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 このページは、21世紀に活躍する芸人さんを応援してます。
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僕の独り言
2000/12/31 カウントダウンライブ
20世紀の締めくくりに、カウントダウンライブに行きました。サザンを始めに、いろんなカウントダウンイベントがやられていますが、僕の行ったカウントダウンライブは、若手芸人さん達によるものです。場所は新装オープンしたばかりの池袋新文芸座。ライブの後は、映画上映となりました。立ち見も出て大盛況となりました。さてその様子は・・・

20時20分到着。開演40分前なのにもう行列が出来ていた。20時30分会場。3階まで階段で上がり、客席へ着く。椅子は大きく前後の間隔もゆったりしていて、座り心地は良い。快適なライブになりそうです。
21時、オープニング開始。出演者全員が舞台に揃う。北陽さんは上半身裸でマフラー姿の入れ込みよう?会場が一気に盛り上がる。

○林家たい平 落語
寄席でよく聞く漫談風の電車の旅、車内アナウンスを中心にやる。彼は器用で物真似が上手いです。今回は桑田氏のまねでTunamiをやりました。歌舞伎役者の真似も得意です。最後は花火の真似。どんなふうにやったかは秘密。
トップバッターの大任は果たしました。

○神田北陽 講談 7人のサルカニ侍
マクラをやっている最中、メンバが照明を悪戯したので、北陽さんがスポットからはずれる事何回か。お客さん(爆)!
マクラが長くなってしまい、修羅場までたどり着けず、さわりだけでした。

○三遊亭新潟 芝浜(浦安浜?)
八五郎が、家を早く出すぎてしまい、浜で一服している時拾った物は財布ではなくテポドン。早速これを持ち帰り、昔嫌がらせをされた池袋西武デパートへ乗り込み・・・
芝浜のパロディ作品です。深夜にも関わらずテンション高かった。

○モロ師岡 一人コント
忘年会に呼ばれなかった男が、その忘年会会場へ忍び込み、様子を覗き見して、徐々に怒りがエスカレートして・・・
もう1本やった。会場で着替えをする、それも歌いながらというサービス付きで。
内容は、友人と待ち合わせをしたがこない。場所を離れるわけにいかず悩む状況をやる。そして最後は・・・・

お仲入り 22時30分、休憩です。 まだまだ元気。

○林家彦いち 落語 二世物語(仮称)
以前聞いた噺をやった。
ある金持ちの家に生まれた二世。ジャッキーチェンの息子と出会う。二世同士意気投合するが・・・

○春風亭昇太 落語 怖いはなし(仮称)
マクラで、カウントダウンの予行演習をやり、お客さんも芸人さんも準備万端。
怖い噺が上手い友人からネタを教わり、別の友人に得意になって話す。落語によく有る展開です。この怖いはなしは本当に怖いはなしで、会場のお客さんから小さな悲鳴が聞こえました。ほ蜘蛛少しビビッた。

○柳家喬太郎 落語 除夜の鐘(仮称)
喬太郎師の2001年版キャッチコピーを、映画の予告バージョンでやり、お辞儀をして下がってしまった。 おっ又出てきた。ビックリさせますね。
噺は、除夜の鐘を間違えて109つ打ってしまった若い僧侶のはなし。しかし109つ打って喜ぶ人もいた。その人は・・・・

○清水宏 一人コント
後15分でカウントダウンの時刻になる。って事は、ネタの途中でと言う事になる。それで、清水さんはカウントダウン阻止の為に、楽屋に鍵をかけてしまった。お客さん大喜び。ネタは途中から訳分からなくなり、叫んで走り回っていると時間になる。

何とか楽屋から出た芸人さん達が舞台に上がる。新年7秒前!
ゴー..ヨン..サン..ニ−..イチ  そして全員で、練習した台詞「バカヤロー!」を叫び、めでたく21世紀を迎えたのでした。

ライブはこれで終了しましたが、この後映画上映があり、現在大御所の噺家さんの若い姿や、今は亡き懐かしい師匠の姿が写る映画「落語野郎大馬鹿時代」,「お笑い大福帳ショートバージョン」の二本を見た。
終了は午前3時。お客さんお疲れさまでした。
2000/12/24 にちようのあさ 最終回
小春日和の温かく気持ちの良い世紀末の日曜の朝。
「にちよのあさ」の最終回へ行きました。これが見納めと言う事もあってか、30名を越すお客様が詰めかけました。
○神田陽司 講談 メイキング オブ 長嶋茂雄物語(仮称)&
寺坂の口上

15分のマクラに5分のネタじゃバランスが悪いので、マクラのTV出演の話しをにタイトルを付けてしまった。陽司さんの寺坂の口上は初めて聞いたと思います。 ハイテンションな口上だった。
○桂右團治 落語 尻餅
屋号の違い(三遊派、柳派、等)で演じ方が少しずつ違うのが最近少し見えてきた。
右團治師匠の尻餅は、導入部の借金取りとのやりとりが長め。餅屋の芝居はあっさりといったところか。 師走にぴったりの噺でした。
でも最近餅搗きって見なくなったなぁ。
○神田陽司 講談 大阪弁の王子
童話「幸福の王子」の講談版。何回かこの話しは聞いてます。王子様って何故に大坂弁なんやろ。
○桂右團治 落語 芝浜
最後を飾るのにぴったりの大根多。人情噺の「芝浜」をやりました。右團治師匠の性格のまじめさが、改心後の主人公の性格に重なって、気持ちよく聞けました。

落語と講談という話芸の両輪のすはらしさを、見せて貰えた「にちようのあさ」。名残惜しいですが、また新たな企画を期待したいです。
2000/12/23 闘え新潟君 最終回
三遊亭新潟さんの独演会「闘え新潟くん」へ行きました。初めての会でしたが、今回で最終回だそうです。
来年は真打なので、別の形で独演会をやるようです。

○柳家三三 こんにゃく問答
さて最初はゲストの三三さん。話は横道にそれますが、寄せ文字の橘流の書き手たちが、これが書けたら一人前と言う名前が、「小さん」だそうです。隙間の多い字ばかりなので、難しいそうです。最近の人で難しいのが、この三三さん。横棒ばかりなので何と書いてあるか分かるようにするのが大変だそうです。だから書き手の人達は早く真打になって名前を変えてくれと、冗談半分で三三さんに言うそうです。
この三三さんは、こんにゃく問答をやりました。きっちりとやりました。これで、味が出てくれば、すごい噺家さんになりますよ。
○三遊亭新潟 ある愛の歌
最近TVタレントとして人気の舞台俳優の小袋。久々の舞台に張り切るも、劇団内の冷たい視線にさらされる。演出家からは、ゴミ袋の役をやれと言われ、落ち込み、それでも自宅でゴミ箱の演技を検討しようと、練習場を出た。外で待っていたのは、ファンだと言う娘「くみ」。この娘がとんでもない娘で・・・
○三遊亭新潟 死神
円生生誕100年を記念して、十八番の死神をやる。当然新作としてアレンジされていた。頃は現代。主人公は勤務していた大学病院の陰謀で、医師免許を剥奪された男と、その妻。ある日死神から、死神が見える眼鏡と、死神を退散させる呪いを教わる。そして非合法な医師として、医者から見放された病人たちを助ける仕事を始めた。後は原作の「死神」に沿ってストーリは進み、自分の蝋燭を消してしまい、原作では、死んで終わるのですが、新潟バージョンはここから未だ話が続きます。なんと主人公の男と妻が、アダムとイブとなって生まれ変わり、そして・・・・
こうし50分に及ぶ長編が終わり、沢山の拍手が、降りてくる幕とお辞儀をする新潟さんに降り注がれた。

新たな新潟さんの独演会が始まったら、見てみたいものです。
2000/12/17 漫性ろくまく宴 VOL.11 最終興行
最終回となってしまった「漫性ろくまく宴」へ行ってきました。昼夜通し、一人40分。かなりヘビーな状況になるのを覚悟して会場の神楽坂毘沙門天善国寺へ向かいました。開演40分前にも関わらず、既に六割の入り。良い座り場所は取られてしまったので、左前方に席を取る。
13時50分。幕が開き、開演です。
ろくまく宴恒例の◎○△の無責任評価を入れて、当日を振り返ります。
  ◎:大変良くできました。 ○:良くできました  △:次へ期待

●柳家さん坊  落語 開口一番 →△
「この場所は苦手です」と苦笑いしながらの第一声。それから林家流の小話をやる。女性客に「かわいい」と言われて、ちょっとジェラシーポイントが入って△
金原亭小駒  落語 蜘蛛駕籠 →○
今秋二ツ目に昇進した小駒さんの登場。この会の第1回から前座を勤めていたそうで、この会で育ったと言っても過言では無いでしょう。根多の途中に出てくる蜘蛛助のセリフ「やっちまえ」の時の、中指立てアクションが大受けでした。
●三遊亭新潟  落語 富Q →○
久しぶりにこの噺を聞きました。古典の「富久」が原作のパロディ落語ですが、原作を知らなくても十分に楽しめます。更に池袋の街を知っていると更に面白度が増します。
ギャグとパロディ満載の話でした。来年の真打昇進披露目の席では、新作派として、一体何を仕掛けてくれるのか、今から楽しみです。

仲入り

●鈴々舎わか馬 落語 紋三郎稲荷 →△
彼も今年二ツ目に昇進しました。彼は老けているのか、若いのか分かりませんが、既に貫祿が出始めています。根多の感想ですが、彼の真面目な正確が出過ぎていたようです。落語版ドッキリTV話の主人公である紋三郎はもっとオチャメに演じた方が良かったでしょう。
●金原亭桂太  落語 もう半分 →○
さわやかで、元気一杯の桂太兄さんの登場です。彼はいつ見ても好感が持てます。今日の根多は、怪談で、陰湿な老人と意地悪な女将さんがポイントなので、この桂太さんの性格には少し合わなかったかもしれません。がしかし、正直者の主人は良かったです。来年の真打披露目の席では、志ん生が得意だった根多是非聞かせてほしいです。

仲入り
ここで赤ワインがふるまわれた。かなり甘口で僕的には △。チーズはいろんな種類があり、○

●柳家花緑   落語 江戸の商人 →◎
ちょうど一年前にゲスト出演して、今回が2回目の登場です。前回は「芝浜」をやりました(自分ながら、すごい記憶力)今回は、シェークスピアの喜劇「ベニスの商人」を取り上げました。最近やった独演会で根多下ろしをしたが、お客さんの評価は賛否両論だったそうです。
重めの内容の話が、江戸の街の滑稽話に見事にアレンジされていて良かったです。設定は江戸時代ですが、現代を投射した所が随所にあり、コンプレックスとしては複雑化していて、分かり難い。それがお客さんの反応が賛否両方に分かれた理由かも知れません。僕は楽しめました。
●神田北陽   講談 紀伊國屋文左衛門 →○
金の使い方も生き方も豪快だった初代紀伊国屋文左衛門の話をセレクトしてやりました。時間は未だ有ったのだから、もっとタップリ聞きたかったですね。しかしマクラは相変わらず絶好調。
入船亭扇辰  落語 たちきり →◎
なぎら氏との宴会の事等をマクラでやり、この話に入ります。以前に聞いた時も良かったですが、今日も良かった。クライマックスは、悲しみをこらえる間と三味線の音、それからお客さんのすすり泣く声。最高でした。

仲入り

柳家三太楼  落語 寝床 →◎
寝床です。三太楼さん流のギャグを入れながらも、普通にサゲまで行きまして、「だって、そこが私の寝床です」で終わるはずが、「だからどうした。今日は徹夜でやると言ったはずだ」と話が続くので、僕を始めにお客さん達はたまりません。意外な結末に大受けでした。最後の最後に出した必殺技に◎でした。
●柳家喬太郎  落語 明烏 →○
今日の今までの落語に出てきた登場人物がこの話の中にも散りばめられて出てきました。
一日の集大成の落語だったような気がします。新作をやらずに敢えて古典で締めくくった所に、喬太郎さんのろくまく宴に対する想いが感じられました。

最後は、2年間お世話になった三味線のお師匠さんを前にして、用事で先に帰った新潟さん以外の全員が舞台に並び、ゲストの花緑師の音頭で三盆締めでお開きとなりました。
発展的な解散と言う事で、又別の新たな企画の落語会で、このメンバーが揃う事を願っています。
2000/12/09 三木助三題噺
最近、斬新な企画で注目してます池袋演芸場で、12月上席の夜席は、三題噺対決があった。
仕組みは、噺家10人を5人−5人で、Aチーム/Bチームに分け、一日に両チームから一人づつ選出して10日間戦うチーム戦。10日間の対戦で負けたチームは、老人ホーム慰問?の営業を只でやる事になるそうです。題の決め方は、その日のお客さんから、10の題を貰い、その中から3つを選んで貰います。そして、その日の対決者に渡します。
対決は中入り後、題決めから約二時間後となります。それ迄に当日の対戦者は噺を作ることになります。
僕は、9日目の夜席に行って来ました。 対戦は喬太郎VS新潟
主任は三木助師匠だったのですが、恒例の?病欠により、主任不在で行われました。
それでは、夜席のダイジェストを・・

○林家木之助 落語 平林
○林家きくお 落語 金明竹
ご存じ、笑点でおなじみの林家木久臓師の息子。二世です。
子供の頃のこと、噺家になったきっかけ等をマクラで話す。
根多は前座さんの基本であるこの話。基本は大切です。しっかり修行してほしいものです。
○金原亭小駒 落語
今秋二ツ目に昇進したので、その挨拶を最初にした。おめでとうございます。
○柳家三太楼 落語 宗論
彼のこの噺は良く聞きます。息子のミュージカルの様な話し方と声が魅力ですね。
○三題噺のお題決めコーナ
三太楼さんの司会で、お題を貰います。ビートルズ、モロ師岡等の面白い題も出ました。そして今日のお題は、顔見せ、切符、師走 に決まりました。
○柳亭市馬 落語 雪てん
○笑組 漫才
○柳家三三 落語 猫の皿
地味ですが、きっちりとした古典をやる噺家さんです。通好みかもしれません。
林家彦いち 落語 二世物語(仮称)
ある金持ちの家に生まれた二世。ジャッキーチェンの息子と出会う。二世同士意気投合するが・・・
○橘家文吾 落語 千早振る
三題噺の根多が未だ出来ないという楽屋事情で、延ばしてほしいと言うことで、短歌の説明を引っ張りに引っ張り、30分やりました。(^^)v
○柳家さん福 落語 壺算
○モロ師岡 一人コント
サラリーマンの哀愁漂うコントをいつも披露してくれるモロ氏ですが、今回は。水曜の朝、いつもの様に会社へ行く途中にゴミ出しをするが、木曜に変更になっていて出せない。ゴミを戻しに家に戻る時間は無い。通勤途中にゴミの破棄をあれこれ試みるが、上手くいかない。そして段々事態はエスカレートして・・・
○柳家さん生 落語 鏡の無い村

お仲入り

<<三題話対決 お題:顔見せ、切符、師走>>
○先行  柳家喬太郎

女の扱いが荒いライターの男。この男が帰宅すると、家には彼女が来ていた。男は彼女を邪険に扱う。女は怯えながらも男の言う事を聞く。(このような男女の設定って喬太郎さん好きだな)
芝居の取材をする事になった。芝居の詳しい彼女に基本をレクチャされる。
取材当日、芝居の他に妙な事を聞いた。それはもう一つの歌舞伎座「西歌舞伎座」に伝わる「仮名手本忠臣蔵」の恐ろしいエピソード・・・・
怪談仕立てになって、照明や効果音も入った演出に、個人的にはかなりビビッてしまった。
○後攻  三遊亭新潟
打って変わって、こちらは、新潟さん得意のハチャハチャな噺。
結婚を目前にした男女。この男の父は子供の頃失踪して行方不明になっている。それを彼女に告白する。師走の池袋の町でこの男を呼び止めるダフ屋がいた。実はこのダフ屋は父親だと言う・・・・

新潟さんが終わった後に、お客さんの拍手の大きさで勝敗を決めようとする。今回は引き分けという結果でした。この結果には僕も満足です。

夜席は四時間超に渡る長丁場でしたが、あっと言う間でした。

因みに池袋の定席には、着物を来ていくと割引だそうです。どうりで着物姿の女性が多かったわけだ。
2000/12/09 本牧亭講談定席
師走も板についてきたこの頃です。今日は暖かな日となりました。本牧亭へは12時25分着。木戸には小松っちゃんが。客席は半分位の入り。
○京子 爆裂お玉
京子ちゃんが新たに覚えたネタだろう。振袖吉次,青龍刀権次は、軽めの気性で威勢の良い演出になってた。寒さにも関わらず元気いっぱいの高座でした。
○小松 明智光秀
最近は珍しいシラバがふんだんに散りばめられた話をやる。古典講談の醍醐味が、伝わってきた。
○陽司 ノムラカツヤ物語
「まずは最近の自慢をします。」とマクラがはじまる。自慢の一つは先日の一門会でトリを取ったこと。もう一つはBSデシタル放送のジャイアンツ応援番組のレギュラーがになった事。その番組の10分間のコーナで「長島茂雄物語」を講談調でやる。嬉しかったのは、一重にウケた事。
マクラが長めになったので、ショートバージョン(と言っても20分)のノムラカツヤ物語でした。
○すみれ 五郎政宗
講談界の紀子様。サウスポーの張扇がチャームポイントのすみれ先生が上がりました。今回のネタはすみれさんので何回か目です。折檻する継母と、何とか気に入ってもらおうと、生と死の崖っぷちに立たされる事になる少年五郎の話。すみれ先生の男言葉はいつ聞いても秀逸です。
○松鯉 水戸黄門記
徳川天一坊の連続ものが終わり、今日から新たに水戸黄門記(25回予定)の連続物をやるそうです。古典派や、松鯉派のお客さんには応えられない企画だと思います。第1回は千代丸と言われた幼年時代の話だった。
○愛山 気になる男
「強迫神経症」今日はこの病気に掛かっている男の話でした。その前にこの病気の症状とは、チョットした事が、気になり出したら止まらなくなってしまう。例えば、
電車に乗る時持参したビニールシートを椅子に敷いて座る。 或いは、
新聞を読む時、手袋をして読む等。
主人公の男は、仕事で旅に出ようと自宅を一歩出たが、鍵が間違いなく掛かっているかが不安でたまらなくなってしまう。そして遂に・・・
ブラックユーモアたっぷりの作品です。
○陽子 大石内蔵助 妻子の別れ
義士伝の中でも、女性が出てくる話をやるといって選んだのが今回の妻子の別れ。 蔵助が仇討ちの為に、家族と無理やり離別する場面と、仇討ちを遂げた後の寺坂の口上で真実をしる家族の様子を描いている。陽子先生、だいぶ気持ちが入って、ウルウル気味でした。
2000/11/28 落語ジャンクション
○前節 神田北陽、三遊亭新潟
二人が前説をやる事になったのは、前から決まっていた訳ではなく、二人の他に未だ誰も来ていないからだという根多から、楽しい前説が始まりました。
新潟さんの奥さん根多他

新潟さんの奥さんがいきなりクリスマスツリーがほしいと言い出した。そこで、クリスマスツーリーにも使えて、正月の門松にも使えるグッズは無いかと池袋東急ハンズへ出かけた。しかし2800円もしたので買わなかった。奥さんは、元コメコメの石井氏氏の追っかけ、この前自分は(新潟さん)地方へ行った時には5000円の安いビジネスホテルに泊まったり、高速バスを利用したりして、節約しているのに、奥さんは石井氏が宿泊している同じ高級シティーホテルに泊まっている。「だって石井さんもとまっているから」と奥さんのお言葉・・・等々

○春風亭昇? 落語 さくら(仮称)
電車の中での携帯電話使用者を懲らしめてスカットしようとう言う魂胆で、電車に乗り込んだ、じいさん2人組。携帯電話をかけている女性を発見。懲らしめに入るが、実はこの娘は大病院の院長を父に持つ娘さんだった・・・

○北陽 一人コント 昼間のおかま(仮称)
華道家元の老人が亡くなった。葬式に坊主刈りで筋肉しつのオカマが来た。・・・神田山陽師の事がオーバラップする。コントの中にも危ない言動があってビクビクものだった。最初は立ってやっていたが、やりづらくなり結局途中からは座布団を持ってきて座ってやった。「落ち着くじゃねーか」の一言。

○林家彦いち 講談 幸せの黄色い旗
マクラは、山陽先生の葬儀の時こと等。
舞台の左袖から、ミニ釈台を持ってきて、懐から張扇を出し、釈台の中からカツラをと取り出し頭にかぶる。張扇の連打!。どうやら講談をやるようである。それも女流らいし。 会場は騒然。お局様になり、周りから嫌われているバスガイド、ある日、若い娘のような格好をしてバスに乗り込んだが・・・今日はテンション高かったですねぇ。神田陽子さんの物真似で講談をやりましたが、本人が見ていたら、絶対に怒り出したに違いない。奥さんの神田茜さん作の講談でした。私は聞くのは2回目でした。すっかり彦いちさんのレパートリになった感がします。

○柳家喬太郎 落語 授業見物(仮称)
「前は、二人のおねえさんが上がって、華やかでいいや。あれも落語ジャンクション、これも落語ジャンクション」等と、上がって早々のお言葉。マクラは、息子さんの事や、のそ授業参観のことをしゃべる。そして授業参加ならぬ授業見物のこの話に入る。教室の後ろには、子供たちの父親が授業を見物している。しかも肴をつまみ飲みながら・・・
根多が途中までしか出来てなくて、無理やりサゲに持って行った感があり。イマイチでした。残念!

○三遊亭新潟 落語 演歌はコブシ(仮称)
マクラは、来年真打ちに昇進する報告を自分がするより前に、北陽さんにされていまい、悔しい。真打ち昇進と同時に名前も替える。.三遊亭裏日本!地元新潟の高田の事
噺は、売れない元大御所の演歌歌手、黒板塀金之助。日テレに出演することになったが、ここには大きな罠が・・・
笑いとペーソスが有り、良い話でした。

次回ジャンクションは、1月7/8日。2日間の新春特別興行です。
2000/11/25 第42回ミックス寄席
ミックス寄席にやって来ました。今回は、権太楼師匠目当てで来ましたが、お馴染みの三太楼さん、扇辰さんも捨てられません。このホームページで、ベテラン師匠の感想は、滅多に書きませんが、今回はその「滅多に」の会です。
いっぱいのお運びのお客さんに何を見せて頂けますか。

○柳家ごん白 たらちね
開口一番。ごん白さんの登場です。最近、引っ張りだこ(おかみさん談)。 入門して1年半で縦になった。師匠連に人気がある。「たらちね」は型どおりきっちり極める。
○古今亭菊之丞 七段目
歌舞伎俳優のような菊之丞さんの登場です゚「丞」の字が書けない人が多い。のマクラ。師匠の圓菊師の物真似もやる。
根多は、やはり歌舞伎根多で「七段目」歌舞伎役者の物真似をいれた、芝居の仕種や台詞は本物。本人、結構芝居も勉強しているようだ。芸人さんは色々勉強することが多い。途中一カ所噛んでしまったのを気にしてか,下がる途中で、舌をぺろり。
○柳家三太楼 お見立て
来年真打に成ります。のご挨拶・・・を二回(~~;
この廓話をやる。クスグリの演出は三太楼節。可笑しくて涙がでました。

お仲入り

○入船亭扇辰
短くした頭の横部が青く輝いていた扇辰さんが、青い着物を着て登場です。最近言語が乱れている。女子高生が何を喋ってるのか解らない。のマクラ。
辛抱強かった、奉公人が辞めてしまって困っていたが人使いの荒い主人。この主人が引っ越した家に幽霊が現れるが・・・
○アンパンマン基い! 柳家権太楼 富久
明日のお復習い会、自分の趣旨と違ってきた。失敗OKの会だったのに。30日の鈴本での独演会は、切符は完売しまして、当日のお客さんは、入れません。今日は独演会でやる「富久」を勉強させてもらいます。4年振りにこの話を今からやります。お金もらって練習してちゃいけませんが・・・・゚
笑わせたり、泣かせたり・・・たっぷりの「富久」でした。今まで聞いた中で最高の「富久」でした。
師匠着替えるのが早い。私が外に出た時は既にコートを羽織って、外で常連さんと話している。さては着物のしたにコート着込んでたな!?
ps.私の回りは、ゴン様目当ての美人ばかりが何故か集まってまして、何故か得した気分でした。
2000/11/21 彩心寄席
年1会行われる、三遊亭春馬さんと、神田山吹さんが地元埼玉は大宮で開催される彩心寄席に行ってきました。 埼玉は寒いかと思っていたが、未だそれほどの寒さではなかった。
かいじょうに着いた時には,既に開演15分が経過していた。

○春風亭小あら 落語 狸札
狸の恩返しで、お札に化ける噺。狸が化けた札との会話はもう一つだったが、下げは良かった。 コアラ君は久しぶりに聞けて(前座さんは出番が早くて・・)良かったっす。

○神田山吹 講談 奴の小まん
最近お気に入りの着物を着て登場です。息が切れてます。楽屋の5階から、会場の3階まで駆け降りて来たそうです。息が整うまで、マクラ話で繋ぐ。マクラは近況と言う事で、師匠の事。葬式の事をやる。キリスト教のお葬式はおめでたいそうで、最後にご親族と一門で三本締めをやったそうです。(なんか変)
話はまじめに、女任侠の奴の小まんが、任侠道に入るまでの話。久しぶりに聞く話です。三下は得意な山吹さん。娘や母親の台詞も決まっていて、非常にめりはりがあり、良い出来でした。

○横目家助平(ヨコメ ヤスケヘイ) 落語 蛙茶番

彼は、コロコロした体つきで、顔は怖そうですが、声が高くてかわいいのが面白い。この名前の為に起こったエピソードをマクラにやる。
話は、褌を着け忘れて舞台の上で尻を巻くってしまうドジ野郎の話。ちょっとエッチな話に、前の席のおばさん連中が大喜び。

○三遊亭春馬 落語 悋気の独楽<辻占独楽>
祝、来年真打昇進の春馬さんが今回の主任です。春馬さんは今日新潟の高校で寄席をやって来たそうです。学生の悪口を言ったので、居づらくなって1時間早い新幹線で帰って来たそうです。
話は、旦那が、お妾さんの家へ泊まるか、本妻が待つ我が家へ帰るか、辻占独楽で占う話。彼は仕種を大変オーバーに遣ります。最後の独楽まわしは、熱演でした。

次回のミックス寄席は、12月22日。三三、ひまわりさんの二人会。
2000/11/18 つちようのあさ
獅子座流星雨を見ようとしましたが、あいにくの曇り空で、結局インターネット上のライブカメラで、少しだけ見てそのまま直行の「つちようのあさ」でした。今回は、お二人二席づつ、たっぷり贅沢な会となりました。

○桂右團治 鮑のし
聡明なおかみさんと、間抜けな旦那の話。旦那のまぬけだが憎めない人柄がよく出ていた。

○神田陽司 競走馬物語
最近、色々な寄席で積極的にかけている新作の最新作。競馬を通して、貧しさと闘う父と子の愛の物語。この話は、場数を踏んで板に付い手樹津した。

○桂右團治 中村仲像
江戸時代版朝の連ドラ「オードリー」? 全然違うか(^^; 右團治師匠のこの話は久しぶりに聞けました。私の好きな話の一つです。仲像のまじめさがよく出てました。

○神田陽司 白隠禅師 〜濡れ衣禅師〜
「はぐれ雲」の主人公のように、自由でピュアな老僧侶が、ある事情で新生児の父ということになってしまう。何の否定もせずに子を育てる白隠禅師。しかしこの噂が町中に伝わり寺を追い出されてしまう事になるが・・・・
心温まる良い話でした。

12月から始まるBSデジタル放送の日テレ番組「24時間ジャイアンツ」のレギュラー出演が決まり、前途洋々な21世紀が待っている!?陽司さんと、女性芸人のリーダ右團治師匠の今後が注目されます。

実はこの後大スクープがあるですが、発表の日が来たら書こうと思います。
2000/11/16 新作落語2000
16日の「新作落語2000 喬太郎! もんでやるぜシリーズ第二弾」に行って来ました。喬太郎師のプーク デビューです。
人形による、前説は何時もどおり。 高座では姿は見れませんでしたが、つくしさんが、この前説で人形操作と、声だけの出演でした。座布団返しは、ブラ談次さんです。

○三遊亭天どん 「平成寄席維新開国編」
風邪で絶不調の天どんさんが、朦朧としつつも無事高座を勤めました。話のさわりは、妙に寄席事情に詳しい外人がいる。この外人が仲間40人をつれて寄席見物をする。
 実はこの外人は国連の使節団であった。この外人たちは高座の途中になんと寄席をジャックしてしまう。そして・・・

○三遊亭新潟 中村仲象
黒猫のワッペンが刺しゅうしてある、かわいい着物をきて登場です。ビンボー学生3人が、キャバクラで飲み逃げの算段をする。そして新宿歌舞伎町の高級クラブをターゲットにするが・・・
どこが、中村仲象やねん! しかし先輩師匠達には好評だったです。はい。

○夢月亭清麿 バルコニー
初台にある「田中時計店」が舞台の平凡な家庭、店を畳んで郊外に引っ越そうと言う話が持ちあがる。そんなある日、30年前の父が主だった頃のお客が訪ねて来た・・・・   自分だけの時間て、在ったらいいねという話。

○川柳川柳 スポーツ考(仮称)
本来の出演者である円丈師の代演として師匠が高座に上がった。なんだか得した気もする。シドニーオリンピックや高校野球のぽやきを漫談でやる。内容は放送・web公開禁止用語連発のため省略しますが、結局最後は、軍歌ぁ〜!(^^; 下根多は前2列目までのお客さんには不評だったようだ。

○林家彦いち 生え際仮面
自分は何でもない存在であると悟る、最近お気に入りの哲学っぽいマクラをやる。話はプログラムに掲載されているタイトルと異なると思われる話でした。
長期休暇で旅行に出ていた夫婦が自宅に戻ってきた。家のドアを開けると、家の中には、何と線路が走っている。そして・・・・

NHK演芸大賞新人賞、おめでとうございますぅ。

○柳家喬太郎 ねずみ穴2000(仮称)
まくらで「この話は稽古した事はありませんでしたが、この10日(池袋演芸場での鼠穴企画を)間聞いていて覚えました」の言葉。プロですね。脱帽です。
本高座では、古典の鼠穴と、このシチュエーションを、現代に移行した物語(兄・竹次郎が私立高校のオーナー、弟・松吉?がパチンコ屋・ソープ・キャバクラのオーナー、そして現代バージョンだけのスペシャル主人公に、兄の息子・竹三郎)が同時並行的に語られていきます。古典と現代落語を実に見事にスイッチ切り換えが出来ていたと思います。良い演出だと思いました。この話の中で、古典部の一見臭そうな語りが、喬太郎師がやると爽やかに見えるのは、人柄かも知れません。
新規に作られたこの話のサゲは、喬太郎師には珍しくハッピーエンドなのも印象的でした。「もんでやる」と言われて、これを迎え撃つ喬太郎師の意気込み(プライド)がヒシヒシと伝わってきました。最後はすこしうるうる。
2000/10/29 てやん亭
初七日が終わる迄、自粛していた日記を再開します。
1年に1回だけ催される、三軒茶屋シアタートラムで行われる寄席「てやん亭」にやってきました。芝居用の舞台の中央に赤い高座が作られて、後ろには、提灯と「てやん亭」の看板が吊るされている。椅子は固めだが、座り心地は良い。メモを紛失してしまい、細部はウル覚えです。

○三遊亭窓樹 しりもち
今回は前座さんがいないので、窓樹さんが先発です。貧乏長屋での、餅つき風景。滑稽でもあり、少しエロティックでもあるこの話を、きっちりとそしてエロティックに決めてもらいました。餅をつく音(手さばき)がポイント。
柳家喬太郎 新作
昼の部では、羽織を忘れて代わりに着物を二枚持ってきてしまったお茶目な喬太郎師匠。夜の部までの休憩時間に羽織を取りに戻ったとのことです。そんな訳で、夜の部は羽織を羽織って登場です。
婚約した男女。男が自分の家族に、彼女を紹介するため、家に連れてきました。彼女は嫁になれないと泣きます。それは・・・
今回は新作は喬太郎師だけとなりましたが、それだけにこの話や、喬太郎師の過激な演出(例えば高座の上でのたうち回るような)が際立って見えました。僕は喬太郎師の、出の歩き方(ショボショボっと歩く)が結構気に入ってます。
○橘家圓太郎 くしゃみ講釈
根多下ろしということでした。講釈をする場面は額に汗しての大熱演でした。
○柳家花緑   中村仲蔵
若々しい仲蔵に大変好感が持てました。彼は大きな根多を良くやりますが、重苦しく無いのが良いです。年輪を重ねてどう変化してくるのか、楽しみですね。
2000/10/31 神田山陽先生、天に召される。
 2000年10月30日。山陽先生が天に召された。
 遂に一度も、山陽先生の講談を生で聞く事は叶わなかった。幾人かの山陽一門若手講談師方々の、入門のきっかけを、雑誌や新聞等で拝見した事がある。共通していたのは、初めて接した講談にも関わらず、魂を揺り動かされたからだと言っている。そしてその魂を揺り動かす講談をやっていたのが、神田山陽先生なのである。魂を揺り動かし、人の人生までも変えてしまう神田山陽の講談とは、一体どんな講談だったのだろう。彼のお弟子さん達の講談はよく耳にするが、申し訳ないが、彼ら・彼女らの講談を聞いて感動こそ覚えるが、私は魂を揺さぶられる程の体験をしていない。もっとも私が鈍感過ぎると言ってしまえばそれまでだが。山陽先生の作品と言えば家には「大岡政談」のCD1枚きりだ。このCDを聞いただけでは魂き揺さぶられない。きっと全身全霊を込めたライブ(高座)にこそ、この貴重な体験が叶ったのだろう。来年温かくなり、先生の体調の良い時に講談を聞けるチャンスがあれば、絶対に聞きに行こうと決めていた。そんな想いもあり、今回の突然の訃報は残念でたまらない。
 神田一門の皆様におかれては、一日も早く先生の死から立ち直り、先生が目指していた講談をお一人毎のやり方で継承し、魂を揺り動かされる講談を、聞かせていただける日が来るのを、私は待っています。
2000/10/27 はなきん寄席Z
巷では日本シリーズでわき返っている今日この頃。10月のはなきん寄席へやってきました。最前列のおじさん3人組は、かなり日本酒が入っていて、ご機嫌な様子。大丈夫かなぁ。
○快楽亭ブラ談次 落語 言葉は国の手形
ブラック師匠の2番弟子であるブラ談次さんがトップパッター。小話を幾つかやりこの話に入る。色々な地方の面白い方言を扱った噺。いつもながらのポーカーフェースで淡々とやりました。

○リンクOF上海 漫才
二人組の上方漫才。イカサママジック根多をやる。酔っぱらいおじさん達は更にハイになる。イカサママジックで盛り上がっている。漫才は遣りよかったのでは。

○神田山吹 講談 中江兆民
山吹さん、客席の後方から、白と黒の大きな市松の斬新的な柄の着物で登場です。新作が間に合わず、比較的新しい明治時代のこの根多をやる。東洋のルソーと呼ばれた啓蒙思想家で、代議士の中江兆民の話。神田一門ではポピュラーで、色々な一がやる。僕も何回聞いたか判らない。
山吹さんも得意な話なので、リラックスして聞けた。時間の都合か前半部分が省略してたのが少し物足りなかった。 

中入り

○野口陽一 ものまね
今年の池上線ライブで初めて見てから3度目か。根多は何時もとほぼいっしょ。メインは、男はつらいよ寅さんの物真似。長島監督、田中邦衛、くさかりまさお等をやる。大道の口上も慣れたもの。今日のお客さんの平均年齢からみて違和感の無い芸でした。 新根多も見てみたい。

○神田山吹 講談 義士銘々伝〜片岡源五右衛門 元助の忠義塚
夜10時からここ「和音」に予約が入っていて、早めに着いたそのお客さんが、店の後ろにちらほら見える。 山吹さんは、少し緊張しつつ、この話に入る。
討ち入り間近となり、片岡源五右衛門は下僕の元助に暇を出すが、元助は諦めず最後まで仕えようとする。困り果てた片岡源五右衛門は遂に討ち入りの事を話してしまう。・・・
侍の台詞もぐっと良くなり、力強さが感じられた。お客を泣かすようになるのはもうすぐか・・・
酔っぱらいのおじさんの「よっ」とか「うん」等の間の手が山吹さんの台詞の合間に入り、何時もの高座と様子が異なり遣りにくかったかもしれない。 10時ジャスト終了。慌てて撤収。

野口さん、忘れ物〜!
2000/10/24 神田北陽一人会 〜シラバカ派文学全集 作家 神田北陽〜
最終回を迎えてしまった「シラバカ派・・・」この会は、小説家の作品を講談にしたものを発表する企画ですが、最後の作家は、神田北陽ご自身。 ってことは何時もの新作とどこがちゃうねん。
てなぁ事を考えながら、会場の湯島天神へと向かったのです。
開演前には何時もかけているジャズのCD。今夜はコルトレーン。コルトレーンがかかる事が多い。北陽さんが好きなのだろう。やがて音が止み、左袖から北陽さんが現れる。今日は3本勝負との事。最初は古典をやると言う。
○「中山安兵衛 高田馬場の駆けつけ
10の話を用意してきた。各々のサワリをやり、お客さんに根多を決めてもらう。座布団の下に「当たり券」が有ったお客さんがその任にあたる。結局8番目に出た話であるこの話をやることとなる。
何時もとおりの立て板に水の講釈が小気味よい。
○早水藤左衛門(はやみ・とうざえもん) 討ち入り前夜の巾着切り
5分の休憩後、再び高座に姿を現した。ここでお楽しみマクラ話の時間。
今年のNHKの新人賞に輝いた彦いちさんの根多、甲府の馬場さんという面白い人物のこと、TBS土曜ワイドの事等話す。
二つ目の話に入る。今度の話は、北陽さんが書いた時代小説を講談にした作品。冒頭で述た新作の事だ。「義士伝の中でも目立たない人にスポットを当てたかった」と前置きして、速水藤左衛門の名を告げる。確かに知らない名だった。この人物が主人公の作品だ。討ち入り前夜に、隠れ家として使っていた長屋の近所で巾着切り(スリ)に遇う。すられた紙入れに入っていた物は・・・
本は時間をかけて仕上げただけあって、聞き応えのある作品に仕上がってました。忠、義、信じる等の義士伝のテーマが凝縮された、もう一つの銘々伝として仕上がってた。最後は少しウルウル。
○現代に蘇ったティンカーベル
続けて3本目に入る。
或る男、3つのアイテムを混ぜて呪文を唱えて妖精にを呼び出す。そしてこの妖精に「妖精の粉」分けてもらい、この粉を片思いの娘に振りかけて、振り向かせようという寸法。
3つのアイテムを混ぜて呪文を唱える。西洋の妖精を呼び出すのに、この呪文が、四十七士の名の読み立て。無事読み上げ終わると、間かんぺい似のぱーさんが現れる。このばーさんは、自分の事を妖精だと言い張る。名前はティンカーベル。・・・

久々に北陽さんの独演会に行きましたが、涙あり笑い有りで満足した会でした。新たな独演会は12月。好評だった新作ベスト3本をやるとの事。因みに1本を紹介します。「鼠小次郎吉外伝 サンタクロースとの出会い」1本で笑って泣ける作品です。  乞ご期待
2000/10/22 講談革命ヨウジR
今ここは、雨が降りそうで降らない上野広小路。今年の3月から約7カ月ぶりとなった神田陽司さんの独演会「講談革命陽司R」へ行きました。
会場には「あしたのジョー」等のアニメソングが流れている。陽司さんらしくマニアックな選曲で、僕の知らない曲が多い。段々と席が人で埋まってくる。
○神田京子 越の海
倍速再生講談(僕がかってに呼んでいる)の神田京子ちゃんがトップバッター。もう何回聞いたか分からない、京子ちゃんの超元気で明るく、段々早口になっていく「越の海」。寄席では中々アドリブを見せないが、今日は知っている人が多いからか、アドリブのクスグリを見せた。
○神田陽司 生きる悲哀
御大馬場いや、陽司さんの登場です。プログラムでは「虎仮面・・」となっていたが、その前にこの古典をやる。「生きる悲哀」は大正時代の教師と生徒の教育ドラマ。大正版金八先生というところか。陽司さんのお気に入りの作品らしく、最近よく聞く話だ。いつも通りきっちりと決めた。
○神田陽司 虎仮面伊達裏切り  〜ギタレレ講談〜
生きる悲哀が終わると、小松さんが小さいギターを抱えて袖から出てくる。この楽器はギタレレと言うそうだ。陽司さんは続けて、この話に入る・・かと思いきや、ギタレレを弾きそして歌い出す。タ○ガ○マスクの主題歌だ。今回はギタレレ講談だと彼は言う。
話は某アニメの講談化。貧困に負けず、正しく生きようとする子供たちの夢、そして希望のシンボル虎仮面。このプロレスラーの虎仮面が、ヒールから転じて正義の見方となるまでの波瀾万丈な物語を語る。原作のラストも良いので、何時か続編を聞いて見たいものだ。
プロセスの実況中継の場面では、何と本物のゴングが釈台の上に載せられた。カーンという音と共に陽司さんの熱の入った実況講談(そんな言葉はあるの?)が始まる。顔を真っ赤にして、首の頸動脈を浮き上がらせての熱演に、お客さんの拍手が起こる。
最後は、張扇と扇子を再びギタレレに持ち替えて歌います。
行け、行け、タ○ガ○、タ○ガ○マスク〜♪ 
本人は歌とギタレレはやらない方が良かったとか言ってましたが、僕もそう思います。(笑)

お中入り

○神田小松 天明白波伝
小松さん得意の天明白波伝。先週の本牧亭で彼女の読みでこの連続物のラストを聞いたばかりなので、ストーリが蘇ってくる。悪党を語ったら日本一の小松さんの、今回は少しウルウルする良い話。熱演をタップリと聞きました。
○神田陽司 司馬遷
中国3000年の財産、司馬遷の物語。この話をやることを先週知り、この会が始まる前に、中国文明展で歴史をお復習いしておこうと、上野公園の博物館へ行きましたが、既に期限が来て終了していた。そこで同じ上野公園内の都美術館でやっているインダス文明展を見て、歴史のお復習いをしてこの会に挑んだ。(イミナイジャン)
普段寄席ではやらないという腐刑(男性シンボルを切断する刑)の様子も語る。
自殺を図ろうとする司馬遷が、間一髪で助かり、ハッピーエンドの結末へ向かうのですが、その持って行き方が少し強引だったように思えますが、それは奇跡の大逆転サヨナラホームランだと受け取れば良いのかもしれない。
陽司さんのウリの一つ「新古典」の醍醐味を味わえました。

今年最後の独演会だと言うことでしたが、今年は残り二カ月余りあります。今年を締めくくる何かの会をやってほしいですね。

注)タ○ガ○マスクは、タマガワマスクです。決してタイガーマスクとは僕の耳には聞こえませんでした。(キッパリ!)
2000/10/15 にちようのあさ
15日の、「にちようのあさ」に行きました。9時頃の上野は、人通りが未だ少なく、時間調整しようとファーストフード店を探すが、閉まっている店が多く、探し歩いてしまった。
9時30分頃上野広小路亭へ着く。木戸には、珍しく右團治師匠と陽司さんの両名が揃ってた。陽司さんにチラシとドリンクを貰って客席へ着く。

○桂右團治 落語 茶の湯
トレードマーク?の黒でコーディネートした紋付き羽織で登場です。
今頃の季節の話。知ったかぶりのご隠居が、とんでもない茶の湯をやってしまう滑稽噺。小僧の定吉が可愛らしい。
○神田陽司 講談 青龍刀権次
実は今日は自分がトリの日と勘違いして、新作と古典の二つの根多を持ってきたが、勘違いだった。新作はまたの機会にしてこの根多をやった。久々に、陽司さんの青龍刀権次は久々だ。明治維新の時代における光と影。世紀末の今の自分の周辺にストーリやイメージがオーバラップしてしまい、リアル過ぎた。
○桂右團治 落語 幾代餅
花魁の幾代太夫を見初めて、病にまでかかってしまった搗き米屋の奉公人の清蔵。1年分の給金を貯め、身分を偽って太夫と会うが、自分の本当の身分を明かす。幾代太夫は・・・
艶っぽくもあり、人情噺のようでもある噺。ですが、このはなしのようにハッピーエンドなストーリは結構すきだ。寄席でのんびり聞くのに向いている。

今回は新作無し、古典三昧の「にちようのあさ」でした。右團治師匠も実は新作を持っているようなのでいつか披露してもらいたいですね。

さて次回は11/18(土)となり、従って「つちようのあさ」
2000/10/14 糸あやつり人形芝居「雪明かり仄めきて傀儡綺譚」  塩田雪
今日は、日本の糸あやつり人形芝居グループ「おどらでく」の塩田雪さんのソロ・ライブ「雪明かり仄めきて傀儡綺譚」に行ってきました。 場所は、中国首相来日中で、物々しい警備の警官が街角の其処此処に立ち並ぶ、四谷の「石響」。 さて内容は・・・
○操り三番叟(あやつりさんばそう)  出演:塩田 雪
19時10分、拍子木気乾いた音が最初は小さく、次第に大きく鳴り響く。40p程の高さの舞台に、低めの後ろ幕には、松の木の模様が描かれている。鼓の音がPAから流れてくる。舞台の左端から人形が出てくる。後ろ幕の上には塩田さんの上半身が見える。
鶯色の衣装を身に着け、人形を真上から操る。人形がゆっくりと、能を舞い始める。
鼓の音に、静の動き。能特有の床蹴り音(本当は何て言うのだろう)も入り、緊張感漂う作品でした。
○江戸面影勢獅子(えどおもかげいきおいじし) 出演:塩田 雪
今年の1月に。僕が初めて出会った作品。獅子舞の獅子が蝶と戯れる芝居。女性ならではの、ほのぼのとした、そして可愛らしい作品に仕上がってしました。 
○〜八百屋お七・火の見櫓の段〜  出演:塩田 雪
ご存じ「八百屋お七」のお話。吉三郎に渡す刀をやっとの思いで手に入れたお七だが、時刻は九つを回り、木戸が閉まってしまう。このままでは刀を渡せず、吉三郎は切腹となってしまう。やむを得ず火の見櫓に登り、半鐘を打ち鳴らし、木戸を開けさせて吉三郎を救う。
赤い襦袢を覗かせて火の見櫓に登るお七に、妖艶さと女の情念のようなものを感じました。

お仲入り

○シャルロット・コールデーの首とその肖像 出演:塩田 雪、伊東知子
フランス革命の時に革命家マラーを暗殺し、処刑された25歳の女性シャルロット・コールデーの話。
会場の後ろから軽快な6/8拍子のリズムにのって、人形達が踊りながら入ってくる。そして舞台へ。
この作品は、ある時は塩田雪として人形を操り、ある時はシャルロットと同一化して台詞をしゃべるという演出。演劇と人形芝居のコラボレーションといった趣向か。休憩前にやった日本の伝統の芝居と異なり、人形は動の動き。マラーを殺害するシャルロットをダイナミックに描く。
芝居自体は未だ達してない様に見えましたが、日本の操り人形芝居に新たな可能性が開けた作品だと思いました。 又伊東さんの助演も効いていました。
2000/10/ 柳家さん喬独演会 新作落語を語る
柳家さん喬師匠の独演会「新作落語を・・・」に行きました。
さん喬師匠は、ご存じ今年真打ち昇進した喬太郎師匠の師匠で、きっちりした古典をやる噺家さんですが、彼が新作に挑戦するとあって楽しみにしてました。さて内容の程は・・・・
○落語の歴史
オープニングは格調高く?、落語の発生から現在までの歴史をスライド資料や録音音声等を用いて師匠が解説しました。三代目柳家小さんや、初代快楽亭ブラックの貴重な高座の音声や、昭和の名人、 志ん生、金馬、文楽、円生等の音声も聞けただけでも満足です。

○柳家さん喬  くわばら 黒田絵美子 (劇作家、翻訳家) 作
マクラでは、最近仕事で行ったフランスの話をやる。会場は古い教会の大食堂。落語を語っている時にセリフそのままの翻訳では無く、何を今しゃべっているのかの説明をテロップで表示した。くすぐりの処では、お客はテロップを見て笑う。そして師匠を見て笑う。ウケてうれしいがやりにくい。等々・・・
本題の話です。
仕事を干された雷さんが、一家心中を決心したサラリーマン一家の為に雷を落とす仕事を引き受ける事になるが・・・・
ブラックユーモア溢れる作品を丁寧に仕上がってました。

○林家彦いち  にらみあい
ゲストの彦いちさんの登場です。
まくらは、自己紹介、自宅近くを通る物売りの話しをやる。今回の根多は新作落語2000で初出の作品をやりました。したがって僕はには2回目。
仕事の移動で乗った、京浜東北線下り電車が事故で臨時停車。乗り合わせた17歳の男子高生が次第にキレ始める。正義感溢れる彦いちさんは・・・・
初回より話が練られていて、且ついつもながらの硬派な演出が良かったです。

○柳家さん喬  気の長短
古典の根多からこの噺をやった。時間が押しているのが気になったのか、気の長い人の演技が今一つ気が長いように感じられなかったのが残念。もっとイライラする位気長に演じて欲しかった。

仲入り

○柳家さん喬  干しガキ 黒田絵美子 (劇作家、翻訳家) 作
取り根多は今日2本目の新作です。これも黒田さん作の噺。タイトルの「干しガキ」は「干し柿」では無く「干し子供(がき)」。子供のいない夫婦。主人が乾物屋から「干しガキ」を20文で購入。お湯で戻すとかわいい男の赤ちゃんが誕生する。男の子は頭は弱いが、純真な心を持ったまま大きくなる。やがて恋をする。
そして・・・・
人情噺に仕上がった作品です。
50分にもなろうかという長い噺でしたが、師匠は大熱演。下げを言いお辞儀をすると、客席から歓声と熱い拍手が鳴りやまない。
すばらしい本を見事に語ったと思います。