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○ 癌は、性器にもできる
40代なかば頃、入浴時、内陰唇に、ごま粒大くらいの、黒いゴミがついているのに、気づきました。焼魚の焦げカスのような、平べったいものが、張り付いていたのです。
「何でこんな所に」と思い、取ろうとしたのですが、取れませんでした。よく見ると、それは、張り付いているのではなく、皮膚の一部が黒くなっていたのです。
その時は、こすれて皮膚が黒ずんだのだろう。と、気にもとめませんでした。
その後、50代になったある日、あの黒いかさぶたは、どうしたかなと、ひょこっと思い出しました。入浴の時、見てみると、かさぶたは、かさぶたでなく、ほくろになっていました。 小さな黒い、いぼくらいの大きさになっていたのです。「性器にも、ほくろができるんだ」と、目から鱗のような感慨を持ちました。
50代半ばをすぎ、更年期障害での、ホルモン療法を試みたとき、産婦人科の先生に、注意して、経過を見た方が良い、と言われました。
やっぱり、成人後にできたほくろは、メラノーマの可能性があるから、注意しなくてはならないのだ。と理解し、たまには、見るようにしていました。
60代になり、退職もし、時間に余裕が出たので、改めて、どんな状況にあるかを、しげしげと観察しました。
観察の結果。以前は、ただのほくろだったが、表面がでこぼこになっていた。しかも、ひょうたんのように、二段になっている。五〇代までは、卵形だったが。
ほくろの境界は、しっかりついているから、メラノーマの定義には当てはまらない。しかし、40代から20年経って、大きさは、10倍近くになった。しかも、50代半ば過ぎからの、5、6年で、一挙にひょうたんの上の分だけ、大きくなった。
それまでは、あまり、オープンにしたくない場所だから、自分が観察しているだけで、医者に診せたことはなかったけれど、これは、捨て置けないと、医者に行きました。
案の定、診察した医者は、悪いものではないと思うが、粘膜にできている場合、悪いものに変わる可能性が高いので、そのままにしない方が良いと、切除を勧めました。
形成外科なる所へ、紹介状を持って出かけ、診察、手術、抜糸と、3回の通院で、ほくろは無事に切除されました。精検の結果は、メラノーマではなく、単なるほくろでした。結果としては、何もせずに、そのままでも、ともに墓場へ行かれたかもしれません。
しかし、性器を見ないでいて、メラノーマになっていたらと思うと、ゾッとします。女性の性器は、意識してみない限りは、見えないのですから。
「見てはいけない」という縛りをかけたら、不幸な女性が育成されてしまうと思います。
私は、性教育を勉強していたからこそ、見ることができました。子ども達には、たまには、性器を見た方が良いと、教えます。自分の身体を守るのは、最終的には、自分だから。
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