★ 鬱病は死の病
鬱病になると、自殺の可能性があるから注意しろとは、よく言われます。
私の同僚だった女性も、「明日入院する」という前日に、自宅マンションのベランダから飛びました。通院していたにもかかわらず、回復が思わしくなかったことを悲観したのだと思います。
自殺による死だけでなく、鬱によって、様々な病気を誘発するという意味で「死の病」と言いたいのです。
鬱になると、バッテリーのあがった車と同じで、家に引きこもります。そして、動けないままに、じっとして時を過ごすことになります。
動かすことなく、ほっておかれた車は、エンジンが錆び付き、車体もぼろぼろになってしまいます。その後、バッテリーが充電されたとしても、使い物にはなりません。
バッテリーがあがってしまっただけで、エンジンも車体も故障していたのではないのに、ただ、動かさずに置いていたというだけで、車としての機能が失われてしまいます。
人間も同様です。動いていてこそ人間でいられるのです。鬱状態というのは、脳内のバッテリーがあがった状態ですから、動く人間とは、まるで反対の行動を取ることになるわけです。食事はとれないか、非常に偏ってしまう。運動はゼロに近い。1日一万歩が理想というのに、1日50歩も歩くか歩かないようになります。
そこから、様々な病気が生み出されてしまいます。
私の場合は、常時便秘に悩まされました。食事が偏り、運動しないから当然かもしれません。「出すために入れる」ような状況が、さらに気分を落ち込ませました。
ほとんど食べなかったり、特定の物以外は食べられない場合は、糖尿病、高血圧、心疾患などの生活習慣病が待ちかまえています。
その先には、内臓疾患による突然死や、生活習慣病による病死もあり得ます。「鬱は死の病」と考えたゆえんです。
私の場合、内臓疾患は今のところ何とかなっていますが、骨と関節は大きなダメージを受けました。
毎日、ほこりをかぶったプーさん人形のように、椅子に寄りかかっていましたから、頸椎のS字カーブが無くなり、脊椎管狭窄症と変形性膝関節症を背負い込みました。実年齢の半分くらいだと自負していた骨密度は、かろうじて、実年齢に引っかかるレベルにまで、落ち込みました。
身体のあちこちにがたが来ました。すべては食事バランスと、運動不足が原因です。
このままの状態が続けば、死の病の前に、脊椎や膝関節症による寝たきり生活が、待ちかまえているようにも思われます。そうなれば、やはり死を早めることになります。
鬱は「死の病」だと言って、過言ではないと思います。
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