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はじめに

1 イライラ合戦

2 まず一歩

3 もう我慢できないっ!

4 こんな会社辞めてやる

5 自分の心にもぐりこめ!

6 本心を語ろう

7 出会えた喜び

8 繰り返される人間関係

9 必要だったから

10 はるかさんの自己受容

11 シンクロニシティは突然に

12 やよいさんの自己受容

13 ますみさんの生き方

14 再スタート

15 決意を行動に

16 それぞれの人生

おわりに

いいんだ!

  繰り返される人間関係

 例の紙を広げて、やよいさんは少し前から気付いていたことで、まだ紙に書いていなかった一行に、思いを書き付けることから始めました。それは
 

 人の話はちゃんと聞いてほしい。

の一行でした。どうも自分は人の話を聴くかどうかにこだわっているようだと気付いたのです。

 やよいさんの両親は弁護士をしていたので、小さい頃からいかに真剣に人の話を聞くことが大切か、たびたび言い聞かされてきました。両親のことが大好きで、もっともっと両親のようになりたいと思ってきたやよいさんにとって、「人の話を聞きなさい」という教えは、とても大切なものになっていました。

 人の話はちゃんと聞いてほしい
 相手がはるかさんでなくても、人の話を聞かない人を、私はは好きになれなかった。思えば、人の話を聞いてないなぁと思っている人とは、ずっとうまくいかなかった。両親の教えをとても大事だと思っていたから、私にとって「人の話を聞く」というのはとても大事なことなんだ。


 そうか、そういうことだったんだ。

 次に考えたのは、この3行でした。

 どうしていつもこんなことになるのだろう?
 どいつもこいつも、どうして私のことを否定するんだろう?
 私はこんなに頑張っているのに。



 やよいさんが1週間休暇を伸ばしてでもはっきりさせたかったのは、この点でした。少し冷静になって考えると、「いつも」とか「どいつもこいつも」とか「こんなに」とか、曖昧な言葉で感情を大げさに表した文章です。けれど、確かにこんなふうに思っているのです。そして、思うだけあって、やよいさんは確かに、今回のような人間関係の問題を繰り返してきたと感じていました。

 やよいさんは、両親にもっと気に入られたくて、頑張るようになってきたことにすでに気付いていました。でも、その「頑張る」という姿勢は、両親だけに対するものではなく、何事にも向かっているのです。

 やよいさんが「頑張る」のは、やっていることが好きだからとか、楽しいからではありませんでした。もちろん、好きで楽しいこともありましたが、それは二の次でした。何より、「よくやった」という人からの評価を求めてのがんばりでした。

 だから、やよいさんにとっては、「よくやったね」「あなたの言うとおりだ」というプラス評価の反応以外は、すべて「否定された」という感覚を呼び起こしてきたのだと気付いたのです。

 まして、真っ向から反対されたり、努力してやってきたことを無視されたり、やり方を非難されたりすると、やよいさんは一気に気持ちが落ち込んでしまいました。無価値感に支配され、その一事ばかりが気にかかり、次第に怒りが湧いてくるのでした。

 さらに、自分には、今まで認めたくなかったけど、もっと意地悪な心もあることを認めなくてはと思いました。

 それは、自分に異を唱えた人が、その後素晴らしい成果をあげるならまだしも、自分が続けたのより振るわなかったりすると、相手に「ほらごらんなさい、あなたが私に反対するなんておこがましいのよ」と思えてきて、その相手に身の程を思い知らせてやりたい、意地悪くしたい、踏みにじってやりたい、仕返ししたいという気持ちが湧いてくることでした。

 実際に、その気持ちに従って、相手に意地悪なことを言ったりしたりしたこともたびたびあったのです。

 ずっと「いい子」できたやよいさんにとって、自分の心の中に、そんな傲慢な部分があると認めるのは、とても辛いことでした。