昨年の暮れに、高校時代の恩師が亡くなった。
父のいなかった私にとっては、父親のような兄貴のような存在の方だった。かといって、卒業後は、進学、就職、結婚、子育てと、自分の毎日を処理していくことで精一杯だったから、離れた地に移ったこともあり、足繁くお邪魔することはなかったが。
往復で5、6時間かかる所にお住まいだったので、通夜や葬儀には行かれなかった。
けじめをつけるには一度伺わねばと、正月になってから出かけた。葬儀とその後の慌ただしさが一段落していたので、顔を知っているお連れ合いから、いろいろ話を聞くことができた。
10年ほど前に、4、5人の同級生達と伺った時には、すでに肺の病気が進行していたため、出歩くことにも支障がある状況だった。「ヘビースモーカーだったから仕方ない。自業自得だよ」と言われていた。
しかし、昨年の夏に同期会をした時には、気候が良くないので参加できないが、気候がよい時に開催すれば行きたい。との話だったから、今年は気候の良い時にすればお会いできるかと思っていた。
亡くなったとの報を聞いた時には、肺炎にでもなられたのかと思っていたが、肺ガンだったとのこと。医者にはずっと掛かっていたのに、医者も本人も家族も気づかず、分かった時点では手遅れになっていたとのこと。母の場合も同様だった。医学が進歩して、検査をすれば分かるようにはなったが、検査をしようと決めるのは医師だから、そこが気を回してくれないと、どうしようもない。
せっかく来たからと、帰りに新しい観光名所になったという「水門」を見に行った。港に津波が押し寄せた時に防ぐための水門だそうで、高さがあるから眺めは素晴らしかった。 観光案内には、港までバスがあると書かれていたから、バスに乗って駅まで行こうと、バス停に向かった。
時刻表を見て驚いた。1時間に1本どころではない。午前中に数本のバスがあるだけで、午後のバスは0なのだ。
港は街から外れているから、少し歩いて街の中に入れば、バスがあるだろうとのんきに構えて、歩き出した。
2、3カ所のバス停を通り過ぎたが、通過時刻の書かれた時刻表はいっこうに表れない。そのうち、町中を流れている川沿いの「プロムナード」に出てしまった。そこには駅名の表示があったので、ネットの観光案内に書かれていたコースの一つだと思いだし、川沿いの道をテクテクと20分以上歩いて、駅に着いた。
観光案内を見るだけでなく、問い合わせをすべきなのかもしれないが、行きは良いよいのような案内は不親切だと感じた。「帰りはバスがないので・・・」と書いてくれる方が親切だと思うのだが。そんなことを書いては、観光客が来なくなるから書けるはずがないか。
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