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 このページは、21世紀に活躍する芸人さんを応援してます。
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僕の独り言
2001.09.30 鈴本演芸場9月下席 三遊亭白鳥 真打披露
小雨降る日曜日の夕方、上野鈴本へ17時に到着。当日券を買い求める長蛇の列を横目で見ながら、「前売り券を買っておいてよかった」と安心しながら木戸を通った。席は前から2列目の中央という絶好の位置をキープ出来て幸先いいぞ。
今年の落語協会は10人の真打が誕生したので、新真打のトリは一人1日づつということです。今日は三遊亭新潟改め三遊亭白鳥の真打昇進披露の日。落語協会が出演する5つの寄席の中で最初の寄席となります。
客席を見回すと、開演前で9割の入り。今日は立ち見が出ること必至です。お客さんは20〜30代が多く、男女は半々。客席横にあるロビーには新真打10人の手ぬぐいが陳列してあった。白鳥さんの手ぬぐいはかわいらしい白鳥の意匠。きく姫さんのはご自分似顔絵と各自凝ったデザインです。
17時25分、2番太鼓が鳴る。 会の様子は・・・・・
開口一番は三遊亭あろーさんの、「饅頭怖い」で始まりです。以降セレクトして書くことにします。

○三遊亭円丈 寿限無 バイオテクノロジーバージョン
白鳥師の師匠である、円丈師が中入りの少し前に登場しました。
「私の場合、小道具で扇子は使わない。何を使うか、マウスです。」若いお客さん、しかも新作好きが多いので、こういうマクラは大変にウケていた。
根多は、自分の子供に、おめでたい名前を選んだら、長い名前をける結果になってしまう寿限無の現代版。キーワードはDNA,RNAなどバイオテクノロジーのキーワードで出来ている。
新作落語の牽引車である円丈師の面目躍如。
○真打披露口上
一番下手は、司会のこん平師、その横が扇橋師、続いて円蔵師、白鳥師、円丈師、馬風師、そして一番上手が小三治師の順で並んでいた。口上と言えば、馬風師のお約束口上を楽しみにしている人も多いと思います。今日も最後はジャイアンツの応援となる楽しい口上でした。小三治師は自分の弟子以外で口上をすることは大変珍しい事だと、聞きました。「まともな真打になるんじゃねぇ」と独特な口上は、良かったです。円丈師は胸がいっぱいだったのか、短い口上でした。
○三遊亭白鳥  地下鉄母子
場内が暗くなる。高座の座布団にスポットが当たる。どうなるのか、客席がざわついてきた。ファンお手製のかわいい白鳥座をデザインした後ろ幕の中央が縦に割れる、と、そこから白鳥師が登場です。この意外な登場の演出に、会場の興奮は一気に上昇です。
根多は、母子家庭に育った小学生の男子が主人公。母が買ってくれたプレステ2をやっていると、男が現れ、母がキングドラゴンにさらわれたと言う。そして自分は勇者となって母を助けに行かなければならないと告げられた。
座った姿勢からいきなりのドロップキック(結構稽古したらしい)有り、座布団をもって走り回り有りの、白鳥ワールドを楽しみました。まさか、鈴本でドラクエ落語が聞けるとは、最初で最後でしょう。

通路にパイプ椅子の補助席が並び、混雑度120%の会でしたが、満足度も120%でした。
2001.09.28 落語ジャンクション
久しぶりの落語ジャンクションにやって来ました。本当に久しぶりです。調べてみると10カ月振りだった。開演時間が30分早くなってしまい、開演に間に合わなくなったので、行かなくなったのだけれど、今回はちゃんと間に合っているではないか。取り越し苦労だったようだ。
今回は特別企画「清水宏、林家彦いち二人会」”げんこつライブ”だそうです。
この二人の共通点は「肉体派」。一人芝居と落語という異ジャンルの二人会。どんな会ににりますか・・・

開演時間の18時30分が来た。すると客席の後ろの入り口から、大声で喋りながら二人の男達が入ってきた。何なんだ?と振り返ると、昇太さんと、北陽さんだった。客席の最前列の更に前の床に座り込み、大声で話している。場内アナウンスが流れ、二人を注意する。昇太さんと北陽さんは、この場内アナウンスにツッコミはじめた。場内アナウンスのおにいさん、たじたじ。お客さん爆笑。
以外な始まり方でスタートしました。

○清水宏 彦いち  フリートーク&前説&根多つくり
近況やら、昔いっしょに根多作りをしていた頃の思い出やら、フリートーク。そして今回の企画物は、メイキング・オブ・根多作り。自分でやりたい根多や相手にやってほしい根多のかけらを考えてきて、その根多を試行錯誤しながら仕上げていく過程を見てもらう趣向。
色々なアイデアが出た。オンブズマン落語、ヒッチコック落語、ハーゲンダッツ落語等々。どんな落語か説明は書きませんが、何となく分かるのではないかと思います。
いろいろ二人で意見を交わし、試しにやったりしながら、今回の出し物が決まりました。
○林家彦いち 落語 ウクレレ落語+ヒッチコック落語
最初は彦いちさん。最近はまっているウクレレをもって登場する。どんな落語かというと、小道具や効果音をウクレレで演じます。扇子や手拭いは使いません。それだけです(笑)根多の中で、ちょい役で彦いちさん自身が一瞬登場しました。あっそういうこと?!

○清水宏 一人芝居 不幸男殺人事件+ハーゲンダッツ落語+困った時の水瓶座+主人公の男の名前は「ワカコ」
家からたばこを買いに外へ出たが、お腹が痛くなり、近所のコンビニでトイレを借りたが、終わった後紙が無い事に気付いた。こんな小さな不幸から徐々にエスカレートして、殺人を犯し、最後はすごい事に・・・・
奇想天外なストーリ展開。彼は天才だな。

○げんこつニュース
仲入りの後にこのコーナが始まった。最近の新聞雑誌から気になった記事の切り抜きを持ってきてそれを読む。内容は、今のご時世に、なに考えてんだお前は!的な物が多かった。

○清水宏 落語 芝浜
最後にもう一本ずつ根多をやることになった。最初は清水さん。なんと落語をやった。それも人情落語の「芝浜」しかし清水さんがやる落語なので普通じゃありません。バイオレンスバージョンに脚色してありました。台詞は現代語でメチャクチャですが、筋は完璧でした。伊達家の鬼夫婦の奥方の様につよいおかみさんと、夫の対決。夫の異常さが良かった。

○林家彦いち 落語 危険男
危険な事が大好きな男の噺。朝起きて、洗面所へ行く男。朝シャンをしようと頭にシャワー水をかける。目をつむって洗面台の上のボトルを掴む。片方がシャンプー、もう片方が塩素系洗剤。 どちらをつかむか、危険だぁ・・・
噺の中の男より、演者が一番危険!?

変わった趣向でしたが、楽しいライブでした。

ところで、昇太&北陽さん達の出番はあれだけかい!
2001.09.24 神田山吹を聞く会
振替休日なので、2時間かけて浦和までやって来ました。神田山吹を聞く会
は2回目です。様子は・・

只今18時50分。開演時間は19時なのですが、山吹さんは現れません。
只今18時55分。やっと現れました。赤いシースルー(ロ?何ていうのだろう)の着物をきて、キャスタ付きバッグをころころ転がしながら後ろの入り口から入ってきました。月曜はテレビ埼玉の放送が18時30分まであるので、毎回が綱渡りなのでしょうか。
冷たいお茶を飲んで、暫く休憩してから始まりました。
マクラは、大宮に帰省した時髪を切りすぎたこと。10月の仕事の告知。師匠山陽の墓参り。北海道旅行等た〜〜ぷり30分やりました。今回の読み物は、山吹さんの秋の定番になっている「柿のご意見」でした。
得意根多でもあるので、十分楽しめました。
この会は月曜の19時はじまりなので、川崎の勤め人は中々行けませんが、またチャンスがあれば行こうと思います。

山吹さんのテレビ埼玉レギュラー番組「常磐6丁目1番街/2番街」は名前が代わって、情報ひるびん、情報ごごびんになるそうです。こちらも御贔屓に(映る人は)
2001.09.19 トンデモ落語会
中野芸能小劇場で行われた、「トンデモ落語会」へやって来ました。
この会は前作根多下ろしで、過激ジョーク根多が特徴です。シャレの通じない人にはお勧めできないマニアックな寄席とも言えますが、ハマルと怖い会です。
そんな会なので、内容紹介は今のご時世では過激過ぎるので省略しまして、タイトルらしきものを紹介するのみの根多が多いかと思います。

○快楽亭ブラ汁 ミステリーゾーン
落語21でやった根多だった。練れていた分面白くなっていた。

○三遊亭新潟 コロコロブッシュバージョン
新潟最後の高座だそうです。
古典の「紀州」をやりますと言って始まった根多は得意根多の「コロコロ」でも主人公が・・・

○立川談之助 モハメッド一代記
歴史や宗教について良く勉強したなという感想だけ書いておきます。

○快楽亭ブラック
放送禁止用語アンド仕種多しとだけ書いておきます

○立川キウイ ウルトラ一族のリストラ
ここでほのぼの系新作w聞いて少しほっ。

○立川談生 シシカバブ問答
こんにゃく問答のアレンジとだけ書いておきます。

仲入りの時、新潟さんから尋目のチケットを購入。これで私の準備もばんたん。
2001.09.08 本牧亭講談定席
また台風が来るらしい。空はいつ降り出してもおかしくない状態。お昼ころ上野上野広小路へ到着。デパートで少し買い物をしてから、本牧亭へと向かう。1階の木戸付近に、浴衣姿の見習いさんが2名いた。京子ちゃんはいつのまにか神田一門の中でただ一人の前座さんになってしまったが、新人が増えて活気が出るでしょう。
2階の客席へと向かう。既に9割の入りだ。今日は混みそうだ。12時30分。京子ちゃんの開口一番で始まる。

○ 神田京子 講談 振袖火事
今回も最近よく勉強しているこの読み物だった。この根多は今の陽子師匠に稽古を付けてもらったものだとマクラで言っていた。その他印象的なマクラ話を少し書きます。
先日、長野の仕事での帰りの新幹線での事。陽子師と二人、ビールを飲みながら女二人で話す話題はレンアイの話。師曰く「前座の間は、交換日記までよ。でもその後は、パァっとやりましょうね」関敬六先生のギャグのように、パッと顔の前に両手を広げた陽子先生の姿のイメージが印象的でした。
○神田山吹 講談 名君と名奉行
故山陽師匠の十八番。先月に自宅に出現した師匠の幽霊を偲んで、この根多を読んだのかもしれません。元気で明るい読み方は気持ちが良いです。これに繊細さが加われば完璧ですね。
マクラで、先程行ってきた北海道旅行の話をするのなと思ったらやりませんでした。赤い着物が可愛かったです。8月は、はとバスでのご案内の仕事が例年以上に多かったので、4キロ痩せたそうです。(拍手!!!) 食欲の秋に打ち勝ってください。
○神田茜 講談 新作短編オムニバス
神田一門の新作派の頂点に君臨する茜先生の登場です。トレードマークのメガネが、普通のメガネになっていました。少し地味かと思いましたが、茜色の張り扇は健在で、ほっ。
<小さな恋のメロンディー>
正式名称は「秋のメロンは」ですが、読み終わりの時の読み物紹介でこのタイトルを告げた。このタイトルも内容と合っていて良いですね。
ストーリは、高橋サナエ26歳。高校時代の淡い恋をもう一度したいと、今勤めている会社の社長さんに恋をしてみることに…
いきなり机を拭くシーンから入りました。私はこの瞬間から茜ワールドに突入でした。
<赤い唇の彼>
内田春菊原作の読み物です。ある日突然唇が赤くなってしまう奇病が発生した。実はエッチをした翌朝に唇が赤くなる事が判明。高橋メグミ16歳。彼女の唇も赤くなってしまった。
ナンセンスで少しエッチ根多でしたが、茜先生が読むと全然エッチじゃないのは、お人柄?
○神田愛山 講談 PTSD
新作講談が続きます。マクラで、トラウマやPTSDの説明をしてから、今回の読み物に入った。
小学校に男が進入し、子供たちを殺害した事件を題材にして、心のケアと甘やかし違いを論点として現代を切り込んだ話だった。
○神田陽子 講談 無筆の出世
自分が刀の試し斬りになる手紙を持って相手の家に行くが、無筆のために分からない。寸前に、手紙を濡らしてしまい、命拾いをする。これを機会に勉学に励み、町奉行へまで出世をするサクセスストーリー。
新しく購入した刀の試し切りを人間で実行しようとした人、またそれを結果的には感謝さえする、殺されようとした当の本人。当時の日本人の一部ではあったが、侍といわれていたカテゴリの輩の異常さが表現されている作品でした。
○神田紅 講談 黒田騒動
黒田家が対立する一家の一人を暗殺することで、黒田の勢力を維持しようとするストーリー。黒田節―黒田八虎ーそして黒田騒動へと繋がる長い物語の一つ。芝居でも演じられる昭和7年に初出の原作本を用いての口演でした。黒田と言えば、紅先生ですねぇ。
歌や踊りが無くて地味?(でもこれが普通の講談なんですが…)と感じる紅講談でした。
2001.09.01 池之端土曜会〜新宿末広亭深夜寄席
金曜の徹夜明でハイ状態のまま20時頃寝てしまたら、新宿の事件。
土曜の午前中、仕事場のインターネットニュースで知りました。
そんな新宿へ行く前に、突然決まった神田陽司さんの土曜会。
貞友さんのピンチヒッターです。様子は・・・
○神田陽司 講談 丸山応挙と幽霊画
扇一夜の時の演目を予告どうりにやりました。
クスグリは今夜バージョンで、楽しく聴きました。
終演後、全生庵コレクションの幽霊画を見る。応挙の薄曇太夫(小紫)と思われる幽霊画を発見。行灯の明かりで見ると格別なリアリティが味わえるそうです。蛍光灯でも十分に私は怖かったです。
そんな話やアニメの話で盛り上がっている最中で名残惜しいですが、この場を後にして新宿へと向かいました。

22時30分末広亭到着。未だ呼び込みをやっている。木戸はひまわりさん。
来る途中に通った、新宿歌舞伎町は、昨日事件の傷は全然感じません。いつもどおりの歓楽街でした。
深夜寄席の様子は、入ってますね・・・昼席より入っているんじゃないの?と思われるくらいです。演者の話によりますと、入りの多い少ないは、日に依ってかなり違うそうです。 私が来た時には既に、一人目が終わろうとしていた。

○春風亭鹿の子 落語
ラスト一分だけしか聞けなかった。二ツ目になった彼女を観るのは今夜初めてだった。メモには、生き生きしていた。これからのびると書いてあった。今思い返しても、前座さんの頃と比べて見違える程明るく輝いていた印象がありました。
○春風亭鯉枝 落語 新作
前回やってウケた漫談をやった。
彼の生まれは北海道。ある日自宅に北海道の友人から電話がかかってきた。彼は自分の職業を知らない・・・・・
ぼそぼそと語る語り口は、北海道特有なのかなぁ。

○神田ひまわり 講談 大阪夏の陣
「見る度に綺麗になっていくひまわりさん。」という書き出しを見る前から用意していたのですが、高座の最初のマクラが「昨日チョコレートを食べすぎて、ここと、ここと、ここに吹き出物が・・・」魔法の鏡味がこなごなに砕けていく・・・
楽屋では「ひまパン」の呼び名で食べ親しまれてきた広島の実家が経営していたパン屋が、今年3月で店じまい。いろんな所に不況の嵐が来てます。此処でも実感しました。こんなマクラからコテンコテンの古典に入ります。
大阪夏の陣の主人公木村ナガト守の物語を読みました。
最後に「銀座木村屋のあんパンの一席、これで読み終わりといたします。」とオチャメなひまわりさんでした。
○桂 快治 落語 舟徳
気弱そうに客引きをしていた快治さんが、ラストです。23時を回り終電近いお客さんが一人立ち、二人立つ。気弱そうな快治さんが益々気弱になっていく(笑)
2001.08.25 八月のはなし 十九
朗読を観に四谷の石響へ行った。観ると言う表現は変化もしれないが、情景が見えるような感じだったので、こう表現しておきます。
昭和20年8月9日の長崎原爆投下前後の様子を描いた作品でした。
老若男女、様々なお客さんが集まりました。超満員となり、エアコンはフル稼働。
客席の前には、約30cmの高さの舞台があり、語り手の座る椅子が3脚が間隔をおいて、横一列に並べてある。右横にはキーボード(音楽の)が置かれている。
どのような語りだったのでしょうか・・・

○白川澄子 詩 「あい」 作・大平数子
チリンチリンと鐘が鳴る。公演の開始だ。舞台の後ろ壁に、広島平和ドームのイメージ画がスライドで映された。ピアノの音が流れる。語り手は姿を見せずに声だけでこの詩を読んだ。短い詩だった。
○白川澄子、岡 和男、平井恵助 朗読 「長崎の鐘」 作・永井 隆
演者3名とキーボード奏者が舞台に上がった。
長崎原爆投下前後の、長崎医科大学での様子を描いた作品だった。原爆が爆発した時の様子や人が死んでいく悲惨な情景と、その後の生き残った人々による、救護活動の様子が浮かび上がってきた。場面場面で、キーボードで音楽が流れる。綺麗な音がかえって悲しく聞こえる。
看護婦、学生、教授等の人物を3人の演者で読み分けていた。朗読は上下を振らないのでこのやり方だとよく分かった。途中で入る音楽や照明の効果もあり、90分の長時間でしたが、集中して観れました。

休憩
ロビーでお菓子とジュースを頂く。

○川島昭恵 朗読 「原紙雲の下に生きて」 作・永井 隆
長崎原爆投下当時、5歳の少年の手記。たまたま防空壕の最奥部にいた少年とその祖母だけが被爆もせず、奇跡的に助かった。子供の目から見た爆発の現場。街の様子、人々の死が語られていた。 語り手である川島さんの少年の声が印象的だ。今でも耳の奥に残っている。

○白川澄子 詩 「風」 作・大平数子
最後は、短い詩の朗読。そしてこの詩に曲をつけた作品をキーボード奏者の合田さんが歌った。 広島の詩だった。

今回の朗読を聴いて、そして観て、戦争を知らない世代の私は、語られる言葉からの想像だけではありますが、その悲惨さや生きることのたくましさを感じました。

日本での戦争ものの作品は、戦争の悲惨さを、犠牲者としての日本を描いたものが多い。それに対して侵略者としての日本を扱った作品は少ない。機会があったら、この侵略者の側面を描いた作品も観ておきたいです。両側面を見ないと、本当の日本は見えてこないと思うので。
2001.08.20 講談扇一夜
協会間の壁を乗り越えた講談の二ツ目勉強会、「講談扇一夜」に行って参りました。5人の二ツ目さんの会ですが、今回は、若州さんが欠席でした。

○宝井梅星(うめぼし) 魚屋本多
魚屋のソウタロウが、殿様の屋敷付近に魚を売りに来た。呼び止める殿様。
そして殿様、魚屋の腰に付けている水飲みに目が止まる。・・・
彼女の講談を聴くのは、彼女が前座さんで入門半年くらいの時一回聞いてます。それ以来今日(二ツ目さんになってた)上がった高座なので、本当に久しぶりです。マクラがあったり途中で横道に入ったりして、高座に余裕が感じられました。

○神田陽司 丸山応挙と幽霊画
紫さんで何回か聞いている。陽司さんの高座では初めて聞きました。途中クスグリが幾つも有って、怖いだけでなく楽しませて頂きました。当たり前な事かもしれませんが、京都の居酒屋夫婦の台詞としての関西弁はネイティブで滑らかですんなり聞けました。江戸弁と関西弁の切替が、何時も思いますが、器用ですね。

○一龍斎春水 アサガオ日記〜明石の別れ
江戸時代初期の物語。京都宇治川上流にミヤギ・ヤスジロウと言う若者が、生まれて初めてほたる狩りにやてきた。これがきっかけで始まるラブロマンス。
明石で離ればなれになった二人は、一体これからどうなるのか、続きが聞きたい!。でも続きは来年だそうです。(笑)

○神田陽之助 安兵衛駆け付け
義士銘々伝からこの読み物。定席での高座では何方もだいたい、安兵衛が高田馬場へ駆けつける所までを読みますが、今回はその後、駆けつけて、仇討ちして長屋へ帰って来たところまでタップリとやりました。

一門によって持ち根多が異なるようです。僕は神田派を中心に聴いてきたので、梅星さんの根多は初めてでした。別の一門を聴くのは勉強になります。上手く説明できませんが、読み方の違いもありました。個人差なのか一門の違いなのかまでは分かりませんが。まぁそんな違いも、聴いていくうちにだんだん分かってくるでしょう。

この会は2ヶ月に1回の割で開催するようです。次回は10月。
2001.08.18 四谷怪談と珈琲を味わう会
浅草橋にある喫茶つたまさにやってきた。この喫茶店で貞水先生、貞友さん師弟コンビによるの講談会が開かれました。特に生で貞水先生の怪談が聴きたいので楽しみにしていました。 内容は・・・
○一龍斎貞友 講談 井戸の茶碗
講談版井戸の茶碗を読んだ。講談の場合のタイトルを最後に聞いたが忘れてしまった。内容は落語のそれと同じ。七色の声色を駆使した台詞は貞友さん独特で面白かった。

○一龍斎貞水 講談 四谷怪談
下から顔を照らすライトや小道具を仕込んだ専用釈台が準備される。最初は場内の明かりが点いたままだったが、後半に入り少しずつ照明が消されていく。真っ暗になった瞬間に、貞水先生の顔が釈台に仕込まれた照明で浮き上がる。それから時折ラジカセからSEが流れる。これも効果的だ。数多くの怪談の高座をこなしているからなのか、ライティングや音響の連携プレー(他にスタッフの姿が見えないことから、恐らく貞友さんが操作していると思われる)は鮮やかだった。終始エンターティメントとしての怪談に徹底していた。
貞水先生は、怪談で全国の都市を回っているそうです。大ホールでの高座が多く、仕掛け用の機材はマイクロバス2台〜3台、スタッフは5名程の規模になるそうです。初めて見る人に興味を持ってもらうのが最優先と考えて、こうした大がかりな仕掛けでやるそうです。

機会があったら、大仕掛けの貞水怪談ショーを見てみたいものです。
2001.08.16〜17 池袋8月中席 怪談night
今夜も引き続き池袋の様子を、17日の主任の紅先生の怪談と、18日の主任、陽子、紫、紅の三先生に、山吹を加えた神田女流スペシャル立体講談をセレクトしてみました。

○17日 神田紅 講談 真景累ヶ淵〜豊志賀の死
高座の準備が整い幕が上がる。
紅先生の登場です。怪談の時は白っぽい着物を着るそうです。月曜の紫先生もだから着ていたんだな。

月曜と同じ物語なので比べてみると、紫先生は静の怖さ、紅先生は動の怖さかな。
最後は開場にお化けが出ました。真ん中後方から前方に、お化けが降りてきます。
おばけ 「うわぁ〜〜」
お客さん「キャ〜〜」
おばけ 「うわぁ〜〜 すべった」
お客さん (笑)
お化けがすべったらだめじゃん。足は無い事になっているからねぇ。

やがて明かりがつく。紅先生がお化けを紹介しました。
お化けは役は、春馬師匠、陽司さん、じゅんこさん(仮称)でした。
さて、滑ったのは一体誰でしょう。

○18日 神田陽子、紫、紅、山吹 立体講談 牡丹灯篭〜御札剥がし
今夜は、神田派女性講談師4人による立体講談。お芝居と言ったほうが近いかもしれません。怪談nightのクライマックスです。
キャスト
 語りと、夫ともぞう 陽子
 女房おみね     紫
 女中お米(幽霊)   紅
 お露(幽霊)     山吹

始めから御札を張り終わるところまでは陽子先生が読み上げ、ともぞうとおみねの会話から芝居仕立てで紫先生との絡みがはじまります。紫先生の悪女ぶりは良かったです。
クライマックスは、幽霊となった女中お米と、これも幽霊となったお嬢様お露が現れます。照明はブルーのスポットに変わる。紅さんのお米とともぞうとの絡み。人間と幽霊の会話の妙が出てました。すこしゾクゾク。山吹さんのお露、一途で可愛らしいお嬢様の感じが良く出ていました。かぁいい!!!! (僕の所にも出て!)
圧巻は、最後に幽霊二人がぐるぐる回る場面。山陽先生の演出ということですが、幻想的で美しい最後でした。女性ならではの立体講談になっていたと思います。

この後客席にお化けが出ましてキャーキャーと楽しませてくれました。お化け役は陽司さんと、じゅんこさん(仮称)(黒子で三日間勤めた陽司さんとじゅんこさん(仮称)に拍手!)

御札はがしは、怨念がこもった幽霊ではなくて、男を慕う幽霊で累や、お岩に比べると怖くはなかった。
最後は出演者全員が舞台に揃い、お馴染みの台詞で終わりです。
さも恐ろしき、執念じゃなぁ」 パン★

打ち上げも盛り上がって、楽しいひとときでした。
2001.08.13 さん喬・権太楼特選夏冬物語
昨年のお盆にも開かれて好評だった二人会が今年も開かれました。この時期に、夏と冬の根多を、柳派のニューリーダがたっぷり聞かせる趣向。
13日の会の中からセレクトして書きます。

月曜の夜にも関わらず超満員。補助椅子の登場となった。僕もギリギリで入場したので、良い席がとれずに残念。この会は前座さんの上がりは無く、いきなり二楽さんの登場となった。開始予定時刻五分前だったが。
○林家二楽 紙切り
小手調べの後は二つお客さんからのリクエストを切る。その後は、昨年のこの会で見て感動した「ふるさと」の紙切り物語。童謡「ふるさと」の曲に合わせて物語が進む。最後は感動の拍手。
○柳家三太楼 落語 十徳 
ごとくとごとくで、十徳になるはずが、終いには、にたりとにたりで四たりになってしまうバカバカしい噺。師匠ゆずりの笑いのツボにはまってしまった。
○林家こぶ平 落語 
漫談で進行する。これで終いかと思ったら、短い古典をやった。最近師匠の古典への意欲が伺える。途中間違えてしまったが、それに対して非常に悔しそうな顔をして下がっていく姿が印象的だった。
○柳家喬太郎 落語 夜の慣用句
主人公は会社に一人はいそうな、高度成長期時代の課長を僕はイメージしました。本日唯一の新作。お客さんの反応も良くまぁまぁの出来。
○柳家さん喬 落語 水屋の富
喬太郎師に続いて師匠のさん喬師が上がる。
「今のがあたしの総領弟子。髪の毛もう少し切ったらどうだ」が開口一番の台詞。
富久夏バージョンとも言えそうな、のこの根多をやる。きっちりした芸のさん喬師の、一番富で当てた八百両を毎日繰り返して確認するところは、飽きがこない程度に執拗に、あっさりと。それから盗まれたときの演技、良かったです。
○松旭斎すみえ 奇術
久しぶりに拝見しましたが、子供の頃TVで見てた時と全然変わってませんでした。かえって当時より仕種が可愛らしくもみえました。
話術も魅力てきなマジックで良かったです。鈴本はこのお盆興行だけの出演だそうです。残念。
○柳家小菊・小春  粋曲
都々逸をいくつかやり、立ち上がって新内流しの形で三味線を弾き、やがてそのまま下がった。綺麗で三味線も歌も上手いお姉さんお二人の粋な芸でした。昔、新橋で仕事をしていたとき、偶に通っていた天ぷら屋で食事をしていると、新内流しのおじいさんがこの店の前を通る。三味の音が近くなってそして遠くなっていく。天ぷらで一杯やりながら聴くとも無しに聴いている何んとも幸せな一時だった。そんな昔の事を思い出した。
○柳家権太楼 落語 たちきり
割れんばかりの拍手で迎えられて権太郎師の登場です。
開口一番
「実を言うと、今日やる噺はあまり好きくないの。あたしの芸風にあわない」(笑)
「あたしの芸風で言えば、ゼンザイ公社とか、代書屋」(拍手)
「でも偶にはこういうのやりたくなる」
そうです、このミスマッチ感覚ともいえる貴重な、権太楼師の「たちきり」を聴くために、前売りを買ったんです私は。どんな噺になるかワクワクしながら、聞き入る。マクラで、たちきるの言葉の意味を説明してから根多に入った。
導入部の丁稚側の視点に立った若旦那との掛け合いは、絶妙。
後半の殆どを占める、置屋の「かあさん」と呼ばれる芸子の預り人の台詞や仕草で、表現する何処へもぶつける事の出来ない悲しみは、権太楼師特有の粘っこさがいい味となって出ていた。原稿を書きながら、場面を思い出し、自分の目頭が熱くなる。
サゲを言ってお辞儀をする権太楼師。熱い拍手が送られるが、誰もが無言だった。言葉を発したら、今の感動が消えて無くなってしまうかのように皆が思ったのだろう。

今度は芝浜を聞いてみたい。また「好きくない」って師匠は言うかな。
2001.08.12 池袋演芸場 8月中席 夜の部
本牧亭の講談定席を終え、途中から池袋演芸場の中席へやってきた。
8月の中席は芸術協会所属の講談師(神田派)が主任で、毎夜怪談を聴かせる趣向。様子は・・・

○神田松鯉 講談 義士外伝〜天野屋利兵衛
客席に入ると、いきなりさっきまで聴いていた松鯉先生の声が地鳴りのように聞こえてくる。夏でも読めるお馴染みの義士伝。

京子ちゃんが高座返しだ。神田の前座さんが減ったので、一日中大いそがしです。

○桂枝助  落語 子褒め
マクラで「天野屋利兵衛は男でござる」の台詞の真説?を語る。

○鏡味正二郎 江戸太神楽
ルックスも芸も一級品。五階茶碗の曲を難なくこなしてしまう。女性ファンが多そう。
○桂文治 落語 変わり目
文治師の酔っ払いは好きです。
仲入り
○柳家蝠丸 落語 大師の杵
初めて聴く噺だった。しかしこの師匠は痩せすぎ。ご飯たくさん食べなきゃだめ。
○音曲扇鶴 音曲
この師匠の歌い方すきです。前の席に座っていた女性グループにバカウケ。そんなに可笑しいかな。

○神田紫  講談 真景累淵〜おひさ殺し
怪談でございます。非常に怖がりのヒロクンでございます。
以前紅先生の怪談を昼の高座で聞きましたが、怖くない怪談をやりますと言ったのに、怖いおもいをしたので、紫先生は怖くないかなと思い、それから山吹さんがお化けをやるので、そのお化けぶりも見よう(真っ暗だけど)と来てみた。
扇鶴師の高座が終わると、山吹さんが会場にお客さんを装い入って来た。僕の席からかなり離れた所にタンバる。紫先生が、登場する。白い着物がまた怖さ度を高める。途中青いスポットライトで紫先生顔を照らすが、この顔が結構怖い。

クライマックスは場内真っ暗な中、お化け役の出番です。懐中電灯やら、色々な小道具を使いお客さんを脅かします。後ろの女性のお客さんはキャーキャー言って愕き且つ楽しんでいるようす。
「おっ山吹さん、やってるやってる」と思いながら、お客さんの怖がっている様子を眺めていたら、いきなり僕の所に「うわぁ〜」という声。
「出たぁ!」
油断して、心の準備が出来ていなかったので、びっくり。
誰、今の一体誰。山吹さんは右後方だし、京子ちゃんは下座の方だしそれに声はウィーン少年合唱団じゃないし・・・阿久鯉さんは来てなかったし・・・ひょっとして、ホンモノ・・・お岩稲荷にお参りしたのに・・・・ などいろんな思いが頭の中を駆け巡っています。一言でいうとパニック状態。怪談が終わった後、紫先生が、今夜のお化け役を、お客さんに紹介しました。
僕を脅かしたのは、何と翌日と翌々日の主任、陽子先生でした。これにもびっくり。しかし映画エクソシストで、悪魔が乗り移った少女のようなあの声。あれは陽子先生の声とは違うような・・・・・怖いからそれ以上は考えるのはよそう。

コワ楽しいひと時でした。
2001.08.12 本牧亭講談定席
神田一門の8月定席の様子です。
○神田京子 
明暦の大火、別名振袖火事と呼ばれることとなっなった物語を読む。昨日明暦の大火慰霊塔へお参りしたばかりなので、昨日の記憶が蘇った。
○神田山吹 山内一豊 出世の馬揃え
マクラは季節柄、幽霊らしきものを遂に見てしまったという内容。根多は怪談ではなく、この読み物。主人のサクセスストーリの影には、妻のバックアップがある。お歌あわせもそうだ。
山吹さんの元気な講談を聴けて、僕もパワーアップ。
○神田陽司 長嶋茂雄物語 小喧嘩五郎吉
BS日テレで放送中の唯一の講談番組?「長島茂雄物語」の一部を披露。生で見れるなんて、貴重な体験だった。
これが本題ではなくて、メインは「小喧嘩五郎吉」。大阪から上京(当時は上京と言ったのか分かりませんが)し父の仇を討つ物語。陽司さんで今までに何回か聴いている。大阪から上京するシチュエーションが陽司さん自身と重なるところが、ご本人は気に入っているのかもしれません。
○神田愛山 ドライドリンカ
品川陽吉シリーズから、恋人と別れた陽吉の前に一人の女性が現れる。そして屈辱の罠から1年と4ヶ月・・・
私小説講談「品川陽吉シリーズ」は何処までが事実で何処までがフィクションなのか分かりませんが、作品としては今回も質の高い内容だった。
○神田紅  潮来の遊び
艶っぽい読み物。紅さんが演じる妖艶な花魁が良かった。これは男性講釈師には出来ないこと。阿久鯉さん、京子さん、山吹さんと花魁に、神田のアイドル?の名を付けて呼ぶクスグリもお約束。昌味さんの名前が無い・・・

○神田松鯉 水戸黄門紀
主任は松鯉先生。
盛岡の町。吹雪で難渋する黄門様一行。向こうから馬子が馬を牽いてやってくる。馬子は未だ子供だった。父が水牢に入れられたと言う・・・
典型的な勧善懲悪な物語だった。一夫多妻が認められていた時代の南部藩での世継ぎ争いの話で、何の罪もない次男(赤ちゃん)までヒールに描かれているところは、理解できない内容だった。
義士伝の中にも、赤穂義士である夫にあだ討ちを勧めるデモンストレーションとして、我が子を殺す物語があるがこのような物語が、武士の美徳として取り上げる思考は全く理解できない。理解できるのは、時代ごとに正義とか善とか、ものの価値観が変わるということ。古典講談はこうした時代の持つ特徴も、現代に読み伝えているんだなと、そんな事をこの作品を聴きながら思った。
2001.08.11 落語21
すごい夕立のため、途中のドトールで雨宿り。開場時間が迫るが雨は未だ止まない。
8月の落語21にやって来ました。今月はこの会のDMが来なかったので、その旨受け付けのお姉様に申し上げた。すると何の躊躇もなく「前売り料金でいいですよ」と言ってくださった。感激でした。

いつもどおり前座さんによる人形劇スタイルの前説が始まる。1〜2分進んだところで、その人形をもぎ取る形で、昇太師と新潟さんがいきなり登場。会場は拍手。真打昇進までの数々の段取りの面倒な事などを交えてお二人で前説を進行して、さぁ開幕です。

○快楽亭ブラ汁 落語 
男二人が、ディズニーランドの帰りに、道に迷って山道奥深く入ってしまった。山道の同じ所をグルグルまわっている。この場所はトゥナイト2で見たような・・・
ミステリー風の噺だった。 少し気持ち悪いかな。

○神田昌味 講談 整形修羅場
「宮本エリシリーズ」第2談。
マイ釈台をブラ汁さんにセットアプしてもらい登場です。
綺麗になりたいと願う女の子宮本エリ。ダイエットを断念した後はお化粧に凝る。仕上がりまでには何と2時間を費やす。
H12年春、彼と初めてのお泊まりデート。朝起きてから、7時の朝食までに化粧が間に合わないので、寝る前にはじめた。2時間お預けをくった彼とはやがて別れる事になる。そしてスノーボーダのヒロシと出会う。二人でゲレンデへお泊まりデート。いつまでも部屋から出て来ないエリをおいて、朝食を一人で済ませるヒロシ。そして軽くすべって戻って来たが、未だエリは化粧が終わらず部屋から出て来ない。キレるヒロシ。この彼ともやがて別れることに。
そしてH13年春、化粧はだめだと整形をすることになるが・・・・・

あら筋をたっぷり書いてしまった。偶然ですが私もちょい役で出演(名前だけ)できてうれし〜。
神田愛山先生の「品川陽吉シリーズ」のように、この宮本エリもシリーズ化なるか。

○立川談之助 落語 スポーツあれこれ(仮称)
「なぜ今日は雨がふったのか」
「それはコミケの日だから」のマクラではじまり。最近のスポーツについて語る。
「見ました?世界水泳選手権」
「ソープ早い、ソープ早いって、ソープで早やけりゃ喜ばれる」
ピー ピー 後はかな禁止用語連発で書けません。

○三遊亭新潟 落語 コロコロ
青系色の着物に袴姿で登場。着物の紋はフクスケ。袖にはかわいい猫ちゃんのアップリケを付けている。円丈師もそうだが、紋やアプリケは奥さんが付けるのだろうか。奥さんの趣味なのだろうか と、どうでも良いことを考えてしまった。
寄席での真打昇進披露は、鈴本が9月30日夜席、新宿末広が10月6日夜席だそうです。鈴本の口上は何と小三治師匠がやるそうです。弟子以外で口上をするのは大変珍しいそうです。何故か、それは小三治師は新潟さんを知らないからこの際顔を覚えるため。
披露目のために、上野大丸で、2万五千円の紋付を購入。「新潟さんだいじょうぶ?払える?」と主人に心配される。等のまくら。
根多は、もし生まれ変われるならと願う35歳の男。すると神様が現れて、とある女子中学生の部屋にある物に、この男を生まれ変わらせたが・・・
高座場を転がりまわりーの、座布団かぶりーのでいつも以上に熱演。結果袴が壊れる・・・
○春風亭昇太 落語 リストラ(仮称)
今日、ケチで有名な部長に昼食を誘われた。これは一体どういう意味か、昇進?リストラ?・・・
日常の風景を落語にしたものでした。ハチャメチャ度は低いが面白かった。

○三遊亭天どん 落語 ××専用車両(仮称)
昇太−円丈と2大新作派巨塔にはさまれて、イジメ状態の天どんさん。でもテンションはいつもどうり。
ある私鉄の駅で電車にのる女性。女性専用列車に移動するが、その先にもう一つ車両がある。8輌編成の電車の9号車・・・
スリルとサスペンスにダジャレ落ちでした。
○三遊亭円丈 落語 グローバル噺家(仮称)
寄席の支配人に、古い友人が訪ねてきた。「社長に頼まれて、うちで落語会をやってほしい」ギャラは1万円」支配人は、営業ならば一人10万円だ。でもあそこにいる前座だったら7千円でいいと、指さす前座さんとは、頭にターバンを巻いたアフガン人。
根多以前に、日本語を話せるのか・・・・

8月はスペシャル興行。なのに、演者さんはいつもどおり、マイペース。
昌味先生は、新潟さんから誘われてこの会に出て新作をやることになったと聞いた。意外な接点の面白さにびっくりでした。次回は新潟さん改め。白鳥師匠になって登場するのか。 披露目には顔を出したいですね。
帰りは夕立も上がり、ひんやりする風が気持ちよく、いつもは地下道を歩くのに今夜は地上を歩いて新宿駅へ向かった。
2001.08.×× 池袋演芸場 8月上席
池袋8月上席のある日の中から、セレクトしてみました。

○柳家小三治 落語 宿屋のあだ討ち
昼の部主任となっている小三治師匠の登場です。
今一番優雅な旅は、徒歩で行く東海道の旅。それも必死で歩いちゃいけない。疲れたらすぐ宿をとって、芸者を呼んでドンチャンする。そんな旅だ。等旅についての枕から、この根多に入った。
おしゃべりな江戸っ子と、隣の部屋の侍の人物設定がよく出来ていて、人物の感情がよく伝わってくる。夜の江戸っこのドンチャン騒ぎと侍のリアクションをた〜〜ぷりとやり、50分の熱演でした。終わったときは、夜の部の前座さんの上がり時間。

○橘家文吾 落語 道灌
休憩時間を30分から10分に変更して夜の部が開始されました。
幕が開くと、文吾さんがいきなり登場する。9月に真打昇進する二ツ目さんが開口一番だからびっくり。客席はざわつく。昼の部が伸びたので前座さんの出番はカットした事と、最初に上がる小駒さんが未だ入ってないので、出番を調整した結果こうなったと、ぼやきながら「道灌」をやった。

○柳家喬太郎 落語  パイナップル(仮称)
高座は進行して喬太郎さんの出番。新作をやった。
小田急線の中でチカンに遭ったユミコ。そのチカンは13年前に別れたままの父だった。父はパイナップル入りの酢豚を作るのが上手かった。ユミコは、父が今働いている料理店へ通うようになる・・・
チカンされている時のユミコのオシリをくねらせる仕草が、気持ち悪いが、女性的でそれっぽくい。よく研究しているな。

○三遊亭円丈 落語  アンケート(仮称)
漫談で終始する。
噺家は小道具として、手ぬぐいと扇子を用いるが、自分は扇子は使わないと言う。何を使うかと言うと「マウス」だ。と言って袂から青スケルトンのマウスを出す。マウスでタバコを吸う仕草やそばを食べる仕草をする。場内ややウケ。
自分の根多帳から、寄席についてのアンケートをとる根多をやる。
根多といっても、本当にアンケートを取るだけですが・・・
漫談風もいいが、きちんとした新作を聞きたかった。

予定では、中とりが権太楼師匠だったのが変更になっていて、聞けず終い。鈴本の中席まで聞けないかも。  またまた残念。
2001.08.04 今の時代をちょっと考えた
博報堂生活総合研究所長・関沢英彦氏の「生活時間から新しいライフスタイルを読む」をテーマとした講演とこれについてのエッセイ記事を見て感じたことをトップページに書こうとしたが短く纏まらなかったので、独り言のコーナに書いてみた。

○時もち or 貧乏暇なし、純高速派 or 強制高速派
博報堂生活総研が、首都圏、阪神券の20〜69歳に対して行った「生活速度についての望ましさ」の調査結果。「大変ゆとりがある」22%。「時間がほしいか」17%だけ。
【純高速派】<実際の行動,気持ち共に手早く>は50%。特に30台の男性に顕著。
【強制高速派】<実際の行動は手早くも、気持ちはゆっくりがよい>は20%。日本人の7割は、高速な生活をおくっている。
【不満低速派】<実際の行動はゆっくりだが、気持ちは手早くありたい>10%程度で、40〜50代の女性に目立つ。
【純低速派】<実際の行動も気持ちものんびりとありたい>20%程度で、50代以上の世代に多い。30〜40代では10%だった。
○デカダン主義の台頭
若い世代(10代、20代)は、悲観的でクール。時代物をもてはやすノスタルジー指向。世紀末的なデカタン思想。過去に執着し、未来には希望を抱けない。昔は良かったったと、過去にひたる傾向がある。ひたすら“快”を追求し、進歩を否定している結果、科学技術に対する信頼度は低下の一方を辿っており、理科系の人気がどんどん低下している。かつては日本のGDPと国民の意識はリンクしていたが今はそうではない。
○貧乏暇無し
日本人の旅行欲は高いが、旅行会社は儲かっていない。何故なら、旅行は「時間」を消費しないとできないから。個人の時間を確保しないと成り立たないから。
○「楽しくなきゃイヤ」
というのが現代日本人の共通概念で、学歴信仰崩壊もそのひとつ。 何かを「買う」にも、決め手となるのは“快”がキーワード。
○“個”が軸のエゴ原理
個が軸になっている。我慢はしない。干渉しない。日本の離婚率は、米国,ドイツ,スウェーデンの3大離婚国に次いで第4位になった。結婚生活でも「我慢はしない」のである。
エゴは若者だけではない。60代以上は高度経済成長時代に青年時代だったため、「引退して自由なんだから、遊ぶ権利がある」と感じている。子供に家はやっても財産は渡さない,と考え、高齢者も若者以上に“個”指向でエゴ原理になっているのではないか。
○10人10色
2000年になると、さらに『一人十色』化が進み、個人の中で時間,シチュエーションの多重化が進む。レセプターを多数持っている生物のようなものが今の日本人で、瞬間的に、余程強烈なメッセージ性がないと反応しない。
こんな日本人はひどい人種に成り下がったという悲観的な感想を持つ人が多いと思うが、「人の善意を信じる」という人は9割を占めている。これが日本のデッドライン、セーフティネットになっている。だからピッキング被害に遭い続けている。
○時間を返す消費
昨今の消費傾向は「安いからいいとは思わない」が日本独特の傾向。「何をおいても安さ」を優先する海外とはかなり異質。安い物を買うが、こだわりを持つ物には贅沢をする。今の消費を高めるには時間を返す消費でなければならない。時間的なゆとりを与えれば、家ゴロ派の人もDIYに励み、一番行き詰まっている50代にその時間で出来ることの動機付けをしていけば、自殺率も減る。

以上が講演の超要約です。

「誰だ僕の私生活をのぞき見した奴は」と言いたくなる位に私のライフスタイルに当てはまる調査結果だ。と言うことは、私は典型的な日本人ということか。そうは思わないけど。「快指向」は、カルチャースタディーズ研究所・三浦氏も言っている。日本人の共通概念として誰でも感じることなのだろう。
子供の頃童話の「アリとキリギリス」を読まされて、アリになりなさいと教えられたが、何故か分かった。日本人は本当は、みなキリギリス人生を送りたいのだが、皆がそれをすると日本が崩壊するので、特権者以外はアリになれと当時の文部省は指導していたのだろう。そんな当時の文部省の戦略に相反して、日本一億がキリギリス人生を望み、それを実行して、現在の超不景気社会が出来上がっている。誰もが望んだのだから多少の文句もあるかもしれないが、皆今の時代を受け入れているのだと私は思う。純ちゃんの構造改革が出てても出来なくてもどちらでもいい。そのときが面白ければ。そんな結果が今回の参院選にも現れていた。芸能人のような人達だけの参議院で一体何をこれからするのだろう。と今から楽しみですね。
一般人に目を向けると、旅行ができる程の時間は無いが、2時間〜半日位の時間はある。旅行へ行くほどのお金は無いが、映画を見る程度のお金は使ってもいい。こういう人は少なくないだろう。このような人は「寄席」に行きましょう。泣いたり、笑ったり、今を見たり歴史を振り返ったりで個の「快」を刺激する。こんな今の日本人にぴったりな娯楽じゃないですか。と私は考える。でも寄席のお客さんは少ない。ことに平日は。今の日本人に「寄席に行ってみたい」という意欲を引き出すには、エッセイの中で、今の日本人へのこれからの商品企画は、「短くても素敵な時間を過ごしたい」「自分の価値を見い出したい」「自分なりに価値があれば、多少の投資は構わない」が「楽しくてラクがいい」と考えている日本人の心をどうしたらゲットできるのか?といったことに着目してすることが決めてだと筆者は書いてたが、寄席の場合もこれらに着目した芸の内容や、番組の企画、サービスの開発をすることが21世紀の寄席の在りかたかなと思う。
2001.07.29 鈴本7月下席 昼の部
権太楼師、花緑師、喬太郎を目当てに、上野鈴本の7月下席昼の部へ行きました。
権太楼師は夜の部へ変更になっていた。残念!
主任は花緑師で、根多は私の好きな「たちきり」だったので、これだけは感想を長く書き過ぎたようです。入場時に鈴本隣の漬物屋「酒悦」の福神漬の引き換え券を渡された。酒悦の福神漬は、お酒に良く合うので私のお気に入りです。時々只券が貰えるので、鈴本通いは欠かせません。
さて常席のほうはてぇと・・・・

○笑生  落語 牛ほめ
前座さんのよくやる根多。子ほめ、金明竹、寿限無等と同じく暗記もの。親父と子供の上下の対比がよく出来ていた。 上手い前座さんだ。 

○柳家小太郎 落語 六文銭
「この前、おとっつぁんが留守の時に、おっかさんを訪ねて家に男の人が来た...」と、親父の気を引きつけておいて、木戸銭と称して小遣いを取り話を始めるが、肝心の所まで来ると切れ場だと言って、さらに小遣いを取り、6銭の小遣いを巻き上げる噺。
真田小僧が本来の題目という事になっている。キーワードの真田小僧が出てくる場面までは演じたのは観たことがないですね。
主人公の悪ガキは、今のガキンチョにもいそうなタイプ。

○柳家とし松 曲独楽
お客さんに手伝ってもらう独楽の綱渡りと、風車の曲が見せ場でした。

<間に間にお客さんが入ってくる。通常の席は満席。係りの人が予備のパイプ椅子をセットする。今日はお客さんの着席までに時間がかかることがこの後も多く、時間のびのびは必至。>

○柳家一九  落語  湯屋番
サゲまでやる事は少なくなった。今回も番台上の若旦那の可笑しな一人芝居の途中でおしまい。寄席の持ち時間の都合かな。

○柳家喜多八 落語  噺家の夢
かったるそう〜に、嫌そう〜に出てきます。
1銭で船3艘もの魚が買えるとんでもなく物価の安い村に来た噺家は、大金持ち扱いで居心地が良いので居つづけることにするが・・・
サゲを言ってお辞儀をすると、かったるそう〜に、嫌そう〜に帰っていきます。これが売りの師匠です。

○金原亭伯楽  落語 たがや
この師匠は久々に拝見しましたが、笑顔は以前とぜんぜん変わらない。
昨日の隅田川の花火大会の様子をマクラで話してから、この根多に入る。
夏の代名詞とも言える根多。ブラックユーモアな作品のに、何故かすがすがしい感じがするのは何故だろう。

○三遊亭小円歌 三味線漫
ハスキーなアルトヴォイスの歌と、三味線、そしておしゃべり。今日は最後に「やっこさん」を踊った。
彼女は168cmと長身なので、踊りは舞台映えする。今回は無かったが、かっぽれも圧巻。

○柳家小せん 落語 犬の目
目が悪くなったので、医者に行ったら、犬の目を入れられることになる、ばかばかしい根多。
この師匠がやるばかばかしい根多が好き。

○柳家三語楼 落語 不精床
客に出来ることは客にやらせるという不精な床屋の噺。

○鏡味仙三郎・仙一 江戸太神楽
ウルトラC難度の五階茶碗の曲からいきなり入った。
見事に極めて、その後はまりの曲、続いてバチでフィニッシュ。

○入船亭扇橋 落語 化け物使い
プルプルっと出てきて、マクラに入った。小せん師のほうが兄さんなのが分かってびっくり。
根多は、人使いの荒いご隠居さんに奉公人が次々と暇をとってしまう。ついにはお化けまで使ってしまう・・・
お化けより人間のが怖い!?

○昭和のいる・こいる 漫才
最近いつも同じ根多だ。でもこの二人は面白い。超満員の客席が大爆笑。

○柳家喬太郎 落語 池袋駅前図鑑(仮称)
「待ってました」の掛け声に、「待たれても困る」と喬太郎師流のリアクションから始まった。
池袋西武、東武、何故か進出してしまった三越をはじめ、個性的な店の紹介を漫談風に語る。もう少しじっくりと聞きたかったが、これが定席の悲しさだ。

○古今亭志ん五 落語 鈴ヶ森
ドジなこそ泥の噺。落語に出てくる泥棒は皆ドジ系。講談の泥棒は悪逆非道だったり、義賊だったりで、ドジ系は聞かない。この辺の違いがあって面白い。

○ニューマリオネット 
民謡に合わせて、かわいらしい踊りを踊る人形は、何時見ても楽しい。

○柳家花録 落語 たちきり
小さんの孫。30歳になったばかりの若さだが、既に中堅真打の経験と実力の持ち主の花緑師が今日の主任(トリ)として高座に上がる。
花柳界の説明を枕ではじめた。(この説明が無いと、この根多は落ちない)やばいなと思ったら、やはりこの根多だった。何故やばいのか、この根多には私の涙腺が弱いからだ。江戸時代の悲恋物語。日本橋の若旦那と相思相愛となった柳橋の芸子。ある日若旦那と二人で芝居見物の約束をする。しかし若旦那は来ない。手紙を書く。毎日何通もこの若旦那に手紙を書く。しかし返事は来ない。そして手紙を出し続けて80日を境に、手紙が絶えた・・・
この根多は入船亭扇辰さんで何回か聞いている。彼の女性の声色でのクライマックスの場面は本当にウルウルものだった。花緑氏の場合は声色は、はっきりと女性とわかるようにはせずに、口調としぐさで演じる。全体的にオーバアクションだったのが分かりやすかったのか、会場はウルウルな人が多かった。私の3列前のパイプ椅子の女性は後半、目からハンカチを離すことは無かった。
沈み返る場内に、さげの言葉。客席から「あー」と言う感嘆ともため息とも付かない声。お辞儀をする花緑師。追出し太鼓が鳴る。舞台右端にそっとご祝儀を置いて、小走りに去っていく若い女性の姿。彼女の目は赤く脹れ、涙に濡れていた。
2001.07.28 池之端土曜会
隅田川の花火大会へ行くお客さんで満員の銀座線からむりやり上野広小路で降りて本牧亭へとやって参りました。今夜の土曜会は、神田山吹さんです。
一夏に一回聞けるかどうかの山吹さんの貴重な、怪談を体験しました。何故怪談をやらないか、それは・・・山吹さんが・・・怖がりだからです。聞くのもやるもの苦手だそうです。

そんな事は十分承知しておりましたが、ムリムリのリクエストに応えて頂きまして、円朝作、牡丹灯篭から「御札剥がし」をたっぷり40分聴かせて頂きました。山吹怪談2回目の体験でした。
陰に籠もったらきっと怖いんでしょうか、や〜元気な怪談でしたね。
虚無僧の東くだりを聴いているようでした。そんな山吹さんの講談が、大好きでございます。bread!
終演後は、美味しい食べ物と飲み物と楽しいフリートークや、お土産交歓会と、何時もの楽しい一時の再演。 幽霊は何処変え消えてしまいました。
因みに、幽霊は美人しかなれないそうです。これってはセクハラ?

さて、8月の本牧亭講談定席12日(日)は、久々で陽司さん、山吹さんの講談「吉田兄妹(きょうだい)」がご覧いただけます。っといってもそういう読み物があるわけではありませんが、そういう事でございます。
2001.07.21 講談革命ヨウジR
日本橋亭から上野広小路へは地下鉄で移動して地上に出た。すると、選挙演説の車から唸り声とも聞こえる某レスラーの演説がPAから聞こえてくる。選挙戦真っ盛りの中、上野広小路亭へ向かう。今日は神田陽司さんの独演会「講談革命ヨウジR」テーマは選挙。どんな会になりますか・・・

○神田春陽 講談 勘助島の由来
先週本牧亭で聞いた根多。今回は最初から通して聞けた。しばらくはこの読み物を勉強するのかな。私も勉強しよう。

○神田京子 講談 カルメン
噂でしか聞いたことのなかった、山陽先生の新作です。陽司さん曰く「難しい根多。80過ぎのおじいちゃんがやって受ける根多」とのこと。
歌って踊って、これぞ大衆芸としての講談という印象でした。神田派らしい新作の形。現在の師匠である陽子先生の演出が多く含まれているのだと思われます。若い人にどんどん山陽師の作品が、受け継がれてほしいです。劇中歌?は、歌劇カルメンの歌の他の歌は、昭和史に残る歌なので、伝統芸的には山陽先生が歌った歌をそのまま引き継いでも、それで良いのかもしれませんが、平成時代の歌に変えた方が、若い芸人さんが、若い人向けに演ずる場合は、より楽しめると思います。その辺はTPOで演じ分けられると良いと思います。
京子さん的には「もうウィーン少年合唱団とは言わせないぞシリーズ、その2」かも。

○神田陽司 7大政党公約説明そして、講談 青龍刀権次
資料の束を両脇に抱えての登場です。
各政党本部を回った証拠の写真を見た。
各政党の公約の内、政治改革に関する物を例え話で紹介する。シチュエーションは自分が300万円の借金をしたとする。それを返済する方法は・・・
各政党別に返済のための方策を説明します。ん〜〜〜理解出来た様な出来ない様な・・・

根多の方は、幕末から明治にかけて生きた男の読み物。山陽先生の得意根多とも聞いている「青龍刀権次」。この読み物の私的ポイント。最初の方に現れる殺人のシーンで、右手で刀(扇子)を持ったまま、刀の血をぬぐう為の紙(手拭い)を出す仕種を左手の袖から、左手を中に入れて出して刀の血をぬぐい、そして出した時の逆の動作で、手拭いを戻す(伝わったかな)。その直ぐあと、今度は今戻した手拭いを財布として、今度は右手で懐(前襟から)に手を入れて取り出す仕種。綺麗に決まると、これも芸と言えるかもしれない。

○マグナム小林 バイオリン漫談
陽司さんの会は2回目? 別の会だったかとにかく彼は2回目の体験です。
バイオリンでの音まね。弾き語りと漫談。
彼は有楽町マリオンの前で弾き語りをやっている関係で、今日の陽司さんのテーマ「選挙」について、マグナムさんが見たマリオン前の選挙戦状況も披露していただきました。
私的にはコンビニのドアの音が結構気に入っている。

○神田陽司 講談 竜馬2(仮称)
後高座は、今回のための書き下ろし。時代は前高座の青龍刀権次と同時代である幕末が舞台。主な登場人物は竜馬に勝海舟。「竜馬抱志」に続く竜馬シリーズ第2段。国を改革するために幕府方のシンクタンク勝海舟の暗殺を企てる竜馬グループ。しかし勝海舟の「黒船に乗らないか」という誘惑に勝てずに、暗殺をあきらめる。それから・・・詳細はなんと神田陽司さんのホームページに原稿がアップされていますので読んでみてください。
本はしっかりとできていますので、読み甲斐があるでしょう。
公約の「選挙」のキーワードもちゃんと竜馬に結びついていました。
幕末は現代と似ているといわれますが、倒幕を打ち立てた幕末の人たちが、今の時代に生きていたら、一体どんな政治改革を進めただろうかなどと、終わった後ぼんやりと考えてしまった。

講談は、今回陽司さんが演ったシリアス度の高いものから、京子さんの演った、見て楽しい読み物まで様々です。講談って面白いですね。

終演後は、芸人さん、お客さんが入り乱れての打上げとなりました。閉店まで飲んだり食べたり、しゃべったりと楽しい時間を過ごしました。
さぁ次回ですが、何時になるのでしょうか、陽司さん。
2001.07.21 春水会
一龍斎春水さんの独演会に行きました。暑い中、多くのお客さんがお江戸日本橋亭に集まりました。

○一龍斎貞橘 講談 羽根川軍記
タイトルはこんなだったかな。初めて聞く読み物でした。読み方が貞水先生に似ているのに、ビックリ。当たり前か。 神田派の読み方より語り口調っぽい。

○一龍斎春水 講談 大江戸天下祭り物語
春水さんの新作です。麹町の大店伊勢屋の娘おはち。店に来た左官の長六(漢字自信なし)に恋をするが、大奥へ奉公に出ることに。やがておはちの事が長六に伝わり、長六は、おはちに会う為に、今度の神田祭りの屋台に入ることになるが・・・
平賀源内や、田沼意次も出てきて粋なラブストーリに仕上がっていた。
春水さんの威勢の良い男役は、チョット優しすぎるかな。

○花島久美 マジック
松旭斎すみれさんの弟子だそうです。姉妹弟子に女子プロレスラーがいて、女子プロのリングでマジックをやることもある。おまけにリングネームも有るそうです。
そんな彼女、自分の事を「クミチャン」と呼びます。笑顔が素敵で、話術も大変に素晴らしい芸人さんでした。

お仲入り

○一龍斎春水 講談 大岡政談〜二人の母親
名君と名奉行の物語で出世した後の大岡越前守の物語です。一人の娘をめぐって、生みの母親と、継母が手を引っ張りあう・・・ご存じのお話し。昔国語の教科書に出ていたそうです。(春水さんのお母さんの時代)
健気なこどもと、優しい母親をやらせたら日本一の春水さん。根多下ろしとの事でしたが、良い出来だったと思います。
2001.07.15 本牧亭講談定席
鈴本がはねて、外へ出た瞬間、刺すような暑さ。アメ横で買い物を済ませて本牧亭へ向かう。徒歩で数分の道のりですが、頭がクラクラする暑さ。客席のエアコンは最大パワーで活躍するも、温度は下がらず。夏は始まったばかりなので、先が思いやられる。今日は壁際の席をゲット。
本日の定席の方は・・・

○春陽 勘助島の由来
大阪の大店淀屋の娘を嫁にもらう勘助。淀屋から大金を受け取る事になる。勘助はそのお金を公の事業である、島(堤防のこと)作りに使った。この事業により洪水で苦労していた大阪の人々の多くに喜ばれたので、この島に勘助の名をつけて勘助島にしたということです。
春陽さんとしては、新たな読み物か。
○京子 幸村大坂入城
最近、春陽さん、すみ丸さんの男子による大阪入城をずっと聞いてきたので新鮮でした。侍の声色がそれらしく聞こえる。「もう私の声色は、ウィーン少年合唱団とは言わせないぞ」と暗に言っているのかも。
○山吹 柿のご意見
夏風邪をひいて辛そうでした。なので根多はメリハリの少ない、気張らなくてよいこの根多を選んだようです。一応体力回復には、とろろご飯を勧めてみました。
早く風邪を治してね。
○紅  2001年の桃太郎
桃太郎がヒールで鬼が善玉という設定の「真説桃太郎」のリメイク版。歌う講釈師絶好調。 今回はやりませんでしたが、紅さんの怪談は結構コワイので、今年の夏は一回は聞いてみたいです。
○松鯉 水戸黄門記 雁風呂
この場面は、阿久鯉さんが以前何回か読んでいたので、馴染みのあるところです。途中でTV版の水戸黄門の話に触れると、会場のお客さんと熱い会話が始まり、講談とは別に盛り上がって、これはこれで楽しかった。
○紫  丸山応挙の幽霊画
応挙の幽霊という落語がありますが、この落語は幽霊がお酌をしたり、幽霊をコミカルに描いた噺ですが、今回の講談はタイトルは似ていますが全く別のものです。幽霊画のモデルとなった遊廓の女、実は京都の馴染みの茶店の娘だった。死んでから親孝行をすることになる。
怪談噺では無いですが、ミステリアスな読み物でした。
○愛山 髪結新三
歌舞伎や講談でお馴染みの白子屋政談から、本日の読み物を抜き読み。白子屋に出入りしている髪結の新三、娘のおくまを誘拐する事になるが・・・
人物が錯綜して、主人公が新三が途中ぼやけて聞こえました。芝居だと分かり易いのかな。機会があったら芝居を見て比較してみたい。

16時ごろ終演になりました。暑さが和らぐまで喫茶店で愛山先生、ご常連のおきゃくさんと、籠もって寄席談義に花を咲かせました。楽しい一時を過ごせて幸せ度100%
2001.07.15 鈴本早朝寄席
九時半に上野鈴本到着。既に夏の太陽がじりじりと容赦なく照りつけている。今回は協会の二ツ目勉強会である早朝寄席へやってきた。今回出演する二ツ目さんはめでたく真打昇進のため、今回が卒業となる。これを知って、100人を越すお客さんが駆けつけて、彼らの最後の早朝寄席に花を添えた。
今回の4席はどれも珍しい根多でした。風呂敷以外は、私にとって初体験でした。

○柳家三太楼  風呂敷
亭主の留守に顔なじみの若い衆を家に招き入れ、茶を振る舞うおかみさん。そこへ亭主が予定外に早く帰ってくる。日頃からやきもち焼きの亭主。あわてたおかみさんは、若い衆を押入に隠してしまう。ふろしきはどう使うかというと....
「紙入れ」と同ジャンルの根多。がんばれ間男とおかみさん!
三太楼さん、絶好調でした。少し痩せたように見えました。

○横目家助平 夢八
外気温37.5度。あたしの体温は36.5度。あたしと抱き合っていた
方が涼しい。とのマクラ。
八つぁんは寝るとよく夢を見る。 旅をする夢を見た。それはお伊勢参りらしい。こんな出だしの説明が、クライマックスの重要なキーワードになっている、コミカルな怪談噺。
重箱料理の食べ方が、汚いが実に美味しそうで良い。

○古今亭菊若 豊竹屋
義太夫好きがこうじて、朝から晩まで見るもの聞くもの全てを即興義太夫にして唸っている豊竹屋節右衛門。ある日、そんな節右衛門のところにかりんどう八と名乗る口三味線の自称名人が訪ねてくる。そこで、二人は出任せ義太夫とでたらめ口三味線でお手合わせをする。
上方の噺。この根多、実は意外な人に稽古をつけてもらったそうです。

○柳家小のり 臆病源兵衛
この臆病者の源兵衛を驚かしてやろうと、仲間内で計略を立てるが・・・
最初はこの源兵衛が主人公ですが途中で主人公が交代します。
この根多はサゲが中途半端な感じがしました。

来月には各々真打の披露目を迎えます。新たな門出に拍手。
午後は池之端本牧亭定席へ向かう。乞ご期待
※落語協会では、この四名の噺家さんの他に6名の二ツ目さんが真打昇進するそうです。
2001.07.07 講談じょあんライブ
七夕の夜。例年は梅雨空の時が多いのですが、今年は夏を覗かせる空が開いている。
彦星と織り姫達のライブを、渋谷じょあんへ見に行ってきた。その様子は・・・
今回はカメラ班に配属されたため、撮る事に集中していたので、あまりかけないかもしれない。 取り敢えず ビールとセットメニューで腹ごしらえ。

○なんだかんだ大川 幸村大阪入城
講談の基本といえば軍記物。その中から定番のこの読み物を読んだ。時間の都合で、後半部分をセレクトしたようだ。ふわっとした仕上がりが、大川さんらしさか。
○櫨 蛙 今昔物語〜鉾の女 蛙編
蔵ライブで初出の作品を読んだ作品を読んだ。大阪弁が吉本新喜劇を彷彿させる。
○電脳文化桃 ウルトラファイト!
超人ふきのクマ退治! 至上最強の女はバイオニックジェミーかおふきか!
ガンダム、コンバトラーVが出てきたぞ。ってことは絶好調!?。三遊亭新潟さんの教えは生きていたのだろうか

仲入り
タイカレーとビールを
追加注文する。

○なんだかんだ大川/電脳文化桃/櫨 蛙 愛の不毛(群読)
大阪と東京で遠距離恋愛をするカップル星彦とヲリエの物語。昼にカラオケボックスでやった練習が最初で最後らしい。 大川氏と蛙さんがカップル役。桃さんがナレーション役。 このカップルはハッピーエンドになりますか・・・
ちゅらさんはハーレクインロマンスXP的ハッピーエンドだったけど・・・
ショパンの別れの曲 尾道バージョンが流れる・・・ってことは

終演後は演者とお客さん入り交じっての打ち上げモードに突入。私の回りでは、ビール10本、日本酒2本が消えてなくなりました。 都々逸調の御みくじをひいたり楽しい一時でした。