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<生活自立は本人のため。そして、親にもプラス>
「佐賀のがばいばあちゃん」が話題になって、テレビドラマ化もされました。
テレビを見ながら「似ているけど、まだまだ、足元にも及ばない。」とも思いました。
私も、家の仕事は、当番制で、保育園年長頃から、どんどんさせました。「お手伝い」などという、生やさしいものではなく、「家の仕事」として、キッチリ、分担させました。
フルタイムで仕事をしている立場では、そうでもしなければ、、仕事は二の次にして、家庭大事の、職場の「困り者」になって、定年まで勤め続けられなかったと思います。
子どもにとって、結果がはっきり出て、効果的な仕事は、風呂掃除です。
やらないと入浴できず、「やってないから入れない」と、周りからすぐ圧力がかかる。一定時間内に、絶対にやらざるを得ない。否も応も無くやることで、理屈抜きに身体が動いて、家事をこなしてしまうような、効果がありました。
食器洗いもそれなりには良かったと思います。
どう洗ったら早く洗えるか。食器かごの置き方は。届かない流しに合わせるために置く、台の位置をどうするか。滑って皿をおとさないための工夫。など、前頭葉を、フル回転させる訓練に、なりました。次男の創造性は、これによって培われたのかもしれません。
しかし、食器は予備があるので、やらねば次の食事ができない、とまでは行かず、ぎりぎりの選択を迫られる、風呂当番に比べると、手が抜けがちになりました。
リンゴなどは、洗って丸のままテーブルに出し、各自がむいて食べていました。子どもでも使える大きさの、果物ナイフがあれば、充分対応できます。
多少の危険は伴いますが、指を切ったとしても、切り落とすほどの力はないから、大事には至りません。切れないナイフだと、力を入れて大事に至る危険があるから、切れるナイフを用意するのがポイントです。
長男が、5年生になり、家庭科が始まったある日、帰宅後すぐに「家庭科で皮むきしたら、女でも全然むけないんだ。僕の方がよっぽどうまかった」と、得意げに話しました。日頃無口の彼が、自分から話したのは、余程嬉しかったのでしょう。すかさず、「小学校1、2年の頃から訓練していた、成果が出たでしょう」と応じました。二男、三男も同様でした。
皮むきだけでなく、家事に関する実務は、おおむねうまくなっていた彼らの、家庭科の成績は、むろん上位でした。
「21世紀の男は、生活自立ができねば、いい男とは言えない」としながら、家事の手抜きに、子どもらを動員しました。
結果として、一人暮らしをしても、全く困らないおとなになり、仕事の合間に、家事を淡々とこなしています。
子どもは最良のロボットと位置づけ、彼らの力を引き出すのも、育児の一方法ではないでしょうか。
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