独り言

              

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2000/06/17 芸協新真打披露興業 池袋演芸場
池袋での披露目も千秋楽間近になった最後の土曜日。「つちようのあさ」の後、池袋に直行しました。
池袋演芸場の向かいのラーメン屋で、タン麺をオーダする。と、「餃子サービスしますか?」と聞かれたので「いいです」と応えると、タン麺と一緒に餃子を運んできた。日本語は難しいなぁ。 
ゆっくり昼食を取っていると、向かいの小屋にどんどん人が入って行くではありませんか。だんだん焦ってくるが、スープは熱いし、早くは食べられない。行きたい、食べたい、食べられない。の葛藤に会い、満足感も味わわないまま、向かいのビルの地下にある小屋へ下っていったのであります。
もぎりで昼夜入替え無しなのを確認して、前売りチケットを出すと、「本当に良いですか?」とこれからの8時間耐久落語レースへの参加の確認があった。「いいです」と安易に、あまりにも安易に回答して客席に着く。開演前にも係らず、既に95%の入りだ。今回の披露目の様子は?

         << 昼の部 >>
風亭鹿の子  牛ほめ    得意な「与太郎」絶好調
桂歌助     初天神    強面な、きんぼうがミスマッチで面白かった。
春風亭美由紀  俗曲     今日の踊り「かっぽれ」、力入ってましたね。
三遊亭小円右  馬の田楽   ほのぼの感最高
春風亭柳桜   素人鰻    鰻は生きてましたよ
桂歌春     新作     奥さんがまっていて羨ましい
東京ボーイズ        「孫」根多は3回目だったので、そろそろ、なんだ・・・
春風亭柳昇   結婚式風景  なさそうで、ありそうなチョット可笑しくて、チョットうるうるな噺でした。

お仲入り

新真打披露目 5代目春風亭柳好
昇太師の、大きな名前を継げなかった愚痴根多は、何回聞いても面白い。

春風亭昇太   繋ぎ漫談?
マクラに次ぐまくら。「マクラが長いな」と思った矢先「今一番心配なのは、次の出の歌丸師匠が未だ入ってないんです」のお言葉。さらに師匠の柳昇師匠の根多をやってドッカンドッカンうけたところ(高座開始から30分経過後)で楽屋からOKのサイン!。ガッツポーズで下がっていく昇太師なのでありました。
桂歌丸     馬のす  
遅刻の言い訳から入ります。何時もは2本撮りの笑点が、今回は事情があって3本撮りになってしまい、間に合わなかったそうです。笑点ならしょうがないか。この撮りの仲であった若手大喜利に、北陽さんが出たちか、出ないとか。(司会の昇太師がここに居るのに)
ボンボンブラザース 安心してみていられる、江戸太神楽の現代版でした。
春風亭柳好    のっぺらぼう
得意なエンドレス落語を演じて追い出し太鼓。遂に最後の最後までTシャツ姿が見れませんでした。

         << 夜の部 >>
桂枝六     たぬ札    前座話らしい、可愛らしい噺
桂快治     寄り合い酒  「ん」のことばあそびで、ご褒美に田楽がもらえる噺
桂平治     酢豆腐    初夏にもってこいの噺。「ちりとてちん」や「ちんとんしゃん」も忘れずに!
桂小南            「コナン」を思い出させた師匠でした。
松旭斎小天華         忘年会根多を種明かししてくれて、ありがとう。
桂伸治     片棒      僕の好きな噺。僕は、けちなのかな。
三笑亭夢太郎  竹の水仙    この噺で、喬太郎師はトリを取った日があったな。
ローカル岡   漫談      彼のギャグに乗せられている分があるのでは・・・・ 
桂文治            
右團治師匠の師匠の高座。年取ると体のいろんな所が悪くなる。という内容のマクラ。師匠がやると実感がこもっていて・・・・

お仲入り

新真打披露目 初代 桂右團治
文治師匠は、厳しい師匠で(本当に厳しい師匠らしく、どの師匠に文治師匠の話を聞くと厳しいと語る)この師匠に右團治師匠が入門したのですが、この入門時の経緯や修行時代の話を、自慢げに語る文治師匠が印象的でした。

三遊亭小遊三  クモ駕籠    
駕籠かき(昔のタクシードライバ)をクモ助といいますが、クモは「雲」なのか「蜘蛛」なのかは、諸説あって定かではないみたいです。
桂米丸     新作の短編2作
今回は最近あった怖い噺を2作やりました。大ベテランになっても常に斬新な新作を発表し続ける師匠の姿に頭が下がります。師匠の新作はどれも老若男女が楽しめる作品になのが素晴らしい。
翁家喜楽・喜乃 江戸太神楽
今回も喜乃ちゃんの五階茶碗の曲の中で、中継ぎのマリというD難度の技を完璧にこなして拍手!
桂右團治    禁酒番屋
彼女がよくやる噺です。得意根多なんでしょう。番屋の役人がだんだん酔っ払っていく姿が良かったです。
2000/06/17 つちようのあさ
一応最寄から電車に乗る前に、お江戸上野広小路亭に電話して、今日の「つちようのあさ」が開かれることを確認して電車に乗り込んだ。9時40分にお江戸上野広小路亭に到着。右團治師匠が木戸をやっていた。散髪に行ったらしく芸人さんカットが決っている。今日の根多について少し話をそていると、2階から陽司さんが降りてきて、別の会のチケットを買わされてしまった。(^^)

さて今回の「つちようのあさ」の様子です。
最初は神田陽司さんの日さびさんの新作「映画解説 アイアン・ジャイアント」です。
陽司さんが影響を受けた大阪の浜村淳氏のい映画解説を参考にして作った作品です。映画の方は、最近のものらしいですが、私は見てない作品です。宇宙からやって来た鉄を食べる30mの巨人。この巨人と仲良くなる少年。巨人を倒そうとする米軍の男の絡みを、ストーリを追って説明していきます。
映画自体は、講談になり易いものだったと思います。久々の新作を聞けて満足でした。

続いて桂右團治師匠の「す豆腐」。夏の話で、暑気払いに一杯飲む算段をした町の若者たち。酒は有るが肴が無い。昨日の晩の残りの豆腐を思い出す。しかし既に腐っていて、表面はカビだらけ。
この元豆腐を、キザで気に食わない若旦那に食ベさせる噺。さげや内容が少し変えてあるが、同じ噺で、「ちりとてちん」、「ちんとんしゃん」がある。右團治師匠は、酒飲みの話が好きなのかな。
若旦那をもっとキザにやっても良かったかな。嫌味が少し弱かったかも知れませんが、これは好みの問題でしょう。
サゲをやって、右團治師匠が頭を下げます。すると、突然追い出し太鼓が鳴り、「ありがとう〜ござい〜ましたぁ〜」と「つちようのあさ」の後に行われる昼席の前座で入っていた、ブラ房さんが間違えてしまい、続いて高座に上がろうとしてスタンバっていた陽司さんが袖で、苦笑いをしてました。お客さんも大爆笑。
右團治師匠が、「今のは追い出し太鼓じゃありません。にぎやか太鼓です」と粋な台詞を言って下がり、今回のトリの陽司さんと交替です。
しかし、真打が座布団返したり、メクリをめくったりしながら、しかもお客さんに話し掛けたりする貴重な寄席はこの「にちようのあさ」だけでしょう。

最後は陽司さんの古典「赤穂浪士の中山安兵衛」の物語をやりました。
高田馬場へ駆けつける前までの物語でした。赤穂浪士の物語は47人分とその家族の話もあり、又吉良側から見た物語もある。一体どれくらいの物語が作られているのだろう。

最後に、本当の追い出し太鼓が鳴り響き、幕となりました。
次回は7月16日のにちようのあさです。
梅雨は明けてるだろうか。
2000/06/10 雪あそび
遂に入梅したこの頃ですが、湿っぽい空の中、雪あそびに来ました。雪あそびといってもあの白くて冷たい雪じゃないです。水戸太神楽の柳貴家小雪さんの 第一回勉強会 at お江戸日本橋亭に着たのです。はい。
この会は実はチェックしていた分けでは無かったんです。実は今日の「花形演芸会」で新真打の、太平喬太郎を、大胆にも当日券で見ようと国立演芸場に行ったのですが、「立見ですよ」とテケツのおばさんに言われて、諦め、次の候補である「陽之助の怪」へ向かう為、半蔵門線に乗ったのです。座席に着いて「東京かわらばん」を眺めていたら、「小円歌」の文字が目にとまりました。ファンの小円歌姉さんがお江戸日本橋亭にゲスト出演する会が今から有るじゃないですが。「これを今見ないでいつ小円歌姉さんを見られるのか!」と実に不純な動機でこの会に来てしまったのです。 陽之助さん、松鯉先生そして、小雪さんゴメンナサイm(_ _)m pekori

という訳で半蔵門線を途中下車して着きましたお江戸日本橋亭です。前の道路には、大型貸切バスがが止まっています。団体で見に来るお客さんがいる小雪さんて何者だろう。
開演30分前にも係らず6割方席が埋まっております。僕はとりあえず前の席をキープして、今日のプログラムを見ます。なんと浅い出番を落語2席で、仲とり以降を色物で締めるという掟破りの趣向。落協チャレンジャーな会なのでありました。ではプログラムに沿って感想などを少し書きます。

●林家はなふぶき 寿限無(IME2000では一発変換出来なかったので単語登録してしまいました)
ちゃら〜んな、こん平師匠のお弟子さんの先ずは前座ちゃんから登場です。マクラではお客さんと一緒に数字あそびで盛り上がりました。(1+5はイチゴでは7+5+3は? 七五三と答えるのは素人さん。コレも15なので答えはイチゴ。みたいなクイズを何問かやりました)噺は、怒涛の寿限無攻撃で、前座魂を魅せられました。赤い着物が似合う前座ちゃんでした。
三遊亭歌彦 締め出しの若い男女の話
この会で黒一点。唯一の男性芸人である歌彦さんの高座。この季節によくやる噺でしが、タイトルが思い出しません。将棋に夢中になって帰宅が遅くなった青年と、友達とおしゃべりに夢中になって帰宅が遅れたお隣に住む幼馴染の娘。お互いに閉め出しを食ってしまい、青年のオジの家に二人で泊めてもらいに来ますが、このオジが早とちりな人で、勘違いをして気を利かせてしまい、この男女が粋な夜を迎える噺です。
この噺は10年以上前ですが、圓菊師匠のが印象的でした。実に爽やかな若者たちを実に悔しそうに演じているのが記憶に残っています。
●柳貴家小雪 太神楽
オレンジ色の着物に鶯色の袴、卒業式カットのロングヘヤーで、小柄な娘が下手から登場してきます。あ、この娘が小雪さんだ。ちょっと緊張してるかな。傘や鞠の曲は江戸太神楽でもよく見ているのでまっこんなもんか位に見ていましたが、皿まわしで、回す棒がクの字に組まれた3本の梯子が、皿と一緒に回転するのを、バランスを取りながら支えるのを見て、ヲ〜!と叫んでしまった。クライマックスは、水戸太神楽だけに伝わる曲である「カゴマリの曲」をやります。横長い竹で編んだ駕籠に高低二つの棒に皿がついた駕籠道具を使った曲です。玉を駕籠の横から出し入れ、皿に乗せたり、二つの玉を入れ替えたり実にスピード感溢れる見事なさばきで進めます。スキの無い見事な曲に拍手でした。この娘はただの芸人さんじゃ有りません。実は、師匠でもあり実父でもある、水戸太神楽18世家元・柳貴家正楽に師事し、5歳からこの道に入っているサラブレッドなのでした。そして若手芸人の勲章である「花形演芸会」金賞の栄冠を史上最年少14歳で受賞した娘なのでした。この天才娘の会を見に、郷里水戸から正楽ファミリーが団体で見に来ていたのでした。因みに僕の座っていた席の真後ろが、おじいちゃんで、孫の自慢を、するする(^^;

お仲入り

●三遊亭小円歌 三味線漫談
ここでお目当てであり、今日のスペシャル・グェストの小円歌師匠の登場です。でっけ〜 三味線がウクレレに見えます(ウソ)
芸協には美由紀さんが居ますが、落協には更に輪をかけたチャキチャキのお姉さんの小円歌姉さんが居ます。三遊亭圓歌師匠のお弟子さんです。妖艶さとお茶目さが同居して、巧妙な喋りと巧みな三味線と歌が武器の凄いお姉さんです。存在感120%です。 知らない方はここを見て下さい。
三味線を抱えて座っただけで実に艶っぽい空気を客席に送ります。
僕はこのお姉さんの踊りが大好きです。今回は深川と、かっぽれを踊って頂きました。妖艶さを隠して、凄い男踊りをします。これがsexy!

最後は、小雪さんの師匠であり、父である正楽師匠のウルウルな挨拶と、御めでたい太神楽の締めである三本締めを、小円歌姉さんの音頭でやって御開きとなりました。

終演後、木戸口で「ありがとうございました」と星の入った瞳の小雪さんに送られて、良い週末を送れたかなと思っています。
2000/06/03 目黒幸子の語り芝居
久々に四谷のコア石響に行きました。
超満員状態でした。人いきれで冷房が効かず、少し汗ばむ場内です。
今回の目黒幸子さんも語り芝居も初体験です。
演目は、「魔術」 芥川龍之介
    「清貧譚」太宰治
純ブンガクである。僕には難解すぎるかな。等始まる前は思ったりしてた。
19時、開場の照明が落ち、暗闇となる。暫くして舞台右にスポットが当たる。そこには演者である目黒幸子さんが立っていた。暗天状態になった時点で僕は集中し始めているので、目黒さんが出現した時点では、既に作品に気持ちが違和感なく、スッと入り込んでいった。見事な演出だ。今日の芝居(芝居は殆ど全てかもしれないが)は照明の使い方が良かった。時間の経過や心境の変化がライティングで実に良く表されていた。目黒さんの声は肉声だけで、PA無し。息遣いまでがリアルに伝わってくる。
さて「語り芝居」ですが、一人芝居なのですが、台詞を喋ると言うよりは、物語を読む様に語り進みます。体の動きは極力押さえられていてた。台詞以外の説明部分が多く、読むと言うことでは、落語と言うより講談に近いと思う。動き回る講談か(例えが上手く無い)。

作品について少し書こう。
「魔術」は芥川氏の良くやるパターンである、夢を実現するために戒めを設定し、これを破ってしまい、夢が破れるパターンだった。「くもの糸」や「杜子春」と同じパターンの小作品です。
この作品では、魔術を会得するには欲を捨てなければならないが、捨てきれずに結局魔術を会得することは出来ないという設定でした。
「清貧譚」ですが、時代は江戸時代。主人公は貧しい青年。この青年、菊栽培には金の糸目をつけずにいた。あとは簡単に筋を書けそうにないので、ここを見て下さい。

平野啓子さんとも少し異なる語りの世界でしたが、興味深い会でしたよ。
2000/05/14 にちようのあさ
陽司さんが髪を切ったのを見てビックリ。
●右團治 豆屋
黒の着物に紋付で登場。拍手!
ぼてい振りの豆屋とムチャクチャなお客の話。 気の弱そうな豆屋が良かった。
●陽司 蘇我物語の新作古典
今度結婚式の司会の仕事をすることになって、トレードマークのちょんまげを切ったらしい。
話の方は、新作古典。蘇我物語全巻16時間を32分でやった。本物の策士の凄さが分かった。
次回はオリジナルな新作を頑張るそうです。楽しみ。
●右團治 八五郎出世(妾馬)
妾馬の前半と最後をやらないので、妾馬のタイトルじゃなく、八五郎出世の方が分かりやすい。
妹をほめ、殿様に妹を大切にと頼むシーンは、少しウルウル。
2000/05/13 右團治真打昇進披露興業 in 浅草演芸場
柳好師匠のは間に合わず見れませんでした。右團治師匠の主任の夜の部だけ、かいつまんで書くことにします。

神田ひまわり 笹野権三郎の海賊退治 久々にひまわりさんの高座を見た。何時もながら良い語りっぷり。
●桂文治 牛ほめ
真打昇進披露口上 左から蝠丸、小遊三、右團治、米丸、文治
文治師匠の口上「右團治は、早稲田大学の法学部を卒業して、ホウガクを間違えて噺家になった・・・」
口上の最後にお客さんから絶妙なタイミングで声がかかる。この寄席は、お客さんも通が来るようだ。
小遊三師匠の口上も面白かった。
桂米丸 ジョーズのキャー 映画ジョーズと悲鳴をあげるサクラの噺。ラストで、プレイバックを3回やって3回とも別のサゲをやる構成が凄い。
●三遊亭小遊三 代わり目 酒飲みの旦那とできた女房のほのぼのとした噺。今回もそうですが、さげまでやらないので、代わり目というタイトルと噺の内容が一致しない。 小遊三師匠の酔っ払いの芸が秀逸。
桂右團治 気の長短 聞いていて、いらいらするくらい気の長い、長さんが良かった。
2000/05/12 風光寄席
途中から入場。仲入り前だった。
神田山吹 レ・ミゼラブル〜コゼット
高座が10日ぶりで、調子が上がらなかったみたいです。次は頑張って。
●ヴィンテージ 漫才
テンポ良く根多をこなしている感じ。
●野口よういち ものまね
5時から芸人。自宅から会社までの出勤途中下車の旅。下車駅ごとに物まねをする。
寄席ウケする根多だった。
三遊亭太一 湯屋番
ポピュラーな話であり、今の季節に合った、湯屋番をやった。元気なおじいちゃんでした。
2000/05/04 桂右團治、春風亭柳好真打昇進披露興行 in 新宿末広亭
5月1日から始まった、落語芸術協会の真打昇進披露興行を、今回は新宿末広亭におじゃまして見て来ました。
上席昼の部開演から1時間遅刻で、末広亭へ到着。木戸で「立ち見だよ」と言われて覚悟して入る。GWでもあり、凄い数のお客さんだ。客席両側通路まで立ち見客でいっぱい。300人近くは入っているようです。
芸協は、昼席と夜席に二人の真打を分けて披露目をやります。今日はこれから21時過ぎまで、8時間超の長丁場となります。(地獄だ〜)  途中からですが、簡単に様子を書きます。
<昼席>
●桂伸治 皿屋敷 少し早いがお化けのはなし。 18枚数えて翌日はおやすみ。
●三笑亭可楽 すもうのお笑い  相撲界のはなしを漫談風に語る。
キャンデーブラザース 曲芸 二人組みの曲芸。江戸太神楽でいうと、傘の曲と、撥の曲をやる。
●春風亭柳橋 強情灸 最初はこの人は枯れたと思ってたが、クライマックスの絶叫はリアルだった。
●江戸屋猫八 猫八噺
久々に師匠を見た。いいおじいちゃんになっていた。先代(父親)の話や自分史を漫談風に語る。最後はうぐいすを鳴くが、三回目に成功して下がる。
●桧山うめ吉 俗曲
修行を終え、今年高座デビューのうめ吉ちゃんの高座。着物に日本髪姿が、寄席の中で見ても艶やかで素敵だ。表情が少し硬いのは未だ緊張しているのか。三味線と唄で、民謡を三曲やり、奴さんと姉さんを踊る。「やっこさんだよ」の声が初々しいく、耳に残る。日本髪は地毛だろうか。
●桂文治 気の長短
右團治師匠の師匠の高座。気の長い長さんと、短気の短七さんの話。両極端な性格を会話と仕草で見事に表現してました。

中入り

●真打昇進披露口上
緞帳が上がり5名の姿が見える。左から柳家蝠丸、春風亭柳橋、桂右團治、桂歌丸、桂文治。
一番左側の人が司会というのは、落協とおなじ。亭号は違うが右團治の兄弟子に当たる蝠丸師が司会だ。堅苦しいところが無く楽しく披露目を進めるのも落語界ならではか。落協と異なっていたのは、落協の時は、当人はお辞儀しっぱなしで顔を上げることは無かったが、芸協の場合は、顔を見せるところ。
口上の一幕、「あたしが通っている床屋ぁ探し出して、髪ぃ切って、男として修行して真打になったのは、落語界では右團治だけ」と文治師匠の自慢たっぷりなことろが印象的でした。
確かに13年で真打という、決して遅くない年数で、しかも芸協初の女性真打ですから、見えないところでの努力は、人一倍だったでしょう。おめでとうの気持ち目いっぱいで、三本締め。

●ローカル岡 漫談 寒い芸が魅力だが、今日のお客さんには、大爆笑・馬鹿ウケ。こういうことも・・・
●柳家蝠丸 酢豆腐(ちりとてちん) 初夏の噺。表情が実に良かった。
●桂歌丸 後生鰻 この師匠の初めて聞く古典落語だ。最近は古典な人になったと雑誌に書いてあった。
●東京ボーイズ 漫謡 三味線とウクレレのハワイアンや、ブルースが面白かった。
●桂右團治 禁酒番屋
黒の着物と紋付で登場。「待ってました」の掛け声がかかる。マクラで未だ何をやるか決めてないと言い、舞台右隅にあった、お祝いの酒樽にちょいと目をやり、酒飲みのマクラに移り、この噺に入った。落ち着いていて何時もどうりの高座に見えた。得意な人情噺をやってお客さんを泣かすと思ってたので、この噺は以外だった。
「この正直ものめ」で座布団を外し、お辞儀をする。
追い出し太鼓と前座さんの「ありがとう〜ござい〜ました〜」の声がして、緞帳がしまる。
これから残り20日余り、どんな根多をかけるのだろう。今度は夜席主任の時聞いてみよう。
楽屋口に時々、今日のトップバッターだった神田ひまわりさんの姿が見えた。前座さんの仕事をてつだっていたようだ。こちらもお疲れ様。

<夜席>
●春風亭鹿の子 牛誉め  久々に彼女を見た。 右團治師匠に続け
●春風亭柳之助 くしゃみ講釈  途中の、講談を語る場面は、本職はだしの芸。
●春風亭柳桜 人形買い 丁度今の時期(5月の節句)のはなしで、お祝い。
●鏡味正二郎 江戸太神楽  精悍な青年。傘、撥の曲を見事に極めました。
●雷門助六 小噺とおどり 師匠の人形振りの「奴さん」はいつ見ても素晴らしい。
●三遊亭夢太郎 桃太郎 名前にかけてこの噺にしたのか
●扇騙 音曲 代演で登場。都都逸を粋に唄って下がる。
三笑亭笑三 題名不明 結婚相手は全て妹かぁ!という新作。
●三遊亭遊三 題名不明 ゴルフ、「あいうえお」の歌など漫談風に語る新作。師匠の新作は今回が初めて。
●北見八重子 マジック 種証あり。子供にうけてた。
●昔昔亭桃太郎 ニュース解説 時事を扱った小噺の連続技をやる。
●春風亭小柳枝 青菜 最後に登場する大工の熊さんが最高に面白かった。
●D51 漫才 兄弟の漫才。お馴染みのスリッパを被る行事根多。芝居出身というからオドロキ。
●春風亭柳昇 すき焼
柳好師匠の師匠の登場。新作人情噺を披露。兄のところに、妹が借金に来る。兄は貸せる金がない。そこで今晩のすき焼きにと買って置いた牛肉を持たせて帰す。そこに女房がもどり、バス停で妹を見た事から、さっきのはなし。女房が主人名義の貯金通帳を見せる。早速妹に電話する。 師匠の人情噺は久々。

中入り

●真打披露口上
今度の5名は、春風亭昇太、春風亭小柳枝、春風亭柳好、三遊亭小遊三、春風亭柳昇
昇太さん、紹介で、小遊三師匠を春風亭小遊三と亭号を間違え、それから、「柳好」といえば大きな名前。僕が真打昇進した時は、そんな話もなくこのままで良いという事かのか・・・で会場爆笑。
小柳枝師匠は、「本来、柳好はあたしが継ぐはずだった名前・・・・」
小遊三師匠はの口上は、柳好さん、あんなやつ(昇太さんを見て)を先輩と思わず、遠慮せずに頑張ってください。
柳昇師匠は、高座の途中でお客さんが帰るというのは、非常に辛いこと。今日で柳好をダメにするかどうかは、お客さんにかかってます。  と大爆笑の披露口上がお開きです。

新山ひでや・やすこ 漫才
途中シャンソンの「枯葉よ」を「アロハよ」とやすこさんが間違って歌ってしまい、本人これがつぼにハマッテ笑いが止まらず、舞台メチャクチャお客さん大爆笑。
●春風亭昇太 ストレスの海 ブラックユーモアな新作。 最高!
●三遊亭小遊三 なつどろ
盗みに入ったは良いが、その家の主人が貧乏で、逆に金やタバコをを遣ったりの間抜けで優しい泥棒の噺。 しょうがなしに懐から金を出す泥棒の表情が良かった。大爆笑。
●翁家喜楽・喜乃 江戸太神楽 父と娘のふたり。娘が簡単にあの五階茶碗の曲+間2個玉撥くわえを成功させたのでビックリ。 袖で、鏡味正二郎さんが、拍子木で効果音を手伝う。
●春風亭柳好 のっぺらぼう
今回の披露興行で注目していたことの一つは、柳好師匠が着物の下に、Tシャツを着て高座に上がるか、でしたが、Tシャツは着てませんでした。まくらの中を少し。披露興行がはねた後、師匠や先輩達を招待して一席設ける事になっていて、これが30日続く。5月3・4・5日は銀行が休みで、現在現金で、ん十万入った財布が楽屋に置いてある。この財布が心配で・・と言ったところで、すっかり着替え終わった小遊三師匠が袖から出てきて、「この財布かい」と客席に見せる。柳好師匠慌てて財布を奪い、「あの師匠が一番心配」とコント仕立てのマクラで大受けして本題に入る。
のっぺら坊のかみさんの夢を見たと、かみさんに話すと、かみさんが「こんな顔かい」と顔を見せて旦那が気絶。目が覚めてのっぺら坊のかみさんの夢を見たと、かみさんに話すと、「こんな顔かい」と永遠に続く、最も長い落語というのをやりました。
着物の「襟止め」という器具があることが分かった。
次回は着物の下にTシャツを着た姿を見たいが、もう見られないかも。  今日は疲れた。
2000/04/30 お江戸日本橋講談会
 17時10分日本橋亭に到着。未だ木戸は始まってません。お客さんは外のベンチで座って待ってます。僕は近くのコンビにで、買い物をして戻る。木戸は始まっていた。京子ちゃんが受け付けをやっている。陽司さん割引で木戸銭を払い客席へ向かう。最前列の中央部は既に先客有りなので、右端に陣取り準備を整える。隣には最近着物を着始めて、すっかり若旦那風に変身した常連さんが座る。
おや、お相撲さんが居るぞ。陽子さん絡みのお客さんか。さあ開演です。
神田京子 違袖の音吉
やくざの親分に喧嘩をうるチャレンジャーな少年の話。大阪弁バージョンを陽司さんの高座で聞いたことがある。どうみても負けっぱなしの少年の前に立ちふさがり、どうか息子を助けてくれと、哀願する親分の母。この存在がポイントですね。京子ちゃん、この肝心の場面で台詞をかんでしまう。息を呑んで聞いていたお客さんの前で、見事アドリブで対処しました。
なかなかやるじゃん、京子ちゃん。
終わったあとで、後ろをみると満員状態。膝送りが始まる。
●神田小松 大名花屋
花屋を継いだのが実は大名のご子息だったというシンデレラボーイの話。←説明が乱暴すぎ
今日の小松ちゃんの娘役は色っぽかった。
●神田陽司 坂本竜馬・抱志
この話は今日で3度目になる。ストーリは分っているが、演じ方が毎回少しづつ異なり、毎回楽しめています。満員のお客さんの前でやれて陽司さんも気分が良かった事でしょう。
終わったあとまた膝送り。もう舞台にひざが当たっている。これ以上前へは行けないよ。
●神田陽子 女相撲・大関若みどり
昭和初期に女相撲で大関(女相撲の最高位)まで昇りつめた、若みどり関の一代記を熱演。
終わった後、会場に来ていた、若みどりの親族の方と、それから関係の深かった相撲部屋(部屋の名前は忘れてしまった)の力士(前に書いたあのお相撲さん)が、陽子さんから紹介された。
拍手!

ここでお中入り

●神田山吹 柿の御意見
満員のお客さんの前に立ち、少々上がり気味の山吹ちゃんです。袖の小松ちゃんにブイサインをしてから出てきます。白地に大きな花柄の着物が艶やかです。マクラで最近ちょっと丸くなりすぎてビックリした。差し入れは甘いものじゃなく、どうか塩せんべいにしてください。とやり、大いにうけたところで、本題に入ります。この話は山吹ちゃんがよくやる話で、何回も聞いた話です。声もよく出ていてなかなか調子良かったみたいです。
●神田松鯉 勧進帳
松鯉さんの口調にぴったりの弁慶の話。男っぽさと力強さがよく表現されてます。この話で芸術祭で受賞したそうです。義経を打つ弁慶と、それを知って、敢えて彼らを逃がす敵方の武将の涙のシーンと、その後の弁慶の男泣きのクライマックスシーンは圧巻でした。

最終的に125名というお客さんが入ったそうです。素晴らしい講談会でした。
2000/04/28 風光寄席
寄席という名前ながら、噺家さんが一人も出ない、「はなきん寄席」のような奇妙な寄席に行ってきました。
奇妙と言えば、この寄席には司会有り、めくり無し。 中国語のBGMが流れるというすごさ。
内容は
●獅子ガールズ マイナス・ワン 江戸太神楽

 獅子ガールズと聞いて何のことか分ればあなたは通です。 江戸太神楽鏡味小仙社中から女性3人の登場です。
 4人揃うと獅子ガールズですが、今回は3人なので、マイナス・ワンと勝手に付けさせてもらいました。
 傘の局。撥。輪なげ、南京玉すだれなどを披露。
 野毛大道の疲れか、今回はミスが多くショッパかった。でも笑顔はいつもどおり。次回に期待。
 
●TENJIN 漫才
 今月は、3回もステージを見ているので個人的には食傷ぎみですが、いつもどうりの、乗せては外す根多が受けてました。最近山ちゃんの絶叫があまり聞かれなくなりましたが、スタイルを少し変えたのか。

●ここで司会者紹介。 清水英彰 
 師匠の前田隣さんが未だ入らないので、漫談で時間を稼いでます。男らしくない自動販売機や男らしい公衆電話根多が面白かった。

●ヴィンテージ 漫才
 プログラムには有りませんが、飛び入り参加です。デビューしたばかりの若い(二十歳くらい?)コンビです。根多は練られてます。話術が身に付いて来れば上手くなると思います。頑張ってください。

●前田隣 漫談
京浜東北線が事故で遅れたそうです。いつもどおりの毒舌漫談(世間話)と親亀の背中に・・の早口言葉を元気にやってくれました。63歳。ただいま新婚生活中。若い!

●春風亭美由紀 俗曲
休憩を挟み、幕が再び開くと、青い鮮やかな着物姿の、お姉さんが三味線を持って登場です。やっと寄席らしくなってきました。 三味線や都都逸を初めて聞くお客さんが多いみたいです。そんな理由で、お客さんはキョトンとしている人もいましたが、こういう芸は寄席でしか見られないので、気に入ってもらえたお客さんがまた来てくれるといいですね。

●神田陽司 講談 「講談インターネット」
今回の根多を決めるにあたり、「この寄席がは、講談若葉マークのお客さんが殆どですよ」と陽司さんにコメントしました。そんな事もありマクラでは、講談の説明や、修羅場(しらば)なども少しやり、今回の根多に入ります。物語は忠臣蔵本伝をベースにしてますから、誰でも知ってますし、今や生活の一部にもなりつつあるインターネットを織り込んだ話になっていて、途中途中に陽司さんお得意の図解入りの説明が入り、非常に分り易かったのではないかと思います。話の結びも決まっていて良かったです。
今回の話を聞いて、講談て面白いんだと感じてくれたひとがいれば、陽司さんを聞きに寄席に来てください。
私のHPに予定がUPされてますよ。

寄席2回目ということで、お客さんや、芸人さんから苦情もありましたが、次回はそれを修正して良い寄席にしてほしいものです。
2000/04/27 喬太郎、太平真打披露興行 in 池袋演芸場
落協の真打披露興行も大詰めになってきました。今回は、最後の寄席である、池袋演芸場にお邪魔しました。平日の昼席にも係らず、満員立見状態でした。
●柳家三之助 道灌
アサダ二世 マジック
●林家うん平 強情灸
●柳亭市馬 題不明
●林家源平 幇間腹
●あしたひろし・順子 漫才
●柳家さん喬 そば清
●鈴鈴舎馬風 題不明

中入り
●真打昇進披露口上
左から、馬風、こん平、太平、喬太郎、さん喬、志ん朝、圓歌
馬風師匠の巨人肩入れ応援だけの口上と司会で始まりました。
志ん朝師匠の音頭で三本締め。馬風師匠にやられた口上でした。
●三増紋之助 曲独楽 風車に警戒せよ。
●古今亭志ん朝 漫談風の新作
●三遊亭圓歌 中澤家の人々
●林家こん平 方言は国の宝
●林家たい平 七段目

歌舞伎の勉強をよく遣っているのでしょう。歌舞伎役者さんの物まねが良かった。
今日もアクセル全開の高座でした。
●林家小正楽 紙切り。
●柳家喬太郎 飛騨の甚五郎
旅日記から、竹の水
初めて喬太郎師匠の古典落語を聞きました。ふ〜んて感じ。やっぱり喬太郎さんは新作が好きです。
2000/04/22 窓をあければ吉
4時頃池袋演芸場に行きました。たい平、喬太郎両師匠の真打披露興行を見るためですが、あいにく超満員立ち見状態で、2500円。木戸のお姉さんに、「1000円にまかるかい?」と聞くと「まからないよ」との事。諦めて、夜席の三遊亭吉窓師匠の独演会「窓をあければ吉」を見ることにした。

●「タラチネ」 いち玉
 前座話の代表作タラチネ(漢字が書けない)をやりました。声がハイトーンで女性も上手く演じられてました。
「日和違い」 吉窓
 初めて聞く話しだった。
「花見酒」 五街道佐助
 目鼻立ちがすっきり爽やかな青年の登場です。31歳独身。おねえさんたちに人気が有りそうな美形な二ツ目さんです。酔っ払い二人組みを上手く演じてました。
●対談 吉窓&佐助
 吉窓師匠が佐助さんにインタビューする形でトークが進みます。佐助さんは兵庫出身で、二十歳の時上京。志ん生の芸を目指したくて、今の師匠に弟子入りした等の話しを聞き出してました。そうなんですね。志ん生師匠の長男 であり、弟子である馬生師匠の弟子が五街道雲助師匠で、その弟子なので志ん生一門なのです。
応対も爽やかで将来楽しみな噺家さんでした。
対談の後は踊りを披露しました。最初は吉窓師匠の「なすとかぼちゃ」次が佐助さんの「深川」真っ赤なステテコが印象的でした。 着物は見えないところにおしゃれをすると聞いてましたが本当なんですね。
「鼓ヶ滝」 吉窓
 講談で以前聞いたことのある話しでした。主人公の歌詠み人が、滝の近くで歌を作ったが、睡魔に襲われ寝てしまう。夢の中でその歌を手直しされて、最初はムっとするが、格段に良い作品に仕上がったので喜ぶところで目がさめる。夢の中の手直しをした人は歌の3代神だと悟る。という話し。サゲが効いていて良かった。

中入り

「愛宕山」 吉窓
 京都の愛宕山登山をして山頂で小判を撒いて散財遊びをする旦那と、お供の芸人の話し。この話しは、上方落語なので、上方の噺家さんがやると、鳴り物は派手にはいるし、演者の動きも大きく、大胆な趣向が楽しめますが、江戸前は地味にやるので、会話だけが命の作品です。しかし、崖から上がるラストシーンは、汗ビッショリで大熱演でした。よかったです。

久振りにベテラン真打の独演会を見ましたが、楽しめました。
2000/04/15 太平・喬太郎真打昇進披露興行
林家太平さん、柳家喬太郎さんが真打昇進して今日が25日目。雨の中ですが落語協会本年度昇進披露興行に行ってきました。場所は浅草演芸場の昼席。上野鈴本、新宿末広亭とこなして、現在は浅草。浅草演芸場が終わると最後は池袋演芸場です。今日はちょうど中間点を過ぎたあたりです。
到着した時には既に1時間半が経過していて、プログラムの1/3が終わったところでした。ここからざっと書いていきます。
○漫才 すず風にゃんこ・金魚
いつもバレリーナのような派手な衣装をつけて登場です。可愛い系のにゃんこさんと、そうでない系の金魚さんの漫才です。今日はなりたかった職業などの根多をやりました。小父さん、お爺さんばかりの演者の中の一服の清涼剤。
○落語 入船亭扇喬「人形買い」
初節句のお祝いに人形を贈ることになり長屋20件から5円を集め人形を買いに行きます。10円の人形を4円に値切って買ったって、帰ってから長屋で人騒動ある噺。今日は雨でしたが五月晴れの午後をイメージさせる作品です。
○落語 柳家さん喬「時そば」
ご存知喬太郎さん、いや喬太郎師匠の師匠の噺です。この時期には珍しい「時そば」をやりました。坊ちゃん刈りが印象的な師匠です。今日の噺では、蕎麦を食うところが絶品でした。客席からも拍手が起こりました。
○江戸太神楽 翁家勝之助・勝丸
芸協の寄席では鏡味社中が出ますが、落協の寄席ではこの翁家が出ます。出し物はどちらも変わりません。今日は、傘を使った回し物を最初にやり、五階茶碗の曲に入ります。撥と撥の間にボール2個を挟んで立てるD難度の曲を簡単に極めてしまいます。スゴ〜イ。最後は二人で輪投げ。3枚・5枚・6枚と見事に投げて拍手喝采で下がります。
○落語 三遊亭圓歌「中沢家の人々」
落語と言うより漫談というかんじ。マクラだけでくすぐり(10分程度で)下がります。太平・喬太郎ご両人に、時間をたっぷり取らせてあげた粋なやり方です。流石は会長です。

ここでお仲入り。

○真打昇進披露口上
緞帳が上がると、今日の取りを取る喬太郎師匠の後ろ幕が見えます。大学の落研OB提供の後ろ幕です。ここで会場を見渡して見ます。客席左右には生花のお祝い。壇上両側にもたくさんの花のお祝いが並ぶ。フジテレビ、立川流、等など様々な面々の名札が見えます。
舞台真中に5人のお辞儀姿が見える。 顔を上げると左から、橘家圓蔵、林家こん平、林家たい平、柳家喬太郎、柳家さん喬、三遊亭圓歌。円蔵師匠が司会を勤め口上が進められます。
最初はこん平師匠の祝いの口上。
続いてさん喬師匠の祝い口上面白かったので内容を少し・・「たい平さんはしっかりしているので大丈夫です。ましてやあのこん平師匠が後ろ楯ですから何の心配もありません。それに引換え喬太郎は、あたしの初弟子で師匠弟子揃って初尽くし、先行き不安です。お客様、どうか喬太郎だけを贔屓にひとつ宜しくお引き立て下さい。」客席どっと受けて、拍手の嵐。
最後は会長の圓歌師匠の祝い口上。大平・喬太郎の若葉マーク師匠達は終始頭を下げたままの状態でこのイベントが経過していきます。
圓歌師匠の口上で終わりかとおもったら、こん平師匠が口を開きます。さっきは真面目な口上だったのですが、今回は「どうでもいいけど、円蔵師匠。今日で25日ですよ。いい加減に壇上の5人の名前を覚えてください。」と祝いの花の後ろに隠してあったカンペを客席に見せる。円蔵師匠はおおいに照れる。後の四人倒れ幕が下がります。
真打披露の時、お客さんや後援会等からお祝いで作ってもらう後ろ幕は、この後何に使ていくのでしょうか。
疑問を抱えたまま終了。
○曲ごま 柳家とし松
三増紋の助さんや巳也さんでお馴染みの曲独楽です。曲ごま師の人たちはよく、太神楽と間違われて、傘で何か回してみろとか、ジャグリングやってくれとか言われるそうですが、そういうのは出来ません!。
今日は、独楽の刃渡りや風車をやって早々と下がります。
○落語 林家こん平 演題不明なためキーワード「田んぼ」
新作です。前にある田んぼだけら前田さん。山の中にある田んぼだから山田さん。川のそばにある田んぼだから川田さん・・・お米は日本人にとって大切なもの。皆さんお米を大切に美味しく食べましょう。みたいな内容です。新潟出身ならではの噺でした。
○落語 橘家圓蔵 演題不明。キーワード「私のお披露目の時」
師匠、花粉症で座って話すのが辛いのでと、漫談のように立って高座を勤めます。
あたしが真打披露の時は、目の前が揺れて見えた、涙で。そしてここまで育てくれた師匠や後押ししてくだすったお客さんに感謝の気持ちで胸いっぱいになった・・なんてことはこれっぽっちもなかった。だけどお袋の事は思った。等等、笑わせたり泣かせたりの思い出話をやり下がります。
○落語 林家たい平「湯屋番」
先輩師匠たちが切り詰めて作った時間をも貰って、これからが若葉師匠達のたっぷりの高座です。
最初は、たい平師匠です。
「待ってました」の掛け声が掛かります。真打披露興行では若旦那ものをやってきているたい平師匠ですが、今日はその若旦那ものの中から「湯屋番」でした。
特徴の立て板に水の喋りで、サーと サゲまでやらずに、若旦那の一人世界の模様を演じて下がります。
○落語 柳家喬太郎 「ハワイの雪」
「たっぷりと」のお客さんからの掛け声に、「いゃだよ」と応え、始まります。
新潟に住むおじいちゃんと孫が最初に出てくる。孫がおじいちゃん宛にきた手紙を読む。ハワイに住むおじいちゃんの幼馴染チエコさんからの物。最初はそんな人知らぬ存ぜぬだったおじいちゃんも遂に認め、結婚の約束までしたことも話す。手紙で依頼のあったチエコばあさんもそろそろあれなので、死ぬ前に一度ハワイに尋ねて来てほしい件を果し、ハワイへとやってきた。そしておじいちゃんと話しながら昇天したチエコばあさん。見送るおじいちゃんの「待ってろ、わしもすぐいくからな。 待ってろよわしもすぐだからな。」の繰り返しの台詞を聞きながら、幕が下ります。オチの無い一人芝居のラストのような締めくくりで終わり、追い出し太鼓がなりました。

そう何回も見る機会も無い貴重な真打披露興行を見れて良かった。
5月は芸協の真打披露興行です。これも見逃せません。
2000/04/09 にちようのあさ 更に 本牧亭講談定席
桜満開の上野公園を横目で眺めつつ、お江戸上野広小路亭の「にちようのあさ」に行きました。
お客さんは多かったですね、朝席としては。何人かの常連さんと挨拶を交わし、席に着きます。
小文さんは、真打披露でやんやかんやあるようで、中1本、最初と取りを陽司さんがやりました。

陽司さんの一本目は「越の海」です。テンポ良くパンパンと決めました。いつもの陽司さんの語りのテンポの倍くらいの速さでやりました。スポーツものは今日くらいの速さが、小気味良いです。

続いてもう直ぐ右團治師匠の小文さんの登場です。「子別れの下 子は鎹(かすがい)」をやりました。お花見のマクラから強引に持ってきました(^^;
いいですね小文さんの人情ばなし。逸品です。クライマックスのうなぎやの二階の場面をわりとあっさりやったので助かりました。
この場面をたっぷりやられると私は泣いてしまったでしょう。以前別の寄席で聞いた中村中蔵も良かったのを思い出した。真打披露の席では何をやるのだろう。

最後、陽司さんの二本目は「生きる悲哀」です。大正時代の金八先生の話しです。初めて聞く話しでした。
小学校の担任をしている教師とその受け持ちのクラスにいる、グレ気味の生徒を改心させる話しでした。ということで、今回は新作講談は無しでしたが、これはこれで面白かったので満足です。

終演後、しのばずの池沿いの茶店で花見をしながら陽司さんと、常連のお客さんで食事をしました。人出はすごかったですが、しばし花見を楽しめました。

昼食後陽司さんと別れ本牧亭へ向かいました。既に講談会は始まっており前座の京子ちゃんの高座は聞けませんでした。だんだんとお客さんが入り、超満員状態となった講談会でした。
出演者とネタを紹介。
1.神田京子 「越の海」 今朝、陽司さんがやったネタ。京子バージョンは以前1回聞いている。
2.神田小松 「天明白波伝〜ムササビの三次」 迫力満点。コエ〜!
3.神田山吹 「中江兆民」 3月は大変な事件があったそうです。それを寄席で喋りたくて今日は朝からそわそ
        わ。今回のネタは山吹ちゃんを前座時分に、はじめて聞いたときのネタ。懐かしかった。
4.神田すみれ大場の久八」三島にいた、本当の侠客のはなし。すみれ姉さんの男しゃべりは何時聞いても素晴
        らしい。
5.神田松鯉 「大岡政談〜天一坊」 何時もながら重厚な語りです。松鯉先生は久ぶりに聞きました。
中入り
6.神田愛山 「講談師品川陽吉シリーズ〜留守電菌」留守電にメッセージを吹き込むと、その人の本音の話し
        が続いて録音されるという、あったら怖い話しです。
7.神田紫  「松井の機転」?はじめて聞く話しでした。45分たっぷりを聞きました。今日の紫姉さんは何時も
        ながらですが妖艶でした。姉さん目当てのお客さんが、最後にどっと現れたのは凄かった。
2000/04/03 シラバカ派文学全集 第1回配本 夏目漱石
神田北陽さんの独演会「シラバカ派文学全集」第1回配本「夏目漱石」(長いタイトルだ)に行ってきました。

開演前に、桜湯がふるまわれました。
桜湯は美味しいと思った。今までただしょっぱい変な臭いのお湯くらいにしか感じてなかったけれど、今日は不思議
です。
春の香りをしばし楽しみ、客席へ着きます。
今日の湯島天神参集殿は、100人を越える超満員状態でした。
4ヶ月ぶりの独演会とあって、お客さんも気合がはいってますねぇ。

北陽さんが現れます。
花粉症の影響か、鼻声で調子悪そうでした。
マクラダイジェスト(メモに書き残したもの)
・独演会のタイトルのシラバカ派は、講談の修羅場(シラバ)を今後少しづつやっていこうと思い、このタイトルに
 した。
 たとえばトムヤムクンの作り方をシラバ調でやるとか・・・
・入門すると最初に習うのが「鉢の木」のシラバ
 ここで北陽さん、鉢の木のシラバ「佐野源左衛門の駆けつけ」をやる。
 →僕は最初このシラバを聞いたとき、これ日本語?と思った。何をしゃ べってるのか、全然わからなかった。今
  回も半分以上解らなかった。     (;_;)
  このシラバは今は高座ではやらないが、時々口ずさむ。大体5分くらいの長さなので、サウナの中でやる。ちゃ
  んと言えれば体調OK.
・新潟さんはネタになる人だ。(先日の落語ジャンクションで彦いちさんのやった噺が面白い)
・花見といえば桜。ソメイヨシノだ。他の花見は普通しない。北陽さん自身は、菊の花見はちょっとやる。自分なり
 に勝手に賞をつける。「円谷賞」とか。これは菊の花(花細工?花人形?)が、怪獣とウルトラマンの戦いに見え
 るから。
・金八先生の総集編を、昇太さん家で見た。泣いたなと冷かされた。
 
花見のネタがでたところで、最初のネタは、古典で「秋色桜」でした。
男性演者の「秋色桜」は、初めてです。
粗忽者の父親の様子が、大変上手く表現されていました。
この話しは、聞き慣れているせいか、女性演者が演ったほうが合うと思いました。
こんど上野の山に見に行こう

休憩

2回目のマクラダイジェスト
・シラバカ派文学全集の第2回配本日が決まった。
・サンケイ新聞にインタビュー記事が載った。
 →北陽さん、新聞を読み出す。誉めているところを読む時、照れていた のが印象的
・漱石全集持ってるお客さんいますか?
 北陽さん自身は3回買い直した。(ちょっと威張ったタアクション有り)

今回のキーワード「夏目漱石」を振っておいて、2本目の話にはいります。
我輩はウサギである それからどうした
→こんなタイトルだったと思います。
小学生の少年二人と、二人が憧れるみちよちゃん、それから学校で飼っているウサギが、登場人物です。主体が人に
なったり、ウサギになったり、こまめに入れ替わります。
状況描写が講談調の語りではなく、NHKの朝ドラの副音声のような(この例えでわかりますか)語りでした。つま
り限りなく小説の朗読に近い講談でした。
ラストは、少年の一人平岡君(だったかな)の親と、みっちゃんの親が結婚して、兄弟になってしまうこと(あだち
充のみゆき状態)をもう一人の少年に言えなくて、三人でそのまま帰路に着くとこでおしまい。

なにか物足らないエンディングだった。4ヶ月待ったのだから、もっと強烈な満足できるものがほしかった。(ちょ
っと我がままな意見ですみません映画で言えば、僕はタイタニックが見たかったのに、北陽さんは小津安二郎の映画
を映した。そんな感じです。どっちも良い映画ですが、期待していたものと違ったので拍子抜けしてしまったという
ことです。
出口付近で会ったご婦人三人連れのお客さんは、すっかり満足した様子でした。
100人100色の感想を持ったのでしょう。
次回は、「坂口安吾」です。ちょっとお勉強しようか(無駄かも)

    

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