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はじめに

1 イライラ合戦

2 まず一歩

3 もう我慢できないっ!

4 こんな会社辞めてやる

5 自分の心にもぐりこめ!

6 本心を語ろう

7 出会えた喜び

8 繰り返される人間関係

9 必要だったから

10 はるかさんの自己受容

11 シンクロニシティは突然に

12 やよいさんの自己受容

13 ますみさんの生き方

14 再スタート

15 決意を行動に

16 それぞれの人生

おわりに

いいんだ!

  まず一歩

  お互いにイライラのピークに達していたはるかさんとやよいさん。

 それでも2人とも大人ですから、テレビドラマのように「あんた気に入らないのよッ!」と叫びあい、取っ組み合いをしたら心が通じた!なんてことはありません。表面上は平静を装っていました。それがまた、2人をイライラさせていました。いつでも、オトナというのはツライものです。

 先に行動したのはやよいさんでした。

 やよいさんは、イライラする気持ちを抱えたまま毎日を過ごすのに嫌気がさしました。でも、はるかさんがイライラの原因であると認めてはみても、相手に直接伝えようとすると、「あなたの耳が聞こえにくいせいで・・・」という部分に触れずには済ませられません。それを口にしてしまうのはルール違反のような気がします。だからこそ、ここまでイライラを抱え込んだのでした。

 だったら・・・やよいさんは考えました。
 私がはるかさんの耳になったらどうだろう?聞こえにくいから勘違いしてしまうなら、聞き逃した情報を私が先に伝えることができたら、はるかさんの行動も変わるのではないかしら?

 やよいさんは決意しました。
 はるかさんに「今なんて言っていたの?」と聞かれた時には、笑顔で何度でも、わかってもらえるまで伝えよう。

 やよいさんは、すぐに決意を行動に移しました。何度も胸の中に「こんなの、聞こえなくても常識でしょう」とか「今忙しいのに、めんどうくさいな」という気持ちが湧いてきました。でも、決意したとおりにしようと、懸命に笑顔で伝え続けました。

 はるかさんは、すぐにやよいさんの変化に気付きました。嫌な顔をせずに教えてくれるので、だんだん頼りに思うようになり、以前よりもやよいさんにイライラすることが減っていきました。仕事の面でも、正確な情報を伝えてくれるやよいさんのおかげで、迷いなくできることがうれしくなりました。

 ある日、はるかさんはやよいさんに感謝の気持ちを伝えようと思い立ちました。

 「やよいさんが嫌な顔をせずにいつでも教えてくれるから、私は本当に心強いわ。ありがとうね。みんながやよいさんみたいにしてくれるわけではないのよ。めんどうだから、どうせわかってないんだからって、最初からいない人みたいに扱われることの方が多いの。そりゃわかっている人たちだけで仕事をした方が早いしうまくいくでしょうけど、でもあの人たちは、自分の力だけでは弱くてできない人の心の痛みなんて全然わからないのでしょうね。やよいさんとチームを組めて、今年はラッキーだわ。」

 やよいさんは、それを聞いて、とても胸が痛みました。
 だって、やよいさん自身が、「はるかさんがいなかったら、こんなにイライラしなくて済むのに!」と思っていたのです。やよいさんはこの時初めて、自分が「自分の力だけでは弱くてできない人の心の痛み」なんて考えたこともなかった自分に気付きました。やよいさんは罪悪感から、少しだけ自分のイライラを減らせるような気がしました。

 これで、2人のイライラ合戦は解決したでしょうか?

 いいえ!

 そうなんです。2人の精神的バトルは終わっていないのです。この後2人は…