮冷め遣らず、茜先生の本と愛山先生のカセットテープを衝動買いしてしまった。 が、後悔はしていない。今度茜先生を聴けるのは一体一になるのやら。気長にチャンスを待とう。
2001.05.25 北陽合戦Vol.2 大正ロマンの乱
場所を中野・芸能小劇場に移しての第2回目の北陽合戦。今回のテーマは大正ロマン。一昨年の北陽もなかでの大正ロマンの会の続編に当たるのかもしれない。大正時代の設定の新作3本書き下ろし。どうなりますか・・・
○思い出鉱泉(仮称) 一人芝居
浴衣姿で舞台下手から登場する北陽さん。帯は無く手で浴衣を押さえるようにして歩いてくる。脱衣所から鉱泉風呂まで距離がある設定。この作品は、入ると昔の記憶が鮮明に蘇ってくる不思議な鉱泉の物語だ。登場人物は一人であり、上下を振らず、独り言の台詞で喋る形。立ち高座というより、一人芝居の範疇だろう。浴衣の中はスッポンポンと言う事なので、見えないかハラハラものの芝居だった。
○流行歌を創ろう(仮称) 一人芝居
玩具のピアノで流行り歌を創ろうとしている男。この曲を田谷力三の出演する浅草オペラに売り込む寸法。さてどんな曲が出来上がるか・・・
出来上がった曲は、♪か〜ぜもないのにブーラブラに何処か似ていた(笑)
○北陽美術館
北陽もなかの大正ロマンでもやった企画。名画に台詞をつけるもの。美術の教科書で見た記憶のある人も多く、見れば多分思い出すだろう「礼子」。この12連発が最高。絵のギャグなので伝えるのが難しい・・
○大正新喜劇(仮称) 講談
時代は大正10年。靴屋の娘すみ子が花屋の息子との結婚話しが出る。ところがすみ子の兄かん平が入所したと電報が届く・・・
20年ほど前の吉本新喜劇を大正時代に持って行った設定だった。ほのぼのコメディー作品。面白かった。

今回良かったのは、根多の間の準備時間に、プロジェクタを使って写真と文字が交互に映し出される4コマ漫画風物語。ウズラの卵に海苔で目鼻口を付け、どう見ても北陽顔の卵人形。これが可愛い。会場からもカーイーの声が聞こえる。
又いつかこのキャラクタが出てきて欲しいものです。
2001.05.20 講談倶楽部
講談隠密倶楽部から改名し、場所も本牧亭に移しての神田愛山プロデュースによる、ベテラン―若手競演会。秋葉原がホコ天の為迂回したので、上野広小路界隈には開演時間直前だった。
阿久鯉さんが木戸をやっていた。
○すみ丸
またまたすみ丸さんの上がり時間には間に合わず。御免
○春陽 三方が原
最近これよよく読んでいます。 私のこの読み物の理解度は「♪本日の出立ちを見て取れば、同じ毛糸5枚着たら暑いだろう」くらいの理解力。(笑)
                        注)♪は修羅場読み
○愛山 ヨウジ君
久々に聴いた。何処までが世間話でどこから根多に入ったのか、何処までが真実なのか、ヨウジ君を褒めているのか茶化しているのか・・この読み物は謎が多い。
○陽司 伊勢屋太吉
愛山兄がたっぷりと陽司さんの紹介をやったので、マクラは無しで、早速この読み物に入る。これは私の好きな読み物の一つ。火付け検めと犯人がある事件をきっかけに友情が芽生え、犯人を見逃すことになる。これにラブストーリーが混じると、映画カサブランカの様相を呈する事になる。しかし講談には米国商業的恋物語は、アリなのだろうか。しかし、こういう新作を作ると、新たな層のファンが増えるかも。
○阿久鯉 柳沢昇進録〜隆光の逆祈り
「ラーイ、ライライライライ・・」阿久鯉さんの隆光はコワイ。
夢に出そう。
○愛山 め組の喧嘩
神田一門の中で、読み物を読めるのは自分だけ・・・と得意げにマクラで語る。
何時もの知的な読み方は置いといて、喧嘩早そうなチャキチャキな江戸弁を操る愛山先生でありました。このような読み物もおやりになるんだ。と再発見な気分だった。

この講談倶楽部という会は、ゆったりとした体勢で聴きたいので、できれば日本橋亭とか上野広小路亭の方が良いのだけれど・・・
2001.05.19 池之端土曜会 神田山吹 西遊記〜悟空、八戒の出会い
母娘の3人連れを含めて4テーブル全てに人が埋まる。母親の方に見覚えがある。去年の山吹さんの土曜会に何人かのお仲間で来ていた中の一人だったと記憶している。その時は初めて講談を聞いたとおっしゃっていた。前回の土曜会の印象が良かったのか、今回は娘二人を連れての来場と相成った。講談好きが増える事は誠に喜ばしいことであり、今回の講談会もまた次回に繋がるものであってほしい。
時計は19時をまわり、おかみさんの後から、山吹さんが階段を上ってくる。そして高座に上がった。今回の読み物は「西遊記〜悟空、八戒の出会い」。恐らく、初めて講談を聴くお嬢さんがいるので、皆がよく知っているこの物語を選んだのだろう。今回のように分かりやすい読み物をレパートリに加えておく事も講釈師には必要だろう。終演後は、美味しい料理とお酒とおしゃべりで閉店まで楽しい時間を過ごした。そして又二日酔いになり、休肝日を作らねばと・・・・
2001.05.13 民家園寄席
川崎の生田緑地内に在る古い家屋を保存している日本民家園の中、国指定重要文化財の旧工藤家宅で行なわれた民家園寄席。古い家屋内での寄席という事では、昨日の長屋門落語会と同じシチュエーション。はがき応募で選ばれた120名のお客さんが会場に集まった。出演者は、立川流一門の前座さん三名。客層は様々。最前列には、幼稚園児くらいの女の子と男の子を連れたお母さんの三人連れ。
開始前に主催者からお知らせ有り。ここは重要文化財の為、飲食は禁止。写真撮影は、ストロボが他のお客さんの迷惑になるので禁止。敷居に乗るな等々。この注意事項を聞いてお客さんは緊張気味のまま始まりを迎えた。
○立川らく平 落語  子褒め
志らく門下のらく平さんが開口一番。挨拶の後、主催者への皮肉とも思えるコメントを言う。お客さんの緊張は少しずつ和らいでいく。根多は台詞はいまいちだが、場を盛り上げようとする意気込みがあり、良かった。
○立川志加吾 落語  宮戸川 前半
根多の方は、小網町質屋の伜半七と隣家船宿の娘お花、締め出しを食い、霊岸島の伯父の所へ泊まる。察しの良すぎる伯父は二人を二階へ上げて、階段を外してしまう。遠くで雷が鳴る。やがて近くでカリカリと雷が落ちる。怖がるお花。そして半七の胸に飛び込む。艶っぽくなってきたが、子供のお客さんがいるのでこれ以上は出来ない事になている。タイトルにもなっているこの「宮戸川」が出てくる後半のくだりまでやらない。多くの噺家さんが前半の色っぽいところだけをやるのが最近の傾向。
○立川キウイ 落語 たいこばら
前の二人が持ち時間前に降りてしまい、長いマクラというかフリートークの後、根多に入る。
幇間の一八、常連の若旦那が最近趣味で始めた鍼の実験台になることに。祝儀ははずむと言う事だが、鍼がおなかの中で折れてしまい・・・
この人、何時二ツ目になれるのかな。面白いのになぁ

○トーク&似顔絵大会
出演者3人が又舞台へでてきました。志加吾さんがリクエストでお客さんの似顔絵を描きます。描いている間、後の二人がフリートーク。5人のお客さんのリクエストに応える。中には談志師の似顔絵リクエストもあった。若手落語家さんと和気あいあいな一時を過ごした。

今回の寄席は主催者に問題あり。
ストロボは他のお客さんの迷惑だからだめだといっていた主催者側が、ストロボを使いまくりで写真を撮り、非常に見辛かった。演者も集中出来ずにやり辛かっただろう。寄席は伝統芸能講演会ではなく、お客さんが落語を聴きながら、飲んだり食べたりして、楽しい時間を過ごす為のものである。それが可能な場所で寄席をやるべきである。建物の方がお客様より大切なようでは本末転倒。終演後志加吾さんの本を買い求めるお客さんが並んでいるにも関わらず、担当職員は会場に見に来ていた知人とのおしゃべりが終わるまでそのお客様を待たせるという、サービス以前の人間としてのマナーの欠如。今まで見た寄席の中で最低の顧客満足度だった。昨日の長屋門落語会が良かっただけに、似て非成るこの寄席は非常に残念でした。この主催者の今後の為にも、これは書いておく事にする。
2001.05.12 長屋門落語会
横浜市瀬谷の長屋門公園に保存されている江戸時代後期に作られたかやぶき屋根の建物の中が今回の会場。囲炉裏の火が心温かい雰囲気をかもし出す。木の燃える匂いで、子どもの頃やったキャンプでの飯ごうすいさんを思い出した。家の中は風通しが良く、けむいと言う程の煙では無く、囲炉裏の熱さも2メートル程離れていた私には問題無かった。
お客さんはお酒類を飲んだりつまみを食べたりしながらくつろいでいる。熱燗が飲みたい人は、囲炉裏に掛けてある鍋に沸いているお湯にワンカップをつけて燗をして飲んでいる。
三味線のお師匠さんが高座の隣に座る。そろそろ会の始まりだ。
○春風亭柳之助 落語 小言幸兵衛
普段から小言を言わずにはいられない性分の大家。「借家あり」の張り紙を見て訪れる人に向かって小言を言う噺。仕立屋が訪れ、その息子(二十歳)の場面をたっぷりとやる。鉄砲鍛冶の場面は出て来なかった。
○神田ひまわり 講談 笹野権三郎 海賊退治
偶然ですが、ひまわりさんの今回の読み物は、ちょうど1年前の5月13日に、浅草演芸場で聴いている。 あれから1年か・・・
紋付きをよく見ると紋がひまわり。今まで気がつかなかった。
マクラを少し披露。広島の実家のある町で演芸会。 この町にはゴルフ場が有る。兄さん経ちにゴルフと落語ツアーと言うことで来てもらう。
読み物の方は、早いテンポ、修羅場のリズムが心地よい。
○春風亭昇乃進 落語 粗忽長屋
出てきた時からの言動を見て、ちょこまかしてそそっかしそうに見える。本人は子供の時分よりはしっかりしていると言う。根多も本人にぴったりの根多!?
【能書き】もう一人の自分が存在するという感じは、精神分裂病の「二重身」に相当する

昇乃進さんの根多が終わると、出演者が出揃い、告知や来月のこの回の予定等を発表する。会場内では、木戸銭代わりの投げ銭を入れる入れ物が客席を回る。
囲炉裏端での寄席。演者は昔話をするおばあさんの任か。和やかで安らぐ良い会だった。常連さんも多く、今回で75回目。この雰囲気が演者、お客さん共に喜ばれているのだろう。
2001.05. 講談新宿席 神田山陽一門会
5月の講談新宿席の感想です。
今月の会は、小松改め、阿久鯉さんの二ツ目昇進披露でもあり、深い出番に阿久鯉さんが登場しました。

○すみ丸
 
上がり時間に間に合わず。既に高座を終え、受付を担当していたすみ丸さんに「ゴメン」と謝る。
○春陽 伊達の鬼夫婦
最後の1分だけ聴いた。春陽さんではこの読み物は2回目かな。
○京子 越の海 セレクト
展開を摘んで摘んで15分。ソプラノの谷風、越の海絶好調!
○陽司 競走馬物語 セレクト&1.2倍速
昼は、江戸東京建物園のご案内を勤めたそうです。
二二六事件現場で、高橋是清が殺害された状況を説明し、迫真に迫る説明だったのか、お客さんの目に光るものが・・
しかし、殺害された部屋の案内を間違えていた・・・・(^^;
阿久鯉さんへの一言「出る釘は打たれる」と愛情のこもった台詞を一言。そんなマクラをやり、今回では唯一の現代の読み物であるこの根多をやった。何時もよりややハイピッチで、要所を摘んで15分で読みました。水野の伯父さんが出て来なくて少し寂しい。
○昌味 中江兆民 後半
北陽君は今日も来ていない。地方で車がトラブっているとのこと。
北陽君の代演をよくやる。
今日は午後の部ですみれ姉の代演をやった。代演の昌味と呼んでくれというマクラ。根多の方は、前半の新聞の記事を書く下りは省略。
「右や左の旦那様へ〜・・・」の台詞を言いたい為に、師匠からこの読み物を教わったそうです。
○陽子 山内一豊 出世の馬揃い
上手から、たったったと出てきて階段を上り、艱難辛苦を乗り越えて行きましたぁ。
○松鯉 観世肉付きの面
能面(のう・おもて)師源五郎を父に持つ源之助。観世に能面を侮辱され自害した父の魂も能面に込めて制作する。この能面が観世に復讐することになるが・・・

お仲入り
後半は「泥棒達の夜」と題して阿久鯉さんと愛山先生が泥棒根多を披露。
○阿久鯉 天明白浪伝〜むささびの三次召し捕り
金棒お鉄をやったら日本一の阿久鯉さん。いい悪女ぶりだった。三次の絶叫の台詞もすごい迫力。表通りまで聞こえたんじゃないかな。
高座を降りる時、高座返しをすることもなく堂々と下がりました。(二ツ目成りたての頃は、うっかりやってしまうことがあるそうです)

○愛山 仕立屋銀次
スリの世界を描いた人情話。心温まる悪の世界?・・表現が難しい。

私を含めてスーツ姿の男性が多かった。学生、OLらしき女性も数名。常連さん方を除くと、本牧亭とは異なる客層だった。新宿という場所のせいか。
満員のお客さんと演者の熱気で、雨はいつの間にか何処かへ去ってしまったようだ。
2001.05.05〜06 本牧亭講談定席 神田一門の日
5日の巻
午前はしのばず池沿いに在る下町風俗資料館を見学していたら、あっと言う間に時間が経ち、前座さんの上がり時間に遅刻してしまった。
○すみ丸
上がり時間には間に合わず。
○春陽 三方ヶ原
修羅場読みオンパレード。先ずはこの読み物で、新人さん達は鍛えられるのです。
でも何をしゃべっているのか私には半分以上分からない・・・
○京子 違袖の音吉
音吉の少年時代の読み物。京子さんの根多の中では、越の海と並んで、良く聴く読み物。可愛らしさと威勢の良さの両面が強調された音吉が面白い。
○山吹 義士銘々伝〜安兵衛駆けつけ
義士伝が好きだと言う山吹さん、今日は「安兵衛の駆けつけ」を読む。安兵衛のぞんざいさがよく出ていた。マクラでは、今進行中の秘密のいたずら(ビックリ計画と呼んでおこう)について話す。面白いことを思いついたものだ。実行する場面を見たいものです。
○昌味 レ・ミゼラブル〜ジャンバルジャンとコゼットの出会い
コゼットが可愛らしかった。ジャンバルジャンに中井兆民が少し入っていた(^^)
○愛山 品川陽吉シリーズ〜一夏の恋
陽吉とバスガイドゆりとの出会い。元歌手アツミシゲル仮釈放とシンクロしながら物語は進む。
○紅 阿部定
久しぶりにこの読み物を読んだそうです。私は初めて聴きました。短絡的と言ってしまうのは簡単だが、極限の状況での定の思考と行動過程が「愛のコリーダ」の映像に見え隠れして伝わってきた。取り調べの場面で「それだけは返して」と取り調べ官に哀願する紅先生の演技が印象に残る。
○松鯉 連続 水戸黄門記
仙台藩でのエピソード。

6日の巻
途中から
○前座さんたち
遅刻して聴けず。
○陽司 夕立勘五郎〜花屋金兵衛
遅刻して聴けず。
○紅 実録累物語
後半を階段付近で聴く。紅さん、何か歌ってるぞ
○愛山 品川陽吉シリーズ〜二ツ目講釈師の無期懲役囚
陽吉がアル中になり実家で静養する事になるまでの物語を、昨日の読み物でも登場した元歌手アツミシゲル仮釈放事件とシンクロさせて読む。
○紫 おゆう牡丹花
真打昇進興行の時以来久しぶりに読むそうです。
盲目の女郎、みおのから生まれた子おゆう。女郎屋で下働きをしているが、やがて14で初潮をむかえると、客を取らせる事になり、おゆうは自分の目を突き盲目となり、この現実を見ないで過ごす道を選ぶが・・・・最後はお客の男を殺してしまう。
すごい物語ですねぇ。どうする事も出来ない状況での苦悩や、女の情念が伝わってきました。印象に残った読み物です。
途中濡れ場がありますが、紫先生の濡れ場は妖艶でした。
○松鯉 連続 水戸黄門記
昨日の続き。気をきかせて正宗のポクリを温めたが、尻を乗せていたと誤解され叱責された下足番が復讐のため、僧侶の修行を積み、大僧正となって政宗と再会するが・・・

今月は、紅、紫両先生の異色な読み物に圧倒された2日間でした。
2001.05.02 21世紀@伝統文化の架け橋=紙芝居=
18時、お江戸日本橋亭に到着。今回のメインは紙芝居。どんなお客さんが来てるのか見回すと、年配のお客が多い。紙芝居で育った世代と言うわけだろうか。若い(20〜30代)の紙芝居未経験世代も少ないがいる。男女比は同等かやや男多し。
定刻より15分早く始まった。
○桂前助 落語 やかん
お茶を飲んでくつろいでいたら、いきなり幕が開いたので慌てて聴く態勢に入った。矢が当たってカ〜ンという知ったかぶりの噺
○三遊亭安楽 落語 ちりとてちん
これも知ったかぶりの噺。上方では「ちんとんしゃん」という同じストーリの噺がある。「酢豆腐」もそう。出所は一体どの噺なのだろうと何時も気になる。安楽さんの腐った豆腐を食べたリアクションはイマイチだった。惜しいな。
○梅田佳声、立川談幸 おはなしコーナー
一端幕が締まり、次に行う紙芝居のセットをくみ上げ終わり、その前に椅子を出して、再び幕が開き、おはなしコーナーが始まった。談幸師の進行で、佳声先生から紙芝居について聞き出す。佳声先生の紙芝居は今回で3度目なので、個人的には紙芝居は理解していたつもりだったが、絵を次々に引き抜いていく方式の紙芝居の前に、前世代の紙芝居があったことや、紙芝居屋の苦労話やテクニック等貴重な話が聴けた。
○梅田佳声 紙芝居 猫三味線
広い開場での公演なので、紙芝居の絵が後ろのお客さんまで見えるように、ビデオカメラで捕らえた紙芝居の映像をプロジェクタで拡大表示する趣向で行った。大画面で見易い。
今回の「猫三味線」は大人向けの紙芝居で、ジャンル的にはサスペンス・ホラー。通しでやると約3時間という大作。数年前、全国数カ所でライブを行い、該当地区の地方紙等で絶賛された、いわば佳声先生の代表作。今回はさわりの部分をやって頂いた。(といっても1時間40分だった)
主人公の浪人大乃進。神田三崎町の大店「江戸屋」の主人喜助を殺害し金品を奪い、完全犯罪を装う。その後喜助の遺品を持ち江戸屋へ乗り込み、娘おみつと結婚する。10年経つと大乃進の化けの皮がはがれ、酒びたり、遊びまくりの日々か続く。やっと身ごもったおみつは、ある事件がきっかけで、発狂してしまう。・・・
江戸弁をベースにした活弁口調小気味よく、お色気ジョークも交えた大人の紙芝居が楽しめた。この紙芝居が通しで聴くチャンスがあったら、是非聴いてみたい。
○立川談幸 落語 崇徳院
怖い紙芝居の後は、明るい噺で締めた。これで一人でも寝る事が出来そうである。(あ〜情けない)
2001.05.02 池袋演芸場5月上席
気温12度。今日は5月2日。冬服で向かった池袋演芸場。定席昼の部を観る。目当ては若手の錦之助、北陽。主任の昇太に燻銀の魅力小柳枝。
様子は・・・
○春風亭鯉三 落語 鮑のし
主人公はもっと与太郎にやった方が、嫁との対比が出て面白いだろう。
○古今亭錦之助 落語 いいかげんな店(仮称)
価格設定や、清潔さにいい加減なラーメン屋を始めに、いい加減な店の根多をやる。新作落語の会も頑張ってください。又クイズ番組にでるかな。
○松旭斎八重子 マジック
前の席だったので、少しお手伝い。今日は未だお客が少ないので、この後もいじられるかも。
○三笑亭可龍 落語 千早振る
この春、二ツ目昇進と改名をした可龍さん。おめでとうございます。真新しい紋付きが、ピカピカの一年生のよう。
○春風亭柳好 落語 看板のピン
前が二ツ目1年生ならば、こちらは真打2年生の柳好君。ふわっとした味は変わりません。
○昔昔亭桃太郎 落語
漫談と、なぞかけを主体にやる。
まくらで、今日の午前は、千葉の小学校に、学校寄席に行ってきた。今の子は、落語が理解できない。クスリとも笑わない。これからはこのような子達にも分かる根多をやらないと駄目かな。と悔しそうに言っていた。
○玉川スミ 三味線漫談
漫談と言うより講演会といった感じ。テーマは「辛さを乗り越えてきた我が人生」といったところか。今秋には浅草演芸場で芸能生活80周年記念興行をやるそうです。芸歴では、日本最古参の芸人さんです。「ちゃんと笑ってよ」とか、「終わったら直ぐに拍手をする」と怒られてしまった。でも少しうれしい。
○三遊亭円右 落語 或いは酒でいっぱいの海(仮称)
師匠とは25年振りの寄席での再会。さすがに老いたが、噺は面白かった。観光客がロケットで宇宙に行く時代だ。酒を凝縮して仁丹粒位にする技術が発明される。この一粒で酒一斗分。この粒が入った段ボール3箱を川の上流から流した。川から酒が、水道から酒が、そして海も酒。酒に酔った魚たちは・・・という新作だった。
○神田北陽 講談 越の海勇三
持ち時間15分の内、10分をマクラで使ってしまい、5分で読んだ「越の海」私的表現で書けば、「越の海スーパーエキスプレス」今日は新作派の噺家さんが多いので、それを期待してくるお客さんも多いはず。北陽さんも新作を読んでも良かったかも。
○春風亭小柳枝 落語 長屋の花見
八っぁん、熊さんが実にいい。さすが大真打の芸。人物が噺の中で生きて遊んでいる。
○Wモアモア 漫才
東北弁のぼやきが面白い。
○春風亭昇太 落語 人生が二度あれば(仮称)
主人公の老人は、大切に育てていた松の盆栽の手入れをしていると、この盆栽の妖精が出てきた。この妖精は渋谷系って感じ?松ぼっくりを噛んで行きたい時代を思い浮かべると、その時へ行ける。そしてこの老人は・・・・
サゲは効いていた。 
GWでもなければなかなか定席に来る時間が取れないこの頃。今日は十分楽しめました。
2001.04.21 池之端土曜講談会 神田陽司の巻
○神田陽司 講談 ドラゴン・クウェスト ドメスティックバージョン

今日は、ヨウジマニアなお客さんが集まったので、寄席ではあまり読まれない読み物を陽司さんは選んだ。日本のドラゴン・クウェストこと、「黒髪山の大蛇退治」だ。呪文を唱えるような修羅場読みが実にいい。うねるように言葉が体の中を駆け抜けていく。この会は飲んだり食べたりしながら講談を聴く趣向。だから講談を聴く頃には少し酔いが回っているので、通人には邪道だと怒られるかもしれないが、真剣に聴くというよりは、身も心もいい感じになることが私の目的。普通の寄席や講談会とは、聴き方が異なる。なので緊張感や構えは無い。体はリラックスして、心地よい音を耳で楽しみ、情景が頭の中で浮かんでは消えていく。これがいいのである。
2001.04.21 ミックス寄席 三三、ひまわり二人会
小雨が降り、昨日より10度以上も気温が下がり、冬に戻ってしまった感じですが、ミックス寄席に行ってきた。場所は江古田のお湯屋さんの2階大広間というおつな場所!?
○柳家三三 落語 長屋の花見 二年目
何故二年目なのか、落語ファンの皆さんは疑問に思うかもしれません。この噺は大家さんを始めに長屋連中が、番茶の酒と、大根のかまぼこ、たくあんの玉子焼きを持って上野の山へ花見に行き、見栄を張りながら花見をする噺です。大家さんが住人にかまぼこは大根だと根多をばらす前に、住人の台詞で大根としゃべってしまい、客席に根多がばればれになってしまった。客席には受けまくり。三三さんはしょうがないから「知ってるよ去年もやってるから」とアドリブでこの後をつないで行く。「この後、この噺はどうなるんでしょ」と三三さん。どうなったでしょうか・・・
○神田ひまわり 講談 山内一豊の妻〜出世の馬揃え
まくらの一節。この会の後横浜で友人の結婚式があるので、今日は黒紋付きを着てきた。三三兄さんも黒紋付きなので、二人で楽屋に居ると何の会だか分からない。
予定では二席だったが、この長講一席となった。ひまわりさんの修羅場読みは初体験。やや遅めのテンポだが、アクセントの効いた聴きやすい読みでした。久しぶりのひまわりさんをもっと聴きたかったので、一席というのは、やはり残念。
○柳家三三 落語 ろくろくび
結婚している兄を見て自分も「おかみさんがもらいたい」とおじさんをたずねてきた松(与太朗)。おふくろに食べさせてもらっているおまえにそんな世話はできないと断られる。ここでおじさん、出入りしているお屋敷のお嬢さんに養子をと頼まれていたのを思い出し、松にどうだと聞く。お嬢さんは器量よし、お金持ちで遊んで暮らせばいいという好条件。ただそのお嬢さんは、夜中に首が伸びて次の間の行灯の油をぺろぺろ舐める病気がある。松は夜はぐっすり寝てしまうので大丈夫とこの養子話をうけるが・・・・
三三さん、ひまわりさんの長講に刺激されたのか、あまり寄席では聴けない長めのこの根多をやった。

仲入りの最中に行なったプレゼント抽選会に見事当たり、権太楼師匠の手拭いをゲット! ラッキーな日となりました。
2001.04.15 本牧亭講談定席
15日の本牧亭講談定席、神田一門の席へ行きました。今月は小松改め阿久鯉さんの二ツ目デビューの席である。又すみ丸さん、春陽さんは、見習がとれて前座となった初定席でもあります。12時20分到着。既に前座さんの高座は既に始まっていた。
○すみ丸 わんぱく竹千代
5代将軍の子供の頃の物語。さわやかに読む。
○春陽 伊達家の鬼夫婦
時間が押して、後半はマクリ、マクリ(競輪じゃないけど)で慌ただしかった。
○京子 鉢の木スーパーエキスプレス
前座さんグループの残り時間が、10分を切ってからの高座となってしまった。今回は鉢の木超特急便修羅バージョンで纏めた。
○陽司 青龍刀権次
陽司さんの古典の中では聴いた回数が多い読み物。幕末から明治にかけて生きた男の話。
最近は古典や時代ものの読み物が多いようです。今、力を入れているのでしょうか。
○阿久鯉 徂徠豆腐
今日は「徂徠豆腐」。昨日は何だったのだろう。前座さん時代は、軍記物や白波物を主に読んでいたように思う。これからは様々な読み物に挑戦して、講釈師としての幅を広げていってください。
○松鯉 黄門記(連続)
弟子の昇進を祝うかのように、続いての登場となりました。「阿久鯉の鯉の字は、里の方がいいと思うが師匠の名が欲しいのかなぁ」とうれしそうに仰ってました。
黄門記は、奥州路でのこと。前日木盗人に間違えられて入牢する。今日奉行所から出て間もなく、頭痛がしたので服薬と休息のため近所の農家を訪れるが、ここで失敗、トラブル発生!また奉行所に逆戻りと、オチャメな黄門様なのでありました。
○愛山 
講談は,平安時代の説教師がルーツと言う側面もあるが、演芸としてのルーツは、戦国時代の辻講釈(後藤又兵衛 等)だと、講釈の講釈をまくらで振り、戦国時代の読み物前田利家と織田信長の物語に入った。珍しく?古典を読む。
○紫 双蝶々廓日記(連続)
風邪での鼻声がセクシーに聞こえた。体長が悪いのに45分の熱演。
2001.04.14 ひさかたぶりの"ねた交換" 喬太郎・北陽二人会
出演者である喬太郎師と、北陽さんが持ちネタを交換して高座にかけるという趣向の会へ行ってきた。もう少し詳しく書くと、各自二席ずつ。一席は互いの持ちネタを交換。もう一席は根多下ろし作品を交換するのである。この二人だけに、相手の作品をそのまま演じる訳はない。どの様に演出しているかも、ファンにとっては楽しみなところである。

○前説
喬太郎師は、黒Tシャツ、茶パンツ、ウーロン茶のペットボトルを持って登場。北陽さんはこの後すぐの高座なので着物(グレー)に着替えての登場。
交換する根多について説明があった。
北陽さんは「捨て犬」。この根多は、かわいそうな犬の話。パトラッシュと同じくらい。僕はパトラっシュが好きだ。将来弟子ができたら名前パトラッシュと付けたい。
喬太郎師は「殺したい女」。「毘沙門天(漫性ろくまく宴のことか)で聴いた時いいなと思った」と、選定理由等を話す。
○神田北陽 捨て猿(作・喬太郎)
原作は捨て犬。粗筋はココ参照
主人公は小泉君、あっちゃんというカップル。ペット猿の名前はモロ。(モロ師岡さんをイメージしてしまう)ペットは犬から猿に替え、この救われない噺を、クライマックスは、救われる(リベンジ)噺に見事にアレンジ。大爆笑。
○柳家喬太郎 ちんどん一家(作・北陽、根多下ろし)
まくらから少し。この根多を貰ったのが5日前。自分があげたのが3日前。相手の根多を覚えるだけでも大変なのに、根多下ろしまで。OKするんじゃ無かった。
噺の方は、祖父、父(ツトム)、子(タケシ)小学校一年。三人でちんどんをやり、生計をたてている。近所に住むおOLの姉ちゃん。彼女は何故かこの家族が気に入り時々遊びに来る。
ある日この息子、実はこの父と子は血の繋がりが無い事を、祖父から知らされる。しかし今までどおり父子で暮らそうと誓い合う。この感動場面では会場のからすすり泣く声も聞こえる。実はこの家族はもっと複雑な繋がりになっている。OLのお姉さんが重要な伏線!この後の意外な展開に、場内大爆笑。 泣いたり笑ったり。根多も口演も最高だった。

お仲入り

○柳家喬太郎 殺したい女(作.北陽)
男は毎日残業しなければならない訳がある。それは神崎ユミコに復讐する為である。発端は小学3年生の時、自分がお漏らしをした事を校内放送で全校生徒にバラしてしまったことだ。
あれから10数年経過した今、大人になった神崎の住むマンションを訪れる主人公・・・ほぼ原作どおり。神崎の住むマンションで、主人公と神崎の会話の場面。健気な女性と、主人公の狂気の演出では喬太郎ワールド全開。サゲもよかった。
○神田北陽 嗚呼応援団一年生(仮称) (作・喬太郎、根多下ろし)
ある男子校での出来事。多数決でむりやり決められた一年生だけの応援団。OBの厳しい扱きに耐える日々が続く。ある日他校から喧嘩の果たし状ともとれるメールが応援団に届く。団長は意を決して、一人でその高校へ出かけたが何とその学校は・・・ 硬派の団部社会に突如・・・
彦いちさんが少し入ってました。
応援練習風景をやる為、立ち上がり、そして絶叫シーンが多い。だんだん声が枯れていく。 客席に尻を向けてエールという凄いラストシーンは講談の枠を超えたか。
2001.04.08 蔵ライヴ“講談振興紅団”
千代田線千駄木駅を出て谷中側と、千駄木側の各々の団子坂風景を見回すと雰囲気がかなり異なるのに驚く。谷中側は煎餅屋、草履屋等の老舗が並ぶ古風な町並み。千駄木側はイタ飯屋、茶店、マンション等が並ぶ現代風の町並み。この団子坂を上り、住宅街の路地の奥に、蔵があった。蔦が覆う古い蔵だ。
今日はこの蔵の中で地域住民向けのイベントがあり、その出し物として口演する事になった女性アマチュア講談ユニット「講談振興紅団」又の名をイブニング娘三名プラスワンの講談を聴きました。今回はメモを取ってないので、思い出したところを少し書こう。
○桃枝雲 タイトル忘却御免、つるの恩返し
特徴のある、キャットボイスと言うかアニメキャラ声で、今の娘語(何て表現するのかな)によるセリフ連発。一部のお客さんにバカ受け。自立するつうを描く?「つるの恩返し文京区版」は、一回目よりパワーアップした感じです。
○櫨蛙 今昔物語、エジプト旅行記
大阪弁の会話が面白い現代版「今昔物語」と過去に旅行したエジプトの旅行記を語る。
大坂弁まじりの「今昔物語」が個人的には好きでした。
○四季桜 日本号と母里太平、鉢木
そういえば彼女の洋服姿は未だ見た事が無い。(といっても2回しか会ったことはないけど)。普段は着物姿で物静かな大人の女性の雰囲気を漂わせていますが、高座に上ると、キリっと顔つきが変わり、声も大きくとおる。今回は紅さんがお正月や、おめでたい時にやる黒田武士と、講談の基本「鉢木」をやる。修羅場もなかなか。よく意味不明な呪文のような台詞を覚えられるなと、この読み物を聴く度に思うのです。
○なんだかんだ大川 真説桃太郎
前座さんという事でゲスト出演した紅塾の、なんだかんだ大川さん。今回の読み物は歌や、大きなアクションがあり、照れないでやる事が一番大切かな。可愛らしいポーズ、ヒールな桃太郎の仕種は、伝わってきました。演出全般はやはり紅派(そんな派閥は無いけど)の雰囲気いっぱいでした。分かり易い読み物だったので、初めてのお客さんも子供達にも分かったのではないかと思います。

桜湯の香りが、日曜の午後の日差しにゆらゆらと立ち、のほほんとした幸せな午後を過ごせました。夜の打ち上げはハードだったけど(笑)
2001.04.05 講談・トークバトルライブ
奇跡的に仕事が空き、夕闇迫る上野の街へ向かった。
今夜は、講談師神田陽司さんと、作家唐沢俊一氏のトークライブ。異種格闘技戦となりました。お客さんは、1/2が講談初めて、1/3が広小路亭初めてという事。この現状を踏まえて会が進んでいくことになります。さてその様子は・・・
○神田すみ丸 講談 真田幸村大阪入城
前講とも空板を叩くとも言うが、開演前の時間を用いて高座を勤めた。すみ丸さんを聴くのは初めてだ。真田の城を追い出されたところから、ロングバージョンの「大阪入城」だた。修羅場の効いたこの話は、男の子がやると元気があり聞いていて気持ちが良い。今は直球勝負だが、これからチェンジアップや変化球を段々覚えていく過程を見るのが楽しみ。
○神田陽司 講談 へ組の喧嘩
3月の愛山伯父さん(間違ってはいないが変)との会で初出のこの作品。又聴けるとはラッキーだった。登場人物のキャラクタが濃いのがこの特徴かもしれません。
ギャグが効いていて、講談初体験の人も楽しめたと思います。
○唐沢俊一 カストリ講談 
戦後のカストリ雑誌に掲載されていた物語を、朗読の範疇を超え、講談の読み方で行なった。非常に説得力ある読み方で、講談として聴いても良かった。ただ話の内容は、R指定なのでこの場では割愛します。演題は、ヘビ女欲情の・・・思い出せません。

仲入り

○唐沢俊一&神田陽司 トーク
トークや講談の違いや、講談の今後の展望いついてアカデミックに!?トークしました。
唐沢信者のお客さんには、少し物足りなかったかもしれません。
○神田陽司 講談 元禄聖魔対戦
五代将軍綱吉の世継ぎを巡り、両者の思惑と力が対峙するホラー・ファンタジーノベル。修羅場や畳み込むように読む所の多い読み物で、ラストの妖術と武器(弓矢)の戦いはスピード感があり、ビジュアルに状況が伝わってきました。 一風かわった古典作品でした。
あっと言う間の2時間30分。古典らしからぬ古典と、新作らしからぬ新作講談、掟破りな根多の朗読。こうして型破りトークバトルは幕を閉じました。
又、お二人の超レア・オタク・フェチ・カルト・トークイベントを開いてほしいものです。
2001.04.01 浪曲定席木馬亭
昨日の降雪から急激に天候は回復し、晴天の今日、浅草へ出かけた。気温はやや低めだが気持ちのよい気候だ。花見客が沢山押しかけ、いつも以上に混雑した浅草寺界隈を何とかすり抜け、木馬亭へ到着。浪曲の定席「浪曲木馬亭」へ客演している講談を聞きに来たのである。この小屋で浪曲を聞く時の必需品である耳栓を持って(笑) だけど冗談ではありません。耳栓をして聞いてちょうど良い音量。この音量は何とかしてほしいです>木馬亭さん。

一人目の浪曲師さんが終わり、本日の講釈師神田山吹さんが下手から登場する。お花見をイメージしてか、大きな赤い花模様の着物である。マクラ無しで、いきなり根多に入った。本日の読み物は「優しい母の慈愛」、最近根多下ろしした作品だ。3月の本牧亭の時より、滑らかになっていて、大分体に入ってきたようだった。講談に限らず継母はヒール(悪役)の設定の物語が多いですが、この読み物は逆でベビーフェース(善玉)。心優しい継母と意地悪な息子という設定の話。この読み物は神田一門の先輩講釈師の方々では聞いたことはありません。山陽先生の持ち根多だったのだろうか。
今後の浪曲木馬亭(4月)の講談客演は、陽之助さん、陽司さん、すみれ先生と続きます。

講談が終わった後、今年90歳を迎える浪曲界の最長老末広友成さんが上がった。この場を借りて、協会や関係者から祝辞やお祝いが授与される。元気なおじいちゃんで、大きなジェスチャを交えて太平記を読んだ。高い声が印象的だった。三味線のお師匠さんは、末広さんの奥様(88歳)。お二人いつまでも仲良くお元気で。