「『子どもの貧困』なくせ」と「全国ネット結成」されたとの小さな記事を見つけた。
子どもの貧困が捨て置けぬ状況になっていることは、研究会仲間から聞いて知ってはいた。しかし、いままで「全国ネット」がなかったことは、記事を見るまで知らなかった。
あちこちで問題になっているのだから、当然全国ネットがあると思いこんでいた。
ホームレスの若者については、年末の「年越し派遣村」のニュースで知っている。派遣労働につかざるを得ない若者の中にも、子ども時代の貧困が原因で、充分な教育が受けられなかった場合があるとも聞いている。
子どもの貧困が、将来ホームレスを増やすことに繋がっても行くだろうし、労働力の問題にもなっていくだろう。ひいては、我が国の国力問題にもなる。
子どもの貧困の原因には、親のリストラや倒産もあるだろうが、シングルマザーやヤンママの場合もあるだろう。
両親がそろっていて、父親は正社員で母親は専業主婦で・・・などという、典型的な「標準世帯」を基準に置こうとは思わない。共働きや、単身親家庭など、いまは「家族の多様化」は進んでいるから「かくあるべき」との家庭像など描けない。というより、描くべきではないと思う。
多様な家族が多様な生き方をして、それぞれの幸せを追求していけばいいことだ。
しかし、そこに「貧困」の問題が絡むと、事は簡単には済まない。「貧困」も各自の選択だから、自己責任で何とかしろと見放してはいられない。
貧困も連鎖を作るから、日本社会全体の問題になるはずで、人ごとではすまされない。
「金があれば幸せだ」とは言わないが、金がないと不自由になり、結果として不幸になる例は多い。日本社会に貧困が広がれば、不幸な人間が増えることになる。
貧困の連鎖を断ち切るための唯一の方法が、子どもを貧困の巻き添えにしないことだと思う。親が貧困であっても、子どもはそれに関係なく教育が受けられ、安定した仕事に就けるようになれば、貧困の連鎖は断ち切ることができる。安定した仕事に就けば「税金」を払う立場になれるから、国力を上げることができる。それができなければ、将来的に「税金」で面倒見なくてはならない人間が増えることになり、国力は下がるだろう。
「自己責任」とか「本人の裁量」とか言って、すべてが個人の責任であるがごとき社会になりつつあるが、親の社会的地位や財産の有無で、生まれたときから格差がある。同じスタートラインに立てていない。初めからハンディを負っている子どもたちが大勢居る。にもかかわらず、個人で勝負しろと言われても、負けは目に見えている。そうなれば、勝負を諦めてしまう子どもも出るだろう。それを本人の責任と言われてはあまりにも酷ではないか。
ぜひ、全国ネットで要求をまとめ、国に働きかけ、貧困の連鎖を断ち切る施策を進めさせたい。
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