「スケベニンゲン」「鼻毛」・・・と「珍地名の歩き方」の見出しに興味をそそられて読んでみた。スケベニンゲンは「スケベニンジン」と読み間違えたが。
埼玉に住む安居さんという方が、国内外100カ所も旅をして、自身のホームページで紹介したり、『世界でもっとも阿呆な旅』という本まで出版したとのこと。
日本語読みにすると、少々エッチだったり、吹き出してしまうような名前の土地ばかりを旅しているのだとのことで、本文には「ヤリキレナイ川」「エロマンガ島」「キンタマーニ」「むかつく(向津具)」などの「珍地名」がならぶ。
珍地名旅行が人々の心を捉えるのはなぜかと、精神科医の香山リカさんに聞いた記事も載っていた。
楽器を作ったり、壁画を描いたりと、人間は昔から、必ずしも生活の役に立つことだけで進化してきたのではない。効率ばかりを重視する今の時代。珍地名旅行は、周囲に「無駄があってもいいんだよ」と気づかせてくれる。
なるほど。さすが精神科医。きっちり学問的な答を述べている。
しかし、珍地名となるとなぜエッチな地名になるのか。それについてのコメントはなかった。無駄に見えるふざけたような珍地名ならば「ハラヘッタ」とか「オオアクビ」「ハナクソ」などというものでも良いのではないか。充分珍地名だと思うが。それがなぜエッチ系の言葉になるのかが疑問だ。
多分、エッチ系の言葉は、通常人前では言わないことになっているからではないのか。ヒソヒソ耳元でささやき、互いが目配せしてニンマリする。そんな言葉が、他国の言語になると、堂々と白日の下で言われているから「えっ?!」ということになり、目に留まる。どちらかというと、男の方がその種の言葉に敏感に反応するようだが。
今は、通常のことでは面白くも何ともなくなってしまったので、ヒソヒソささやかれていたことが、堂々と言われるようになってきた。そして、そうなると、何か隠微な臭いがする言葉ではなく、ただの面白い言葉になってしまったということらしい。良いのか悪いのか分からないが。
この種の言葉では「宝田」を思い出す。日本人は堂々と言っているが、聞いた方が赤面する言葉として。
確か兵庫県の地名だと記憶していたが、ネットで調べたら、その他にも山形県や千葉県にも同名の地があった。宝の田圃という意味だから、日本語としては良い地名だ。たくさんあってもおかしくない。
しかし、これはドイツ人には珍地名に属するらしい。ホーデンとは、男性の睾丸を指す言葉だから。日本人は赤面しないが、ドイツ人は赤面しながら言わねばならぬ言葉のひとつになると聞いた。
この種の言葉は、世界を見渡せばゴマンとあるのだろうが、時間をかけて調べる人は少ないと思う。それを調べてその地にまで行ってしまうというのは、確かに立派な「無駄」と言うことになる。「熱中人」として放映されても良いくらいだ。
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