ストリップ劇場激減を報ずる紙面
性文化のひとつである「ストリップ劇場」が、4年間で、1/3になったという記事を見つけた。
子どもの頃にすんでいた街には、ストリップ劇場があり、その地方では有名なのだと聞いたことがあった。しかし、一度も入ることなく、街を離れてしまった。今は「劇場」跡地は、マンションになっている。
25年くらい昔。職場の親睦旅行で温泉地に行ったとき、男性の同僚達と、一度だけ入ったことがある。「劇場」というより、「小屋」という方が当たっている所だったという記憶だけで、内容については憶えていない。
性教育のツアーで、オランダやアメリカの「劇場」に入ったこともある。日本と違ってしっかりした「劇場」だった。
近頃は、ストリップ劇場についての情報を耳にしたことがなかったので、とっくの昔に無くなっていたのかと思っていた。一度だけ入った、かつての「小屋」の時代でさえ、観客はまばらで、営業が成り立つとは思えなかったから。
しかし、全国に180軒あるとなると、単純に平均すれば、1県3軒ちょいくらいになる。随分珍しい存在で、「性風俗博物館」があれば、今にも入りそうな数ではあるが、しっかり存在していたのだ。
激減した理由が、営業許可の基準が厳しくなったことに加え、従来の「ストリップ」という語源でもある、少しずつ服を脱いでいく様を楽しむことが無くなり、アダルトビデオのような過激な演出が求められ、質が変わってしまったことで、客離れが加速した。ということらしい。
ビデオは、作り物だが、ストリップは実演だから、ビデオのような過激な演出をしたら、飽きてしまうのではないか。刺激だけを求めていたら、どこかで壁にぶち当たり、自滅するしかないと思う。
オランダで見たときは、挿入まで見せていたが、まるで無機質で、器械体操でも見ているような気分になった。まわりの客もシラーっとしていた。後で、同行の男性諸君は「日本とは全く違う」と言っていた。
日本には、日本らしいしっとりしたストリップがあったはず。着物の裾から赤いけ出しをちらっと見せたり、着物を脱いで襦袢になっていく過程を楽しんだり。
そもそも、見えない所がちらっと見えるからワクワクするので、初めから全裸で出てきたのでは、ワクワクの気分もなくなってしまうのではないか。
男の裸で女があまりワクワクしないのは、男の裸を見慣れてしまっていることも、原因のひとつにあるのではないかと思う。
ともあれ、ストリップ劇場がなくなるというのは、日本の性文化が、ますます幅の狭いものになっていくことの象徴のように思う。
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