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僕の独り言
2003.12.26 講談倶楽部
師走も押し迫ったこの日、今年最後の講談倶楽部に今年初めて行ってきた。
日が落ちて寒さが厳しくなった場所は、お江戸両国亭。

○神田紅葉 講談 伊達家の鬼夫婦
抜き読みでポイントを短く読んだ。

○神田春陽 講談 違袖の音吉
久しぶりの春陽君だ。音吉は京子ちゃんで良く聞く。少年音吉の感じが良く出ていた。

○神田阿久鯉 講談
初めて聞く根多で、タイトルはよく分からなかった。連続物なので、また別の機会に聞けるかも。

○神田愛山 講談 涙の北北線
地方営業に行った時の様子を描いた新作。東京圏の電車に乗り慣れてしまうと、ローカル線って面白い乗り物だと再認識した。町おこし事業も色々で、そんな観点で旅先の街を見るのも楽しい。

○神田山吹 講談 優し母の慈愛
本当は義士伝をやりたいところだが、諸先輩に配慮しての根多か。女性演者ならではの優しさが出ている作品だった。来年は新しい根多も増やして、わくわくする高座を期待します。

○神田陽司 講談 テロリスト大石内蔵助
独演会と今回と2回目の出会いとなった作品。蔵助のもう一つの銘々伝とも言える作品だ。自分の妻にと紹介された女性に、討ち入りの件を打ち明ける場面(この読み物の山場)は良い。
タイトルにあるテロリストの意味が今回改めて聞き直したが、よく分からなかった。
年末はこのほかに、神田山吹を聞く会、トンデモ落語の会、釣り落としの会へ行った。寄席見物は師走が押し迫ってからラストスパートだった。
2003.12.23 落語ジャンクション
夏以来の久しぶりの開催となった落語ジャンクションに行ってきた。
場所がいつもの中野芸能小劇場から、下北沢の「劇」小劇場へ変わった。
中野の会場と比べるとやや小さめなキャパに見える。そこへいつものお客さんの数が入ったので、この会場の限界に近い状態で、朝のラッシュ通勤のようだった。

○三遊亭白鳥 落語 三題噺(群馬・三味線・新幹線)
白鳥師は現在池袋演芸場の主任で、毎日お客さんからお題を頂き三題噺をするという無謀な企画を驀進中だ。(笑) 今日も池袋に出演するため、トップでの出演となった。
根多は、21日池袋初日の三題話を再現した。
群馬県の上毛高原に近い温泉場にある小さな演芸場に都落ちした芸人が主人公の噺だ。
なかなか良いストーリーだった。サゲも効いていた。

○林家彦いち 落語 ××中毒(仮称)
彦いち師も池袋に出演中で、三題噺の立会い人をするため、これまた早い上がりとなった。
長渕剛中毒の主人公が、美空ひばり中毒患者や矢沢永吉中毒患者らが、病気を克服しようと集まっている会「断酒会」ならぬ「断詩会」へ入会する。(決して自分を家元と呼び、下々の者から上納金を吸い上げる御方の会ではありません)やがて禁断症状を克服して幸せな結婚をする物語。
彦いち師らしいワイルドな噺だった。

お仲入り

○三遊亭かぬう 落語 買い物依存症(仮称)
ここで前座かぬうさんの登場だ。前の2名が池袋出演の為自分の高座が仲入り後になった事を説明して、ツカミはOK。
ストレス発散の為に買い物をしないと気が済まない女とその彼氏が主人公の噺。今日のかぬうさんは、リキミが無くてゆったり聴けた。

○神田茜 講談 初恋閻魔大王由来
本日のゲストの登場だ。かぬうさんが酌台を持って来て高座に置いたので、山陽さんかなと思ったら、出てきたのは茜さんだった。必殺のボヨヨン張り扇やら花柄のかわいい張り扇等の変わり張り扇を幾つか披露した。それから来正月興行用に練習している新作玉簾を披露(っていうか練習?)して本題の根多にはいった。
新米の閻魔様が、処世術にたくましいオバサンに鍛えられて、立派な閻魔様になり結婚までしてしまうラブコメ。
もう可笑しくてどうしようもない。助けて!

○柳家喬太郎 落語 頓間(とんま)の使者
冒頭のMCで伏線を張っていたとおり、新作の会で古典をやった。
女房お菊にベタ惚れの夫八五郎に、お菊の死を告げようと友人の熊さんが四苦八苦する。
サゲがブラックだ。この噺は初めて聴いた。
本当に古典なのだろうか。終わってから疑問が沸いてきた。マクラで話した山田洋次監督原案・喬太郎作の新作古典なのだろうか。
サゲのブラックさはどう見ても喬太郎風なのだ。

※この根多は山田先生作の「頓間の使者」との情報を頂きました。情報提供有り難うございました。
2003.12.21 冬の怪談 at 板橋美術館
板橋区立美術館の企画「江戸文化シリーズ19『妖と艶(あやかしとつや)』展」のイベントの一つである、一龍斎貞水先生の怪談を聴きに行ってきた。多分企画の「妖」に因んでのイベントだろう。怪談というと夏のものというイメージがあるが、冬の怪談とは楽しみだ。会場は立ち見のお客さんが出るほどの盛況だった。

○一龍斎貞水 講談 真景累ヶ淵
「昔、根津の七軒町に皆川宗悦と申す針医がございまして・・・」とくれば、「真景累ヶ淵」の冒頭の部分だ。そうか皆川宗悦殺しの場は冬か。
SFX釈台と言っても過言でない、怖いライティング効果を発揮する貞水先生特製の酌台と、下座のスタッフによる音響を駆使して、妖しいエンターテイメントの世界を見せていただきました。
こういう講談は楽しくて良い。
2003.11.30 三人寄れば文殊の知恵熱
古今亭、金原亭という従兄弟筋に当たる若手噺家さんの会「三人寄れば文殊の知恵熱」を聴きに、お江戸日本橋亭へ行ってきた。

○お題募集 楽屋一同
仲入り後にある三題噺の為のお題募集を初めに行った。会場のお客さんからのお題募集だ。
選ばれたお客さんには手拭いが貰えるという事なので、沢山のお題が出た。な・な・何と私のお題が、三つの中に抽選で選ばれた。そして偶然にも贔屓にしている古今亭の某師匠の手拭いをゲットした。V(^0^)

○前座代わり 古今亭志ん太 落語 桃太郎
なるほど、最初に上がって三題噺作りに専念する作戦だな。(笑)もうお見通しだ。
さて、根多は真田小僧のようなマセガキが親をオモチャにする噺だ。志ん太さんは子供の演技が良い。

○金原亭小駒 落語 くも駕籠
金原(かねはら)産の馬がブランドだった時代から出た亭号。このことから馬派とも呼ばれる金原亭から、生きのいい小駒さんが登場だ。威勢の良い男が得意のこの根多だった。

お仲入り

○三題噺
抽選により選ばれたお題は、片思いたまごコンピュータウィルス
出演者の三人全てが挑戦だ。
この日トリをとる菊可さんの作品が一番良かったかなぁ。でもサゲが、「片思いだけに君(黄身)が大事です」綺麗すぎ! 

○古今亭菊可 落語 山崎屋
寄席の定席ではなかなか聞けない噺だ。この手の艶噺は好きなので、たっぷり聴けて良かった。

古典派の三人による三題噺が新鮮で良かった。カタカナの題があるし、季節感のある題も無かったので、テーマが狭くならずに自由にできていた。この企画は次回も続けてほしい。
2003.11.21 神田陽司真打昇進披露興行 in 国立演芸場
平日夕方の寄席と言う事もあり、艱難辛苦を乗り越え、万難を排してやって来た国立演芸場。開演時間ギリギリで間に合った。大詰めを迎えた陽司さんの披露興行だ。場所が場所だけに今回がメインイベントなのかも知れない。脚本家の山田太一氏、劇作家・演出家の横内謙介氏、歌人の桝野浩一氏等々披露パーティで祝辞を述べた陽司さん縁の人々も多数来場していた。 舞台では開口一番の紅葉さんが張り扇を1打。始まりだ。

○神田紅葉 講談 五郎政宗
五郎政宗の子供時代の物語だ。時期が時期だけに、マイケルジャクソンの陽司虐待もとい、幼児虐待による逮捕事件が目の前をちらつく。虐待・差別等考えさせる読み物だ。最後に五郎が祖父に切られて瀕死の重症を負うが、皆で祈ったら治ったというのは、安易な結末だ。でも人気のある読み物だ。

○神田紅 講談・踊り 真説桃太郎
芥川龍之介原作の桃太郎。このところ本家紅先生の高座でよく耳にする根多だ。バイオレンスな物語を見事にエンターテイメント性の高い講談に仕上げている。高座を早めに切り上げて、謡曲桃太郎を華麗に舞う。弟子の陽司さんと、そのお客様への餞のようでもあった。

○神田愛山 講談 人生の持ち根多
新作講談だ。いつもの陰々滅々としたものでは無く、就職活動を支援する主人公が、落ちこぼれの若者と出会い、話を聞いてその純粋性に関心し一流企業への就職を叶えるというオメデタイ読み物だった。
今日こそは、「ヨウジ君」を聞けるかと思っていたので残念。でもこの根多は良かった。

○神田松鯉 講談 赤垣源蔵・徳利の別れ
義士伝の季節到来である。マクラの最初を聞いていると、いつもの天野屋利兵衛・雪江茶入れかなと予想していたが、外れてしまった。松鯉先生が演じる源蔵は豪快で酒豪の雰囲気が伝わってくる。

○真打昇進披露口上
一旦幕が下がり、支度を整えてから再び幕が上がる。
幕が下がったので、仲入りと勘違いして席を立ってしまったので、慌てて戻る。
下手から司会の愛山先生、陽司先生、師匠の紅先生、会長の松鯉先生が黒紋付き羽織袴で居並ぶ。いつもと同じ楽しい口上だった。三本締めでお開きとなる。今度は本当にお仲入りとなった。

お仲入り

○神田陽司 講談 川中島の一戦
拍手の中、舞台下手から陽司さんが登場し、高座でお辞儀をした。
「私がトムクルーズと同い年の神田陽司です」ん〜これは外したか・・・
この会では2席を読む。前高座は古典の中から、修羅場読みの多いこの作品だ。古典しかも修羅場を読むということで、きっちりと古典も読むし、新作もできるとのアピールだったのか。陽司さんは自分の会でも意外と修羅場をよく読む。単純に好きだからこの根多だったからなのだろうか。
それは置いといて、私が小学生の時バス遠足で川中島古戦場跡に行った時、バスガイドのお姉さんから聞いた、「三太刀七太刀」の場面が鮮やかに蘇った。

○三増紋之助 曲独楽
膝替わりは、いつも元気で明るい芸が素敵な紋之助さんだ。三代目山陽氏と仲の良いのは今まで良く見てきたので知っていたが、陽司さんとも繋がりがあったのは初めて知った。ガッツポーズの連発だ。最後は京子ちゃんのお手伝いで、感動の「トトロ廻し」だ。拍手。ただ「トトロ廻し」ファンとしては、「となりのトトロ」の曲が出るタイミングが早かったのが残念だった。独楽を回して、糸に乗せてトトロを被せてトトロが回りだした瞬間に鳴り出すと、大変感動的なんですよ。音声さん(前座さんかな?)今度は宜しくです。

○神田陽司 講談 坂本竜馬レボリューション〜虹を呼ぶ竜馬
陽司さんの後高座であり、今日のとりでもある。
やはり舞台下手から今度は、くるくると、お約束どおり回りながらやってくる。
この根多は陽司さんの竜馬シリーズ第2作目だったと思う。40分を超える長講一席を、たっぷりと楽しんだ。最後まで飽きさすところも無く、集中して聴けた。薩長同盟を結ばさせる場面の、感動的な台詞といい、釈台を持ち上げる演出といい、すばらしい高座だった。これにワンピースのような涙が加わる作品が出来上がるのは、もう直ぐと見た。
これからも期待しつつ高座を聴きに行こう。
2003.11.02 古謝美佐子ソロコンサート 「童神の世界」
今回も寄席感想の間をぬって、コンサートの感想の様なものを書きました。

大阪リサイタルホールにやって来た。東京のコンサートに行けなかった為、この連休を利用しての大阪出陣となった分けである。
開演時間5分を過ぎた頃場内の照明が次第に暗くなり、ステージに明かりが当たる。演奏者たちが位置につく。沖縄の子守歌、関東の子守歌(ねんねんころりよおころりよ・・)、童神の一部が、最小限に抑えられた伴奏で、古謝美佐子さんは話するように淡々と、しみじみと唄われた。本当に子供に聴かせている様でもあった。
静かな幕開けだった。

ステージの上は上手奥に、弦楽四重奏の女性達が居る。下手前面には、キーボード、司会、通訳担当でありご主人でもある佐原氏、中央に紫色にコーディネートした紅型とカカンに、ロングヘアをカンブーに結った姿の古謝美佐子さんだ。
美佐子さんの三線をフィーチャーして、サーサー節、ナークニー、かいされと古典の曲が続く。沖縄特有のシャッフルのリズムを刻む美佐子さんの三線に、ストリングスの三連音が絡み合って不思議な世界が作られた。
佐原氏曰く、美佐子さんは自由に唄い、そして奏でる(民謡なので、決まった楽譜や規則が有る分けでは無いので)。伴奏としてついて行くのが大変な時がある。
美佐子さん曰く、今日の弦楽の人たちとは何回か演奏しているので、融通がきく。融通がきかなかったのは、坂本龍一プロジェクトで唄っていた時だった。
唄い出しのタイミングを坂本教授自らキュー出ししたとの事だ。確かにシークェンサやコンピュータを多用する音楽では融通はきかない。それにしても坂本教授ご本人にキュー出しをさせた美佐子さんはスゴイ!
曲目は、アイルランド民謡「ポメロイの山」、唯一のヤマトグチの曲「黒い雨」と続いていった。黒い雨は悲しい唄だ。戦争の悲惨さを訴える美佐子さんの気持ちが伝わってきたた。
第二部二入る。美佐子さんは洋風の衣装に着替えて登場。佐原氏の堅いのか柔らかいのかよく分からない不思議な魅力のある司会・解説と、古謝美佐子さんの魂に響く唄は更に続く。途中生声、生三線で2曲の演奏があった。話芸も音楽も、PAを使わない方が多くのものが、本当のものが伝わってくる気がする。良い唄だった。
第三部はリクエストコーナー。まさか美佐子さんの「涙そうそう」が聴けるとは思わなかった。初めて唄ったとの事だ。しっかりと古謝美佐子さんの涙そうそうになっていた。
最後は「家路」。この曲は、私の小学校時代の下校の音楽で使われてしたので、母が待つ家路を急ぐ子供たち詩と小学校時代の自分が重なって、懐かしさが込み上げてきた唄だった。

終わってみれば何と3時間半の長丁場であったが、それほどの時間は感じなかった。
今日の唄会で古謝美佐子の新たな魅力を発見できた。彼女の唄会にはまた行かなければならないだろう。
2003.10.27 三遊亭円丈独演会 落語21番外編
池袋演芸場にやってきた。
開場の30分も前に到着したのに、既にお客さんが20名程並んでいる。開演直前にはほぼ満席となったこの会。私にとっては久しぶりの円丈師匠の独演会だ。楽しみはもう一つ。ゲストがあやめ女王様なのだ。

○三遊亭小田原丈・かぬう MC
何と、小田原丈さんは白のタキシード姿で登場だ。この会では高座には上らず、司会に徹していた。ご苦労さまでした。

○三遊亭天どん 落語 追悼CD(仮称)
ロックスターの主人公が消息不明になり、死亡説が流れた為、プロダクションでは死亡プロジェクトが立ち上がり、未発表CD、ベスト版や、映像の発売と余念がない。そこへひょっこり主人公のロックスターが現れた・・・
今回の根多はサゲがもう少しかな。

○三遊亭白鳥 落語 シンデレラ(仮称)
白鳥師の新作処女作との事。幾つかの童話をつなぎ合わせたアイデアは面白い。この作品の口演にGOを出した円丈師匠の完成もすばらしい。

○三遊亭円丈 落語 マタギの里
CDのライブレコーディングが有ると知らされた。客席前の左右にマイクが置かれていた。
さて根多は、山奥のマタギの里に、噺家が現れ、・・・
それから、宇宙初の試みである、合唱オチ。お客さん全員で連取しました。

仲入り

○円丈、あやめ、白鳥、小田原丈 座談会  円丈師匠のマニフェスト宣言
円丈が何を宣言するのか意見を交換する。円生を襲名するとか、狛犬から足を洗う等意見がでた。ここで円丈師が登場してマニフェスト宣言が発表された。
そうなのか・・・・

○桂あやめ 落語 30代の合コン(仮称)
今この時間に寄席に人がいるなんて、大阪では考えられない。(今の時間帯は、日本シリーズ最終戦の真っ最中)今年の阪神ファン根多をマクラに、本編に入った。
30代に突入した女友達3人組が、25歳位の男の子と合コンをする事になった。自分たちは28歳と言うことにして、綿密な合コン作戦を立て、さぁ本番・・・
年齢をごまかすテクニック
その1:宇多田ヒカルの話題で、お母さんは藤桂子だと言わない。
その2:ノンスリーブを着たら、肩を隠す。疱瘡(天然痘)予防接種の痕があるのは30代以上(日本では1976年以降定期予防接種は行われていない。)
等々。私の近くにいる30代とおぼしき女性のお客さんは、フムフムと感心していた。
女性の柔らかい大阪弁が素敵だった。

○三遊亭円丈 落語 私犬
飲み屋で悪酔いして絡んで店を追い出された主人公が、人一人がやっと通れる、ビルとビルの間で野良犬を見つける。この犬が自分に似ている事に気付くが・・・
交通事故で不慮の死を遂げた、三代目ロッキーの事を思い出して少しウルルン。

会場の出口で、押捺したマニフェスト宣言が書かれた紙を貰った。
どうやら本気らしい。
2003.10.23 新宿末廣亭 定席
新宿に来た。雨だ。何故か新宿に来る日は雨の日が多い。
末廣亭に着いた。はとバスツアーのお客さんでも入っているのか、平日なのに二階席が開く盛況。
昼の部の仲入り後から、夜の部の仲入りまでの高座をセレクトしてみた。

○柳家権太楼 落語 代書屋
権太楼師匠と言えばこの根多が先ず浮かぶ。定席の高座ではお馴染みの根多だ。何回も聴いて、クスグリ所は分かってしまっているのに、何時も笑ってしまう。主人公のヒデのボケぶりと代書屋のツッコミのバランスが最高。

○川柳川柳 落語 テレビジョン(仮称)
東京の戦後復興の過程を語る。復興の原動力となったのはテレビジョンと番組であるプロレスだ。笑いとペーソスのある漫談だった。 軍歌は歌わず。

○柳家さん喬 落語 蕎麦清
さん喬師匠の清さんは、「どうも〜」という挨拶が特徴だ。人を食ったようにも感じ、清さんの性格が現れている台詞だ。
噺の途中で、サゲの伏線になる重要な場面である、蛇が野草を食べると消化していく場面を執拗に解説するのは、粋では無い。このサゲは考えオチなので、すぐに理解できなかったとしてもそれはそれで良いと思う。

○金原亭伯楽 落語 火焔太鼓
伯楽師匠は久しぶりに聴いた。道具やの主人が三百両受け取ってから、最後までが少し淡白な気もした。

○五街道雲助 落語 たらちね
前座さんや、芸歴の浅い噺家さんがやることの多い根多だ。この師匠がやると、見事な「たらちね言葉」が芝居かかっていて、可笑しい。

○三遊亭歌之介 落語 坂本竜馬(仮称)
坂本竜馬の人と成りを織りまぜた漫談。この師匠の根多では漫談が一番好きだ。鈴本で主任を行った高座を聴いたが、こと時も漫談。大爆笑だった。今日もドカンと受けた。ギャグのセンスが良い。

○林家こぶ平 落語 鼠穴
歌之介師匠のバカウケで場内が未だ騒めいている中、仲トリのこぶ平師匠が高座に上る。「同じような漫談ではかぶるな。どうするのだろう」と思っていると、お辞儀をした師匠はいきなり、
「江戸の時代はと申しますと、夢は五臓の疲れと申しまして・・・・」この噺のマクラに入った。突然だったのと、意外な根多だったので大変驚いた。師匠は愛想笑いも無しに、淡々とマクラを進める。騒めいていた客席は次第に静かになっていく。師匠の気合を感じた。
古典噺は、唸る程の上手さの域には未だ達していないが、三平ではなく、正蔵を襲名すと決まってから、彼は少しずつ変化している。
○2003.10.18 コメディ劇 3人でシェイクスピア
アメリカ生まれのコメディ劇の日本版。今年の5月から変則ロングランを行って来て、今日が一応の千秋楽。(といっても来年2月からまた始まるそうですが(笑))
実は今回2回の体験だった。先月の公演を観て、面白かったので今回リピートした分けである。
会場は、新宿プーク人形劇場(最近何故か来る事が多くなった)。
俳優は、劇団鳥獣戯画の知念正文、石丸有里子+客演が赤星昇一郎という個性的な3名。
内容は、3人の俳優で、約90分の上演時間内で、シェイクスピア劇全47作品を上演するという実に無謀な芝居だ。ロミオとジュリエットから始まる。ラップ風有り、料理番組風有り、アメフト風有り、ワークショップ風有りと何でも有りルールで芝居は進んで行く。最後はハムレットだった。赤星氏のスキンヘッドに口髭の容貌で演ずる女性役。お客を軽妙にいじる技。このキャラクタが重要なポイントに感じた。彼の役を別の人が行ったらこれほど可笑しい芝居には成らなかっただろう。
この芝居を10回観ると、「モモちゃん」と呼ばれる名誉会員になれ、11回目以降は只で観られるとの事。来年度の公演に私は行く事になるのだろうか・・・
2003.10.13 横浜にぎわい座有名会
久しぶりに横浜にぎわい座にやってきた。
落語協会、落語芸術協会共同開催の定席なので、普段の寄席では見られない顔ぶれに出会えるので、楽しみな寄席だ。
開演直後くらいから大雨らしく、上る演者さんが皆「すごい雨です」と言っていた。

○三笑亭可女次(かめじ) 落語 つる
開口一番は可女次さん。女性名のようにも見えるが、クリクリ坊主頭の男性だった。
根多はツーッと来てルと止まる噺だった。

○柳家喬之進 落語 幇間腹
10月から二ツ目に昇進した喬之進さんの登場。羽織を脱ぐタイミングが難しい。家での落語の稽古は、羽織を脱ぐ練習になってしまうとのこと。
声が大きく、聞き易い江戸弁が良かった。

○若倉健 漫談
何時もこの方の漫談ではあまり笑わないが、今日は何故か可笑しくて笑ってしまった。根多は毎回殆ど変わらないのに、なぜだろう。

○古今亭寿輔 落語 ラーメン屋
何時ものド派手なピンク系の着物で登場した。私の前の席にいたおカアさん達は、師匠独特の着物を初めて目にしたと見えて、涙を流して笑っていた。そのお客さんを師匠がいじるので、そのお客さんはヒキツケ起こしたように笑っていた。掴みはOKとなり、根多に入った。
寿輔師匠と言えばこの根多だ。柳家金語楼作の人情噺「ラーメン屋」。
さっきまで笑っていたお客さんが今度は、目をうるうるさせている。
今日の「ラーメン屋」は良かった。

お仲入り

○三遊亭圓丸 落語 目黒のさんま
秋の代表噺と言えば、この根多だろう。さんまを焼き、殿様が旨そうに食べる場面は本当に美味そうだた。

○ロケット団 漫才
若手2人組の漫才だった。若手の漫才師の多くは笑いのターゲットが狭く、学生狙いの場合が多い。このコンビはオジさん・オバサンでも笑える根多をやったので、結構面白かった。最後にやった、一刻堂?氏がやる芸で、腹話術で口の動きから遅れて声が出る芸を披露。なかなか上手かった。

○柳家さん喬 落語 井戸の茶碗
今日の目当てでもある、さん喬師が最後に登場だ。
電車の中で化粧する女の子達の事をマクラにして、根多は何だろうと思っていたら、この根多。そう言えばさん喬師がNHKの日本の話芸に出演した時のマクラは、コンビニとかファミレス等でのマニュアルどおりの接客言葉に嘆くものだった。さん喬師は最近の若者文化?に拘っているようである。
師匠は当たり柔らかなセリフ回しなので、正直者の屑屋が良かった。

寄席がはねた時には既に雨は上がっており、青空が顔を出していた。
2003.10.12 本牧亭講談定席 神田陽司真打昇進披露興行
神田陽司さんの披露興行初日に行ってきた。混雑が予想されたので、良い席が確保出来る様に1時間前には本牧亭に着いていた。陽司さんも既に来ていましたね。
さて様子は・・・

○神田紅葉 講談 真田幸村大阪出陣
最初は紅葉さん。
修羅場読みの部分が多い読み物だ。修羅場の勉強には良い作品だ。頑張って下さい。

○神田きらり 講談 谷風の情け相撲
高座に座るやいなや、右手のスナップを効かせた強烈な張り扇から入る。彼女は力強い読み方が特徴なので、この根多は合っている。楽しんで聞けた。

○神田京子 講談 わんぱく竹千代
今日は披露興行なので、おめでたい根多が続く。京子ちゃんは得意のこの根多。京子ちゃんの明るい元気な声は、男の子の声にぴったりだ。越の海等も良い。

○神田山吹 講談 聖女ジャンヌ・ダルクの働き
山吹さんの登場だ。最近多く読む様になった根多だ。彼女は京子ちゃんとは逆に、女の子の声が合う。レ・ミゼラブル等も良い。TVのレギュラーを卒業したので、その分本業に力を入れて、新しい根多をどんどん聴かせてほしい。

○神田紫 講談 大国屋の女房
紫先生の登場だ。夏の新宿でのアロハ・マンダラーズのムームー姿が思い出された。
今回の根多は初めてだった。陽司さんと故郷が近いとのこと。血液型も同じらしい。紫先生に憧れて入門した男は修行半ばで挫折するらしい。
へ〜、へ〜、へ〜。神田内トリビアの泉でした。

○神田陽子 講談 勘助島の由来
大阪が舞台。貧乏だが物知りで、正直者の勘助という男が大店の娘に見初められ、結婚をして千両をゲットする。この金で公共事業である堤防(島)を作り、地名にまでなって名を残した人の話だ。今の世の中は正直者は馬鹿を見る世の中になってしまった。昔は良かったな。

○神田松鯉 講談 天野屋利兵衛〜雪江茶入れ
義士外伝の中では良く聞く根多だ。天野屋利兵衛の前半部分の雪江茶入れを時間までたっぷりと聞いた。

仲入り

○披露口上
黒紋付き姿の4人が狭い高座に1列の並び、肩で押し合う様な格好で座る。上座方向から会長の松鯉先生、師匠の紅先生、新真打の陽司先生、そして司会の愛山先生。おめでたい席なので、楽しい内容の口上が続き、三本締めで締めた。

○神田愛山 講談 陽司と靴下
陽司さんの入門当時の様子を根多にしたもの。秀作は陽司さんの前座時代の貧困生活を描いた「ヨウジ君」があるが、その根多の一部に新たな根多を加えたマイナーバージョン。どこまでが真実で、どこまでが根多なのか分からないが、陽司さんならやりかねないと思わせる、楽しい根多だった。先輩からのいい御祝儀根多だったのではないか。

○神田紅 講談 真説桃太郎
ヒザを師匠の紅先生が行った。芥川龍之介原作の問題作。紅先生の声も少年の声が合うので、この作品はぴったりだ。唄あり、踊りありでヒザ替わりの任に徹した紅先生の師匠としての想いとプロの技を見させていただけた高座だった。

○神田陽司 講談 坂本龍馬と勝海舟
楽屋口で師匠と一言二言会話をしてから高座に上がった。顔に緊張の文字がくっきりと見える。(笑)マクラで、真打披露パーティの様子を紹介してから竜馬のマクラに移り、根根多にはいった。マクラの途中から落ち着いてきたようだった。
今回の読み物は何回も聞いている根多だ。しっかりとした内容、構成で本が書かれていて良い新作だ。今日は勝海舟との出会いの場面の作品だったが、この続きは国立演芸場での披露興行でやるそうだ。
それもまた楽しみだ。
2003.10.04 古謝美佐子・夏川りみジョイントコンサート
演芸根多では無いが、今非常にこだわって聞いているので、記録として残しておくことにした。
東海道線で名古屋から25分。穂積についた。(瑞穂市で駅名が穂積なので間違えやすい)
駅前の商店等の数は少なく閑静な町だ。4時半に会場へ到着する。既に多くのお客さんでロビーは満員だった。

5時に緞帳が上がる。佐原一哉氏のキーボードでイントロが流れる。「赤田首里殿内(アカタスンドゥンチ)」だ。上手からりみちゃんが歌いながら登場。上着が赤と青の花模様の紅型(びんがた)、下はカカンという白の巻きスカート。沖縄女性の正装姿だ。2コーラス目を下手から美佐子さんが歌いながら、お揃いの正装姿で登場だ。髪形は頭頂に三角錐に高いアップにする結髪のカンブー。「あ〜、うちなんぬ ゐなぐさ」という感じだ。綺麗でもあり神秘的でもあった。
りみちゃんは若々しくて透明な声に好感が持てる。それ以上に美佐子さんの声はなんてすばらしいんだろう。ハスキーな低音から張りのある中音、透き通る高音。CDの声より全然すばらしい。寄席もそうだが、やはりライブが良い。
1曲目に続いて2曲目はアメージング・グレース。うちなーぐちで歌った。魂に響く歌だった。感動で目頭が・・・

何曲か二人で歌い、美佐子さんのソロ舞台。りみちゃんのソロ舞台と続き、最後はまた二人でジョイントという構成だった。途中、PAをOFFにして、生三線・生声だけの曲があった。千人以上も入るこの大きなホールだが、隅まで声が届いている。僕は2階席の隅だったので間違いない。はっきりと聞こえる生声と三線の音。とっても良かった。温かい気持ちになれる。
美佐子さんは今日も歌った「ナークーニー」、「かいされ」等の古典も良いが、ご自身で作詩したオリジナル曲が一番良い。気持ちの入り方が違うように思う。
オリジナルの中でも珍しいやまとぐち作品の黒い雨を歌った後、「今世界で起きている沢山の悲惨な事件。最初に犠牲になるのは子供たち。この子供達を見るのは心が痛い。私は歌手だから平和の為に魂込めて歌います。歌い続けます。」といった内容を切々と訴えてた。彼女の優しさ・強さにに感動する。別次元にいる人の様にも見えた。年齢を経た沖縄人は(といっても美佐子さんは未だ40代だが・・)、神と通じる様になると聞いている。今その意味がわかったような気がする。
この後、童神、天架ける橋を歌う。もう涙そうそう状態。コンサートは進み安里屋ユンタあたりからテンションが上がり、最後は千人による大カチャーシー(沖縄の踊り)大会となった。
アンコールは芭蕉布で始まり、又静かな曲に戻り、静かに終わった。
コンサート終了後、握手をしてもらい、少しだけ幸せのパワーを分けてもらった。
是非またコンサートへ出掛けてみたい。
2003.10.04 大須演芸場 定席
3年ぶりに大須演芸場にやってきた。きっと名古屋の濃い芸が見られるでしょう。
11時の初回を観ることにする。
お客さん7人、出演者7人という構成!?

○多嶋ゆきお マジック
最初はマジック。根多ばればれのマジックだった。それが家族連れで見に来ていた女の子の受けていて、多嶋さんうれしそう。

○雷門獅篭 落語 源平合戦
今回のお目当て早くも登場です。
あの志加吾さんが大須演芸場で生息しているという噂を、T川流の某噺家さんから聞き、今日様子を見に来たのです。
紫の着物に縞の袴。パータ&茶髪をポニーテールにして登場だ。
最初に前列のお客さんの似顔絵を書いてから、根多に入る。
途中の修羅場読みもなかなか良かった。口癖が元の師匠にそっくりなのが面白い。
元気でやっているようで何よりだ。10月31日は立川流の若手数名を迎えて大須演芸場で落語会をやるようだ。
元気でがんばってほしい。

○大東両 紙切り
プログラムには浪曲漫談と出ていたが、紙切りだった。
最初に佐渡おけさの女性を切る。なかなか上手だ。次にお客さんのリクエストで小泉首相を切る。ん〜〜ん

○柳家小三亀松 日比純子 粋曲
おしゃべりの間に都々逸を2曲。もっと都々逸を聞かせてほしかったな。
日比さんは踊りと唄。
最後にクイズをやって僕が当てて、師匠のCDをいただいた。非買品だし、レア物ゲットだ。

○伊藤かおる 名古屋弁漫談
1曲歌ってから漫談に入る。名古屋弁だ。内容もローカルだ。こういう芸はなかなか東京では見られない。
濃いなぁ

○三遊亭歌笑 落語 うどん屋
江戸前落語だ。季節は少し早いがこの根多だった。飲んだり食べたりする仕種が受けていた。

2時間の公演が終わったのは1時。家族連れ3人組は大変に満足していたようだ。
名古屋色が濃い、ほのぼのとした寄席だった。3年前と変わっていない。
一時存続の危機があったがそれを乗り越えて現在に至ってる。これからも続いてほしい。
路地を抜けて、大通りで味噌煮込みうどんを食べて大須の旅は終わった。
これから岐阜の瑞穂市へと向かう。
03.09.23 神田鯉風、神田陽司 真打昇進披露パーティ
秋分の日の今日、日本講談協会の神田鯉風、神田陽司両先生の真打昇進披露パーティが行われた。
場所は大手町パレスホテル。お祝いに駆けつけた多くのお客さんで会場は満員御礼だった。

落語芸術協会、講談協会や立川流等、各界から来賓として芸人さんがいらしていた。僕は殆どミーハー状態と化していた。

印象的たっだのは、陽司さん側ゲストに作家の先生が多い事だ。
そしてみなさんのスピーチの素晴らしさに感動した。話芸の師匠方々が多く集まっているこの場面で、少しの遜色もなく、ユーモアに溢れたスピーチばかりだ。
そんな中で、本牧亭の女将さんの「鯉風さん、陽司さん、おめでとうございます」と言うスピーチ。何と簡潔で、一輪挿しのようなワンポイントながらインパクトのあるスピーチだろう。これにも感動した。
今日はスピーチに感動したという報告で、読み終わりといたします。
03.08.30 神田山吹独演会
地元埼玉では、浦和で月1回ペースで会を開いていますが、都内の寄席では、久しぶりの独演会だ。

○神田京子 講談 腕白竹千代
「久しぶりにお姉さんの会に出させていただいたので頑張ります」と元気いっぱいの京子ちゃん。根多は今の京子ちゃんにぴったりの「腕白竹千代」。持ち時間の関係もあったのか、多少ハイペースぎみだったが、かえって勢いがあり良かった。また腕を上げた感じだ。

○神田山吹 講談 聖女ジャンヌ・ダルク
この読み物は以前、タキシード姿の立ち高座で聞いてから、2回目の出会いとなった。
生まれつき霊感が強いことで、最後は魔女裁判にかけられて処刑された女性の物語。
漫画ベルばらの時代が舞台となっている。強い女性というイメージを何となく抱いていたが、山吹ちゃんは、彼女の繊細さ、か弱さを描いていた。
2代目神田山陽先生作品だが、師匠はどのように演じたのだろうか、今はもう聞けないだけに興味は残る。

○どっと・ 漫才
若い男子二人組の漫才だ。若者感覚の導入部ではじまり、古典的なオチへ持っていった。 年配のお客さんも多かったので、地味めなオチが良かったのかもしれないが、個人的にはもっと弾けてほしかった気もする。別の根多も聞いてみたい。

○神田山吹 講談 幡随院長兵衛 
「俺は男だぁ!!」系の男臭い、力強い講談が特徴の松鯉一門にあって、そうでは無い系の講談を読む山吹ちゃんですが、今回は男臭い作品に挑んだ。
根多は「幡随院長兵衛」この連続物の中から、最初の物語である長兵衛誕生の巻き。松鯉先生直伝の読み物だ。松鯉先生の味と山吹ちゃんの色が、どこでどう折り合いを付けて芸が熟して行くのか今後が楽しみだ。
03.05.26 神田陽司独演会
今回も満員御礼となった神田陽司さんの独演会の様子を紹介します。

○神田紅葉 講談 越の海
「陽司兄さんの妹の紅葉です。何か問題あります?」と定番のつかみで始まった。
紅葉さんでは初めて聞く。この後上る京子ちゃんの前座初期の頃良く聞いた根多。かわいらしい越の海の印象が残る。陽司さんも時々かける根多だが、女性演者の方がやりやすい読み物ではないかと思う。

○神田京子 
メモを失くしました。京子ちゃん、みなさん ごめんなさい

○神田陽司 講談 腕白竹千代
三代将軍をめぐって起こる、兄派と弟派の派閥争い。そんな中であってもリタイヤした家康の眼力素晴らしく、跡取りを決める読み物。子供二人の演じ分けが難しい作品だ。家康の人としての深さ

お仲入り

○宮田 陽・昇 漫才
ダークスーツ姿の若い男性コンビの登場だ。寄席ではお目にかかった事は無いコンビだ。ライブ中心に活動しているのだろうか。
ボケがいい感じだ。

○神田陽司 講談 チャールズ・チャップリン
ご存じ喜劇王チャップリンの人と成りを、波瀾万丈風に纏めたもの。陽司さんの新作の特徴としては、新古典(現代の人物や出来事を過去に時代設定を変えて表したもの)と今回のように伝記ものが多く作られている。数多い伝記ものの中でも良いできだった。特に母親との関係にスポットをあてた所が、既成の伝記ものとの違いかもしれない。
映画「独裁者」の最後の演説の場面の再現は良い演出だったと思う。
2002.04.18 講談倶楽部
サブタイトル「神田陽司真打昇進試験」と題する企画。
久しぶりの平日午後の釈場となった日本橋亭へ行ってきた。
土日休日は休みで中々食べる機会のない日本橋の印度カレー屋で昼食を済ませて日本橋亭へ入る。畳み席は僕だけだ。貸し切り状態(笑)
今日の観どころ、聞きどころは、愛山先生の「め組の喧嘩」とそのパロディである陽司さんの新作講談「へ組の喧嘩」の聞き比べ。どんな内容かな・・

○神田紅葉  講談 鉢木〜源左衛門駆けつけ
新人の登竜門的読み物の一つ。最近聞く機会の多いこの根多だ。力みすぎなのか声が裏返る。力を抜いて読めるようになれば、聞く方も安心して聞ける。大変良く眠れました(嘘)

○神田春陽  講談 
春陽君の高座姿は久々だ。古典の技に磨きがかかっている。

○神田山吹  講談 やさしい母の慈愛
久々の根多。
実家に引っ越したこと、母の日のプレゼントを、久しぶり送ろうかと考えているというマクラからこの根多に入る。
この根多は神田では山吹さんしかやらないので、2代目山陽先生の根多では無いのかもしれない。翠月先生にもらったのかも。

○神田愛山  講談 め組の喧嘩
め組4人衆と、お相撲さんとのいざこざを描いた任侠作品?
武芸物、白波物等々講談読み物のジャンルの一つにもなっている任侠もの。
愛山先生演ずる任侠物、白波ものに出てくるキレ易い男たちは、実に軽薄で良い。
今風に表現すれば、DQNな男達か。

○神田陽司  講談 へ組の喧嘩
マイクが2本あることに気づく。今日の高座は放送局だかレコード会社だかのライブ録音をしているそうだ。真打昇進へのドキュメンタリ作成かも。
独演会での初演を聞いて以来2回目だ。影間茶屋(ゲイバー)とゲイ達の物語のため、中々口演する機会に恵まれなかったようだ。今回は平日午後の講談会ということもあり読むことにしたそうだ。
この作品は録音しても公に再生できるのかビミョーな内容だ。
勧善懲悪の中に笑いとペーソスがあって中々面白い作品だ。お蔵入りは勿体ないので、また口演してほしい。

お仲入り

○神田阿久鯉 講談 天明白波伝〜
天明・・・の中では、残酷な場面は無く、ラブロマンス風に描かれていて、わりと好きな作品だ。
阿久鯉さんの得意根多なのだろうか、この連続物の「天明白波伝」。
しかし彼女の描く天明・・・に出てくる悪の男たちは怖すぎ。もすこし優しくてはだめですか。

○神田昌味  講談 中江兆民
僕の中では昌美さんと言えばこの根多がまず浮かび上がる。トリ根多とのこともあり、45分の長講だった。普段は省略されることの多い新しい新聞社の社説を書くまでくだりをたっぷりと読んだ。未だ新婚気分が残り、やる気満々といった高座だった。
2003.03.22 講談革命ヨウジR
1月に続いて今年2回目の神田陽司さんの独演会へ行ってきた。ゲストが陽司さんの師匠の紅さんということもあり、そのお客さんも多数来ていた。超満員状態、酸素欠乏状態の日本橋亭の幕が開いた。

○神田紅葉 講談 母里太兵衛と日本号の由来
紅さんの得意根多。おめでたい席というとこの根多をかけることが多い。
弟子の紅葉さんもこの根多をよく読むようだ。
マクラで「陽司兄さんの妹の紅葉でございます。」とつかみ根多を加えた所が一つ成長したところだ。

○快楽亭ブラ房 落語 短命
この独演会の翌日が、ブラ房さんの二ツ目昇進試験だそうだ。今高座をやっている場合じゃないのが本音ではないだろうか。
根多は僕の好きな艶物根多から「短命」。美人を女房にすると短命だと説明するが、話相手が鈍くて、なかなか伝わらない様が面白い噺。よく演出できていた。
彼の落語の実力は十分に二ツ目なのだけれど、昇進試験はどうだったのだろうかと、これを書いている今気になっている。

○神田陽司 講談 鉢木
プロの講談師になって初めにならう読み物が「修羅場読み」を基調とする「三方ヶ原」とする人が多いですが、山陽一門では、今日の根多である「鉢木」とのこと。前半部分の相手の武士度(そんな言葉はないけど)を量る、一夜の出来事、後半の源左衛門駆けつけの修羅場読みの2部構成。いかにも講談といった作品だが、今の時代では理解を超えた表現と内容のため、意味不明で寝ていた人もあちらこちら。
しかし今日初めて講談を聞いたという近くにすわっていた女性は感激していた。

○神田紅 講談 真説桃太郎
芥川龍之介原作の「桃太郎」を紅さんが脚色した作品。この作品と出会って講談師を決意したと陽司さんは言ってた、曰くのある作品。今の言葉で演じられ、エンターティナー性も高く、はじめて聞いた人でもよく分かる作品だったため、多くの人が満足したのではないでしょうか。
最後は端唄「桃太郎」を踊り、見事に膝を演じきった陽司さんの師匠紅先生は、立派だった。

○神田陽司 講談 坂本龍馬〜薩長同盟
トリは彼の新作講談「坂本竜馬」から第3部「薩長同盟」出来立てほやほやを披露しからかなりハイテンションなまま走り出した。大丈夫かと最初ひやひやしたが、途中から平常に戻り安心して、根多に入り込めた。見せ場は薩摩・長州を竜馬が説得する場面だ。
釈台を両手で持ち上げての大熱演だった。

1時間に及ぶ長講だったが、あっと言う間に終わった感じだ。
9月の死ぬ地昇進披露に向けて5月、7月と精力的に独演会を開催する要諦の陽司さん。気力体力が充実している時なのだろう。次回を楽しみに待つことにする。
2002.03.15 本牧亭土曜会
2カ月ぶりに本牧亭に行った。今夜は土曜会。日本料理を味わいながら講談を1席聞く会。今夜は神田山吹さんの高座だった。

○神田山吹 講談 千葉道場恋物語
19時を少し回った頃、山吹さんが高座に上った。今回は私のリクエストに応えて、この読みのもだった。この根多は山吹さんが二ツ目昇進時に、兄弟子である三代目神田山陽(当時北陽)氏から、彼が書いたこの新作をお祝いとしてプレゼントされたものだ。当時1回聞いただけで、幻の作品になるかと思っていたので、今回再び聞くことができて良かった。
この読み物は、もしも幕末時代にフーテンの寅さんがいたら・・・といった内容の物語だ。ラブコメタッチで描かれた作品で、女将さんやお客さんにもなかなか評判が良かった。これからも別の席でどんどん読んで貰いたい作品である。

終演後は、山吹さんとご常連のお客さんと、お酒を頂きつつ、旬の料理を味わいながら、夜更けまで話に花が咲き、久々にくつろげた日となった。
2003.02.01 本牧亭土曜講談会
私にとって本年初となる土曜講談会に行ってきた。
講談一席を聴きながら、日本料理を味わう会。別名講談ディナーショーとも呼ばれている会だ。
開演の1時間前に黒門町本牧亭へ到着した。
寒かったので最初から熱燗を飲みながら、冬の味ブリ大根と春の味竹の子煮を頂く。
日本酒にぴったりのお味で、美味しゅうございました。(料理記者歴0年)
日本料理を頂く時は季節感が味わえて非常にうれしい。毎週来たいが、懐具合はそうもいかない。
開演直前に、円歌師匠が突然やってきた。一般のお客さんは「あっ山のアナの落語家だ」くらいの感覚で親しそうに見ていたが、寄席ファンの座っているテーブルの界隈だけは非常に緊張した空気が流れていた。が、高座が始まる前にお帰りになりました。
その時の一言、「川柳川柳です」に、寄席ファンのお客さんは大爆笑。

さて今回の出演者は神田山吹さん。内容は・・・

○神田山吹 講談 山ノ内一豊〜出世の馬揃い
近況報告をマクラにこの読み物に入った。何回か聞いている根多だが、部分的に今までと異なる色(演出)があった。それは松鯉先生の色に感じたので終演後聞いてみると、やはり松鯉先生に稽古を付けて貰ったとの事。
高座が始まっても、講談のお客さんでは無い普通のお客さんは、仲間同士のおしゃべりに夢中だ。気が散って集中できない。
土曜の夜は、講談のお客専用の部屋なったらなぁとつくづく思う。

終演後は、フグの皮をポン酢で頂き、熱燗を飲み、ご常連の皆様と歓談しつつ土曜の夜は更けていったのだった。
2003.01.25 紙芝居「猫三味線」通し上演
全56巻600枚、紙芝居の大作「猫三味線」の通し上演を觀に、四ツ谷石響にやって来た。
会場時間ちょうどに着いたので、真ん中の比較的良い席がとれた。
隣が偶然にも唐沢俊一先生だったので、最初は緊張しつつも次第に内容にのめり込んでしまい、緊張感は何処かへ行ってしまった。

丸の内線が遅れているとの情報から15分程開演時間を延ばしたようだ。
客席の外から、紙芝居弁士の梅田桂声さんが、拍子木を鳴らしながら入ってきた。時代劇に見る江戸時代の瓦版屋のような姿で登場する。

舞台にはA3サイズほどの絵が木枠の中から見える。これでは小さいので奥のお客さんにも見えるように、TVカメラで絵を撮り、それをプロジェクタで映し出す仕組みを採用している。この為、絵の細かい所まで見る事ができ非常に良かった。

この「猫三味線」という紙芝居は殺された主人の恨みを晴らす為に飼い猫が復讐する怪談もの。昭和31年頃に作成されたらしい。
途中濡れ場らしきところもあり、大人でも十分楽しめる内容だった。というよりも子供には難しいかもしれない。
解説によると、この紙芝居は富士会という会社が制作したもので、絵のクオリティは当時の紙芝居のレベルを超えていたそうだ。確かに劇画タッチの絵は非常に綺麗で、怖さも一段と増したのではないかと感じた。
約半分を終えたところで休憩となった。

この時間に水飴やパチパチ跳ねる飴等の駄菓子をいただく。昔町内に来て演じた紙芝居屋ではこのような駄菓子を配ったのだろう。年配のお客さん達は懐かしそうに食べていた。僕は初めてだったので、食べ方も分からず見よう見まねで水飴を食べてみた。白くなるまでグルグル混ぜてたべた。思ったより甘くなかった。おいしかった。

後半が始まる。
桂声さんのテンションは開始時と変わらずに、高いレベルで推移している。この集中力の継続には頭がさがる。
途中今風のつかみを入れつつお客さんを飽きさせる事無く最後まで走り抜けた。
実に3時間を超える上演だった。
紙芝居のストーリについてだが、最後の締めが3時間引っ張った割りには、淡白な終わり方で僕には少し物足りなさを感じた。本当はこの後未だ続きがあるのかもしれない・・・
また見る機会があれば観てみた作品だった。
桂声さんの紙芝居は3回目だが、江戸弁が小気味よく聴き易い。単なる朗読とは別物の世界が展開される。
尚、桂声さんの紙芝居は、忍ばずの池の横にある下町風俗資料館で第1日曜日に定期上演をされているとの事
2002.01.11 本牧亭講談定席
今年の黒門町本牧亭初席となった日本講談協会定席11日の様子を少し書きます。

○神田きらり 政宗の婿選び
僕が入った時は最後の5分間でした。
正月から元気イッパイの高座でした。

○神田京子 真田幸村大阪入城
今日は未だ修羅場読みがでていないのでと.この根多を読んだ。
僕には、久々の彼女の修羅場だった。前後の上りをきらりさん/阿久鯉さんの松鯉門強力姉妹コンビに挟まれていましたが、力負けしていなかったのがすごい。

○神田阿久鯉 慶安太平記
見事に全員壁際に張りつき状態になっていると、お客さんを指摘してから根多に入った。由井正雪、八郎右衛門、額の傷、大事の前の小事。義士の討ち入りの由井正雪バージョン。

○神田山吹 一休のトンチ噺
初めて聞く根多。トンチ噺を中心に彼の一生を振り返る読み物だった。
今年の愛山兄宅でのお汁粉作成はバッチリだったと本人談。
今年は新根多もどんどん覚えて精力的に活動していってほしい。

○神田茜 芝浜2003
この根多は2回目かな。落語の芝浜を現代版にアレンジした根多だ。正月に一平師の新作・現代版芝浜を聞いたが、原本は同じ芝浜でも両者の根多は全然異なる作品に仕上がってした。茜さんのオバサン描写は逸品です。

○神田陽司 エジソンと母親
初席は新作となりました。講談「IT革命」のベースになった読み物。今年は真打昇進の年。羽ばたいてほしい。

○神田愛山 ヨウジ君
陽司さんをモデルにしたノンフィクションもの?迷作「ヨウジ君」何度聞いても可笑しい。
きっとヨウジさんの真打披露の時も、1回は読むだろうなと想像すると、トリで上るヨウジさんのリアクションが楽しみです。
2003.01.02 落語21 吉例顔見世お正月特別興行 初日
創作落語根多下ろしの会「落語21」の初席へやってまいりました。昼間は遠く丹沢山系やその向こうに富士山の頭も見える非常に良い天候に恵まれた日だった。でも寒い!!
この寒さを吹き飛ばす会になったでしょうか・・・

○三遊亭かぬう 落語 おやじフェスタ
ブラ汁さんとのいつもどうりの人形を使ったMCを終えて、登場です。
ここは水道橋は後楽園。今日はここでおやじフェスタが開かれる。訪れた主人公にチケットを売りつけた事をきっかけに仲よくなったダフ屋。二人でおやじフェスタを見ることに・・・
落語は初めて聞きました。かなり激しい口調が特徴か。
私もおやじ世代に突入してしまったので、駄目、バカ、汚いのおやじの形以外の描き方をしてほしかった。でないと悲しすぎる。

○桂花丸 落語 あるじいさんに花束を
彼の前座時代の高座を見てから、久しぶりの出会いとなった高座だ。
まくらで文治師匠根多、キャバクラでの営業根多等をやる。
根多は今どきの超元気な老人達がいる老人ホームが舞台。女子高生言葉を話す老婆。不良少年のまんまの老人達。色々に展開してついには老人スタッフオンリーのキャバクラが誕生・・・
前座さんのころから今を描くセンスの良さを感じていました。頑張ってほしい。

○古今亭錦之輔 落語 超コンビニ
クイズマニアの錦之輔さんの登場。
学生時代の友人が店長をしているコンビニを訪れた。電車で2時間、更にバスで2時間入った山奥にあるそのコンビニにあるものとは・・・
こんなコンビニがあったら楽しいなというお話を作ったそうです。
まくらの「ジョンと書いてあるだけの紺色の暖簾」という小話が僕にはヒットだった。本当に売っているのだろうか。

○がっぽり建設 コント
上手いのか下手なのかビミョー
そこが魅力かもしれない芸だった。

○三遊亭円丈 落語 ランゴランゴ
入れ歯を替えてるんるんらしい円丈師の登場です。
名作「ランゴランゴ」を拝聴できて今回はこれだけで満足でした。
今年もマイノリティかもしれない新作派と呼ばれる若手を導いてくださいませ。

お仲入り

○林家彦いち 落語 実録内家拳
暮れに行った独演会のマクラ噺でやったセミナーでの出来事を膨らませて一つの根多に仕上げたもの。
謎の中国武術「内家拳」の先生のキャラクタの濃さに圧倒。
夢枕漠氏の意外な一面が面白く描かれていた。
陰陽師VS中国武術の戦いの期待を崩した作品で面白かった。

○夢月亭清麿 落語 昌子の皿
陶芸家の主人公、最後に自分の為だけに皿を作って死んでしまうが・・・
清麿師らしいシュールさが出ていた。

○三遊亭白鳥 落語 ナースコール
ナースのお仕事落語版的主人公が起こすハチャメチャな出来事。
小技が効いている作品。つくしバージョンの方が私は好き。

続いて、楽日からセレクト

○快楽亭ブラッC 落語 無学者・宇宙編
立川流の秘密兵器ついにベールを脱いだ。
彼の落語はすごいと噂では聞いていた。今回初体験できた。
彼はすごい、存在自体が。紙一重の位置、境界領域に存在していると思われる。
宇宙誕生の真理が解明できれば真打にならなくても良い(本人談)

○神田茜 講談 おばさん誕生
今回が初登場とのこと。以前アンケートに茜さんをリクエストしていて今回願いが叶い、最高です。
根多は最近多いおばさん根多。新婚の奥さんが近所のベテランおばさんの手にかかり、次第におばさんに変貌していく姿を描く力作!?
ほのぼのとした笑いの茜ワールドたっぷりだった。

○林家太平 落語 SIBAHAMA
「林家で芝浜をできるのは私だけ・・・」(本人談)
古典の芝浜を現代版にアレンジした作品を演じた。
落語家の主人公が、財布を落とした女性と知り合い・・・
今までの太平師の新作は漫談風のものしか聞いたことがなかった。今回はラブコメ。最後はウルウル。物語性のある作品だった。作風が変わりなかなか良くなった。

○川柳川柳 落語 ガーコン
久々のガーコンだった。この会では初めてではないだろうか。しかし途中で根多が紆余曲折してしまい、ガーコンまでたどり着かなかったのが残念。

かつて新作派と呼ばれていた芸協から舞台が落語協会に移った感があるこのごろだが、
生きの良い芸協の新作派をゲストに招いた今回は、これからの芸協の活躍も期待できる会でだったと思う。
団体の枠を超えての新作派の活躍を今年も期待してます。